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@ クソゲヱリミックス! @ [√6連載中]  作者: キラワケ
第八章 ※独占禁止法は適応されませんでした。
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第115~118話R √1-6 ※独占禁止法は適応されませんでした。

R版差し替え済み



五月十八日



 教室開催の勉強会が二度目を迎える。

 俺とユイとマサヒロと、ユキと姫城さんによる五人による教室貸し切り――のつもりだったのだが。


「下之くん、私も教室借りていいかな?」


 昼休み、ぐだーと飯を食い終わって自分の机でダラダラしていたところに思わぬ人物が現れたのだ。


「別に俺はいいんだが、それでどうしてまた委員長が」

「いやさ、やっぱり学校の机が一番勉強しやすいんだよね」

「ふむふむ

「そしたら君たちが放課後残って勉強会してるの見て、いいなって」

「なるほろ」


 分からないでもない、確かに学校机は勉強がしやすい気がする。

 学校にいる緊張感で身を引き締め、集中して勉強出来る……俺が考えるとしたらそんな理屈だろうか。


「学習室は上級生優先だし、良ければ便乗させてもらおうかな、と」


 委員長が言う通り、学習室はあまり一年の使える雰囲気じゃなかった。

 なにより人が集まってワイワイ勉強会なんて出来やしないから、最初から眼中に無かったのだ。


「私は自分の机で勉強させてもらうけど……もしかして邪魔かな?」

「……いや、全然。まあ、いいんじゃね? 勉強するには手頃な場所だし」

「じゃあ、いいの?」

「おうよ。他の奴にも一応聞いてみてからだけど、それでいいか?」

「はい、もちろん。じゃあ今日からよろしくね、下之くん」

「ああ」


 いやー、まさか委員長から話しかけてくるとは予想外だった。

 別に仲が悪いわけでもなく、良いわけでもなく、長いこと俺とは同じクラスメイトをやってる気がするのに不思議と接点の無かった彼女だ。

 委員長の記憶はこれまでもある程度あるし、彼女はギャルゲーとは無関係のはずだが――まさかいつの間にかリアルにフラグを!?


 ないな。

 

 おそらく、考えられるとすればギャルゲーに影響しての行動なのかもしれない。

 俺とユイとマサヒロの三人勉強会ならファーストフードで軽く済ませているものだが、ユキや姫城さんが加わったことで大所帯になり教室での勉強会を考えた側面もあったのだ。

 いわゆるユキと姫城さんの存在がなければ教室勉強会なんて企画しなかったわけで、そういう意味では委員長も影響を受けたのかもしれない――そう、俺は一人納得したのだった。

 

 そのあとほ俺以外の面々に委員長の教室使用を聞いてみると、もちろん了承。

 こうして委員長は俺たちの勉強会に参加するこそしないものの、同じ教室で放課後勉強する仲間のようなものになったのだった。

 




 そうして放課後がやってくる。


「じゃあ下之くん、私も使わせて頂きます」

「どうぞどうぞー……って俺は鍵持ってきただけだしな、変にかしこまる必要ないかと」

「そう? じゃ遠慮なく自分の使わせてもらうね――それとも下之くんのハーレム勉強会に一緒に参加した方がいいかな?」

「え!?」

「ふふ、冗談です」


 あ、あれ? 委員長ってこんな人だったのか。

 というか俺の周囲からの認識そうなってるのか……全然そんな気はしないんだけど、というかマサヒロの存在をスルーしないでやってほしい。

 委員長って中学の頃は大人しく真面目なイメージしかないけど……あんまり話してないのに、あっちは少し気軽なようにも見える……まぁ、それが悪いって訳じゃないけども。

 そうして委員長は俺らの固まるスペースからそれなりに離れた自分の席へと座り、机の中や鞄から教材をおもむろに取り出し黙々と勉強し始めたのだった。



 俺たちはと言えば今まで通りに机を一点に並べる。

 ちなみに、今日の配置は前回の配置と変わりないはずだったのだが――


「ユウジの隣座っちゃおっ」


 と、言って紛れない空席である俺の左に座っ……!?

 気づけば机も俺の隣に寄せて完全にスペースをキープしている、ということは――


「姫城さん、いいよね?」


 ユキはそう言い放つ。

 そこには対抗心やら敵意が垣間見れたのは俺の見間違い、否幻覚に違いないだろう、そうであってほしい。


「いいですよ?」


 と、姫城さんからはどこか優位に立っているかのような余裕を浮かべていたのは、完全に見間違いでない。


「…………」

「…………」

 

 俺の両サイドでかつて類に見ない白熱した戦いが行われている気がしてならない。

 そして、それを――俺の思考は思い違いで処分することとした。



 マサヒロは時折俺が国語を教えながら、また黙々とやっている。

 というかなんでそこまで苦手な国語を頑張ってるのかと、いつか聞いてみたものの――


『ラノベ作家になってアニメ化、それからアニメで知り合った女性声優と付き合いたい』


 というあまりにも不純な考えだった、そもそもラノベ作家になってってのが踏み台なのは失礼すぎるからな?

