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@ クソゲヱリミックス! @ [√6連載中]  作者: キラワケ
第十四章 神楽坂ミナの暴走!
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第425話 √b-10 神楽坂ミナの暴走!

これは本物

 授業中、真面目に板書するも教師の自伝語りが始まってしまった。

 シャーペンを地に置いて、片肘をついて顎を軽く載せる。


「ふーむ」


 俺以外の生徒会役員で追加要員は確実必要。条件的には有能かつ俺にとって信頼のおける人物が一番良いに決まっている。

 ……もちろんチサさんに追加要因の提案をした以上は目星がついていないわけじゃない。


「(まずは姫城さんか……)」


 姫城さんは例の一件があったけども優秀さではトップクラスだし……こう言っちゃなんだけど聞いてくれそう。

 ああ、クズだ俺。

 でも、緊急事態だから! 罵ってくれて構わん! ……いやまあ強制は絶対にしないけどさ。姫城さんが生徒会に来てくれると嬉しいなーって、純粋に。

 最近一緒に行動することも増えたし、会話も増えてきたし、うん。


「(あとはユイ……)」


 ユイは安請け合いしてくれそうなのもあるけども、実際当人が優秀であるのも確かだ。

 あの容姿や性格ではあるけども頭の回転が速いほうだろうし、なにより信頼面がかなり大きい。


「(個人的にはユキも来てほしいところだけども……)」


 ユキも生徒会に入ったらしっかり動いてくれるだろうし、これも信頼面的にもそうだよなあ。

 というか本当にユキと一緒にいれる時間も確保できるし……おおうなんという職権濫用。


「(……あね……ミナは止めておこう)」

 

 もともとリーダーシップに長けた人だし、性格面もそこまで変わっていないようだから……入ってくれたらそりゃあもう姉貴に及ぶか届くほどの活躍を見せてくれるとは思う。


「(……気乗りしないんだよなあ)」


 今せっかくミナは生徒会も家事もない学校生活もエンジョイ出来てるわけだし、ここは……だな。





 授業が終わり五時限目と六時限目の間の休憩時間。

 俺はまず姫城さんに聞いてみることにする。


「(連絡先は知らない以上、こうして頼めるのは学校のみ)」


 下校の方向も違うから、今日誘えるとしたら今このタイミングだな。


「姫城さん」

「なんですか、ユウジ様」

「ちょっと時間いい?」

「…………はい(ポッ)」


 なぜ俯き気味に頬を染めたし。

 そして、


「ユウくーん、姫城さんに何の用事なのかな~?」

「ユウジ、姫城さん呼び出して何するの?」


 おうふ幼馴染お二人さんの表情がなぜか怖いぞ。


「大した用事じゃないって」

「大した用事じゃないんですか……?」


 さらに俯きがちになり、途端表情を暗くする姫城さん。


「大丈夫です……ユウジ様の用事ならば例えヒの中酸の中」

「死ぬ死ぬ。まあ姫城さんに頼みごとが、さ」

「っ! わかりましたっ、お受けします!」

「せめて言わせて。あー、みんな付いてくるなよ?」

「「「う」」」


 ユキやミナにユイまでもが付いて来ようとしていた。ユイ、お前もか。 

 ということで廊下まで移動、そして教室少し離れた曲がり角まで。


「それで頼みたいこととは……あ、なめらかな切れ味がご希望でしたらこの<肉塊斬>――」

「間に合ってるから。えーと……まあ単純に、俺と生徒会しませんかっていうこ――」

「しましょう! ユウジ様と生徒会でしましょう! あんなことやこんなことを!?」

「生徒会活動をしような。ということで信頼のおける姫城さんにお願いしたいんだけどどう?」

「わか――りません」

「ええ!?」


 まさかの否定。え、宛てが大外れっすか? 初っ端から、かあ……キツイなあ。


「生徒会活動でユウジ様との時間が増えるのは実にすばらしいことだと思います。これだけで私は全財産を投げ打ってでも飛びつくでしょう」

「そ、そうなのか」

「しかし、その一方で家でのユウジ様との写真とのイチャイチャ時間が減ってしまいます。それは日々の重要な日課であり、それを一日に五時間しないと腹痛と頭痛が同時に襲ってくるんです」

「さりげない盗撮宣言だ。というかその禁断症状から来る状態異常は病院に行った方がいい、割とマジで」

「ようはそのイチャラブタイムポイントを溜める為の代用処置が必要なのです。と、いうことで条件を一つ出していいですか?」

「うん、色々ツッコミ入れたいけど自粛するわ。それで条件は?」


 頼む立場だし出来る限りのことをはするつもり――



「結婚してください。そしてユウジ様の子供を授からせてください」



 あまりにも無理難題だった。

 廊下が凍りついちゃったんですけども。俺をみる男女の目が凄まじいんですが。ふ、副会長になったのに敵増えた(泣)