 ユイはというと――冴えてるヒーローの育てかたの加藤を描いている、加藤を描くとはお主分かっているな。

  ユキはというと──


「うーん……あっ、分かった!」


 着実にコツコツと問題を解いていた・

 なんか”分かった!”って呟いた時のリアクションが可愛いので俺の脳内フォルダに保存しておくとして。


「……ユウジ様?」

「おおっと、悪い」

「今……他の女のことを考えてはいませんでしたか?」

「ぎ、ぎくっ」


 ぎくっとか声に出す日が来るとは思わなかった。


「本来は息をするのと同時に私のことを考えていてほしいものですし、私も考えていますが。百歩譲って今は隣にいる私以外のことを考えるなんて許されません、相手はどなたなのでしょうか。今なら二本で済みますよ」


 な、なにが二本なのでせう?

 姫城さんのさんのストレスゲージは急激に上昇するからおっかなすぎる! そんな俺が問い詰められている時――



「……私も隣にいるんだよ? 姫城さん?」



「ええっ!?」

「…………」


 まさかのユキさん参戦、しかもなんて小悪魔的イタズラフェイス! おおう、これはこれで―― 


「ユウジ様? 今、明らかに篠文さんのことを考えませんでしたか?」

「いや、えと、その……ごめんなさい」

「素直にありがとうございます……でも」


 だきっ、と俺の左腕に姫城さんが――!?


「ちょ、姫城サン!?」

「勉強を教えている間は……離しませんよ?」


 いつもの怖い感じはせず、少しだけ照れた様子で上目遣いなのがやたら可愛いらしい姫城さんにドキッとしてしまう。

 というか、姫城もこんな表情するんだ――だきっ。


「私も勉強している間は抱きついていようかな!」

「えぇっ! ユキさん!?」


 気付くと……気付かなくても、ユキが俺の左腕に抱きついていた――

 大きな柔らかいたわわと、そこそこ大きくもハリのあるたわわ……こんなに違うものなのか!?

 そうして俺の両腕をサンドイッチされながら、俺を挟んで二人はにらみ合いを続けている――俺の幼なじみと友人が修羅場すぎる!?

 しかし……なんだこのハーレム、ギャルゲーかよ。


 ……ギャルゲーだった。


 ギャルゲーってほんと羨ましいな、主人公モテモテなのが死ぬほど羨ましい。

 ギャルゲーの主人公豆腐のカドに頭ぶつけてケガしねえかな。


 ギャルゲーであることを再認識し、ある程度冷静になった俺は――


「いやいや! 姫城さんにユキ、勉強しようぜ? な?」

「あ……はい、すみません! 出過ぎたマネを」

「いや、そんなことは……とりあえず続きを頼みます」

「ええぇー! ユウジの困った顔、私好きなのになー」

 

 そうしてユキからまさかのSっぽい言葉に地味に衝撃を受けつつも、ユキはいつも通りに戻っていく。

 そこで俺はふと考えてしまう……どうしてユキは姫城さんに対抗しているのかと。

 姫城さんが実はあまり好きじゃなかったり? それとも――最近俺と姫城さんが仲良くしているからの、嫉妬?

 

 ……うーん、友人として幼馴染として俺が姫城さんと仲良くしているのが面白くないんだろうか。

 別に姫城さんは悪い子ではないと思うんだがなぁ。

 ちょっと感情表現が極端なだけで、そして姫城さんの致命的ともいえる俺殺人未遂の出来事も当事者以外誰も知らないはずなのだ。

 だからユキが妙に姫城さんに対向心を燃やしている様子なのがいまいち解せない、

 

 もし、もしもだが……ギャルゲー的にマンガ的に考えるなら、俺にユキの好意があるのならスキンシップ攻勢を仕掛けている姫城さんへの対抗心も分かる気がするのだ。


 ……ないないない。

 俺の作られた記憶の中のユキはといえば、幼馴染であり気における男友達・女友達という相互の関係で、色っぽいことも何もなかった。

 そして俺はふと聞いたことがあるのだ――


『ユウジと付き合う? ないかなー、だって私たち幼馴染の腐れ縁だし。そういうの意識したことないなー、だからそういう(・・・・)のじゃなくて普通にユウジとは友達だよ』


 ユキがふと友人とそんなことを話していたのを聞いてしまったことがあった。

 しかし別にそこに悪意はないのだ、俺を貶めようとしたわけでもなく、かといって照れたからの誤魔化しとかでもなく。

 