 ふ、ふふう最近のヒロインはアグレッシブだぜえ。


「ごめんなさい」

「即答ですかっ!? そ、そんな……」

「今は無理」

「と、ということは!」

「今後は未定」

「な、なるほどチャンスはあるのですね!」

「他に条件とかはあるのか?」

「そ、そうですね……」


 できればさっきのハードルからは下げてほしい。



「結婚はいいですから、子供を――」



 最低男ユウジの出来上がり。廊下の生徒からの侮蔑の視線がピリピリと全身を刺激して心地よくなさすぎる。


「やっぱり頼みごと止めるわ、時間とって悪い」

「ま、待ってください! ではこうしましょう! 私へのさん付け禁止です!」


 お、おおう……やっと大丈夫そうなのが。


「それならいいんじゃないか?」

「では、早速! 呼び捨てでどうぞ!」

「ということで生徒会に入ってくれませんか、姫城」

「敬語に戻った!?」

「だめですか? 姫城」

「このギャップも……いやいやいやユウジ様に敬語を使われてしまったら関係退化によるショックで寿命が五十年縮んでしまいます」


 俺の発言で姫城さんの半世紀奪うってどういうことだよ!?


「いやまあスマン……じゃあ姫城、でいいんだよな」

「もっと言ってください! ”この姫城野郎”と”下着は桃色だから頭も桃色なんだろう姫城!”」


 もはや意味がわからない。というかなぜに下着カミングアウトしたし。


「あ、ちゃんと勝負の時は。ユウジ様、赤と黒どっちがいいですか?」

「ノーコメントで」

「なるほど……勝負の時でもスク水がいいのですね」

「なぜわかった!?」

「え、そうなんですか」


 副会長の性癖がなぜかバレた。



 閑話休題。



「ということで姫城、生徒会一緒に働いてくれるか?」

「わかりました! ユウジ様の血となり肉となり」

「せめて噛み砕いて消化する前に右腕になってほしかった」


 姫城ケッテイ。

 名字の呼び捨てもついでに決定。




「ちょっとトイレ言ってくるわ」

「……お付き合いいましょうか?」

「いや、遠慮しとく」


 姫城の提案をさらっと遠慮してトイレをへと向かった。ぶっちゃけそこまで六時限目開始まで時間がない。

 さらっと用を足してトイレを出た。


「あ、あのユウジ君っ」

「あ、クランナ?」


 教室に舞い戻ろうとしているとクランナに呼び止められた。そしてその瞬間に授業開始のチャイムがキンコンカンと。


「少しお話が――」

「悪い! また後でっ」


 クランナが何か言おうとしたみたいだけども……一応家でも話せるだろうし。





 六時限目授業。

 始まって早々語り出す古典の細川先生。クラスの端々から「今日は長いぞ……」「NNK九時のニュースキャスター好きってww熟女フェチおえおえww」細川先生、熟女フェチ語りは誰得です。

 シャーペンを出すこともなかった。


「ふむ」


 細川先生は熟女の「熟れたところがまた~」とか熱く語りやがってるので、ここはチャンスとばかりにノートの端をビリビリと手で破り取る。

 ……ユイはこういう授業中にやっといてもよさそうだな。家でも出来るけども、まあ早く決まることに越したことはない。

 そして「生徒会~」の書かれた紙を丸めてユイへと投げつける


「えいっと」

「おっ」


 ユイのノート上にナイス着地。

 ユイがこちらを向いてきたので、紙を指差すジェスチャーをすると――


 鼻をかんだ。


「えええ」


 そしてユイも同じようにノートの端を千切って書いて丸めて投げてきた。


「っ(ぐっ)」

『丁度鼻かみたかったからサンクス!』

「(ちげーよ!)」


 っとユイの紙をまた丸めて地面にたたきつけた。

 仕方ないので紙飛行機にして同じ文章を……っと。


「ひゅっと」 

「おっ」


 ユイのノート上にスライディング。

 ユイがこちらを向いてきたので、紙を指差すジェスチャーをすると――


 なぜか鞄からカラーペンを取り出して紙飛行機をペインティングし始めた。


「えええ」


 そしてペインティングの終わった紙飛行機をキャッチ&リリース……ってうおい!


「っ(ぐっ)」

『立体は専門外だけども、それなりに頑張ってみた!』

「(十分すげーよ!)」


 な、なんだこのセンス溢れるデザインは!? この幾何学模様とキツイ色使いながらも凄まじい調和が。

 ってそうじゃねえっ!


 仕方ない……メールで。確かユイは学校はマナーモードにしてるはず。 

 と、メールを打っていると―― 


『ブルブルブルブルブル』


 携帯のバイブレーションが起動した。どうやらメールが来たようだ。

 ……タイミングが凄まじいな。一体誰からor何からだろう――


『from:アタシだ』

「(お前かっ)」


 えーっと、ユイは退屈だからメール打ったのか?



『紙飛行機を広げてみるといいことがあるよ』



 ふとペインティングされた紙飛行機の一枚の紙に開いて見た。

 そこにはセンス溢れる幾何学模様の中に、模様だと思いきや文字にも見えてきて――


『OK』 

「(手が込み過ぎだ!)」


 俺は広げた紙飛行機をクリアファイルに入れて鞄にしまった。


「(なんでだよ……とメール送信)」


 続けてメールが届き、



『面白そう』



 モロになるほどと思ってしまった自分は、ユイのことをよく知っているらしい。

 ということで回りくどくなりながらも、ユイも生徒会入りケテーイ。

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