 純粋な脈無しにして、それでいて俺の古くからの友達には違いない……だけのこと。


 記憶の中の俺もユキを好いていたかといえばそうではなく「だよな」という感想だったのだ。

 だから俺たちはずっと幼馴染にして腐れ縁にして高校生まで続く異性同士の友達、それでしかなかったのだ。


 

 だからこそ、姫城さんの行動に対抗するユキは良く分からない。

 例え元になったギャルゲーでもこの時点で俺とユキの関係性が変わるよう劇的なことはあった覚えがないのだが。

 ……車に轢かれるのを回避した時に手を引いたぐらいだが、手を引いて女の子が落ちるならギャルゲーも苦労しないで全クリアだ。


 残念ながら俺は恋愛経験がない――もっとも女の子相手に片思いにして事実上振られた思い出ならクッキリ残ってるけどな!

 その片思いの相手が俺のことをそこまで悪くは思っていなさそう、だと思っていただけに振られたショックは大きかった。

 だから今の俺は軽々しく「もしかして俺のこと好きなんじゃね?」とは思えないし、思わない。 

 振られただけならまだしも、そのあとぶ俺の目の前から消えてしまうぐらいなら――俺はこの現状維持でいい。

 


 そんな勝手にトラウマが刺激されたが表情に出さないように気を付けて、一応は勉強会を再開するのであった。





「はい、満点です」

「おお!」


 姫城さんに数学の模擬テストをやって貰っていた。

 ちなみに、姫城さんには数学だけ教えて貰い、他の教科は自力かつ家で勉強したり、学校での合い間を縫って勉強していた。

 姫城さんも勉強する時間が必要(正直、姫城さんの時間を奪ってしまって申し訳ないと思っている)なので姫城さんにも勉強してもらい、その間にも他教科を勉強していた。

 

 時折質問して来るマサヒロにもしっかりと応え、実は今日は俺が国語の模擬試験をしてやった


 ユイは勉強会最終日には周囲が気になったのか、独り模擬試験をやっていた。

 ――オール九十点以上の点数を取れていて、俺は思い切り引いた。

 今まで勉強していた素振りも見せてないのにどんだけだよ、と。 

 毎回疑問に思っていたが、勉強会に来る意味ないと思うのだが……本人曰く「皆が集まるんだから、アタシも来るぞ?」と言っていた。


 ユキは基本コツコツと勉強していて、国語だけは教えられるので、たまに「ユウジ教えてー」と聞くので「こうで、こうで、こうな」と教えていた。

 「ありがとー」と言って嬉しそうにコツコツ勉強に戻る。 その時には姫城さんにジト目攻撃を受けていた……ええ。


 そうして気づけば教室の鍵返却時間も迫り、そんな中でソロ勉強会をしていた委員長が


「今日はありがとうね、下之くん」

「おお、委員長……正直俺たちうるさくなかったか?」

「ううん、大丈夫――耳栓してたし」


 うるさかったんじゃん、正直すまなかった。


「というのは冗談だけど。学校で出来たおかげで大分捗ったよ、ありがとね。じゃあまた明日」


 委員長って冗談とか言うキャラだったのか!?

 ……という何年越しだかの衝撃はおいておくとして、そうして委員長は手を振って帰っていった。 


「そろそろ俺たちも帰るか」

「だぬー」


 マサヒロが言いユイが同調する、俺含めた皆も勉強のキリよく同意見だったらしい。

 そんな訳で二度目にして最後の勉強会を終え、皆でのテスト勉強は終わった。

 あとは各自勉強の上でのテスト当日を迎えるののみであった――



五月十九日



 テストが始まる本当の直前まで勉強は欠かさないので当日の「書くもの以外仕舞って」と言われるまで追い込みをかけた。

、最初のテストは英語だ、チャイムと共に問題用紙・解答用紙と思われる紙束を抱えたテスト監視監督がやってくる。


「ではー、問題を配る」


 テスト監視官がペラペラ列分の問題用紙を各列に置くと、問題が前から送られてくる……ああ、緊張するもんだなぁ。

 シャーペン二本よし、消しゴム二個よし、シャー芯二個よし……シャーペンの動作確認も終わってる……準備は良し!

 

「解答用紙を配る」


 あー、緊張をほぐす方法って確か……人という文字を手に書いて――正面に居るテスト監視官に怨念をこめて投げつける。

 というような行動をすると「カンニング類似行為」と見られて退場させられそうなのでやらない。


『キーンコーンーカーンコーン』

「始め」


 ……テストがはじまる。

 よし! と、俺は右手にシャーペンを持ち、問題を解き始めた――

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[良い点] あんた立派なギャルゲー主人公だよ...
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