番外31話 SDL-1 ショート・デイズ・リミックス!
もしも~番外編。まあギャグしかないよね。
今シリーズ設定。
時ヨーコからホニさんが分裂、オルリスからオルが分裂、アイシアからシアが分裂。
下之「ホニ」、下之「ヨーコ」。「オルリス」=クランナ、「オル」シス=クランナ。「アイシア」=ジェイシー、レイ「シア」=ジェイシー。
下之桐・下之ホニ・下之ヨーコがユウジと同年齢に。
クソゲヱの「クソゲー」「ゲーム」要素排除(例・ユキ交通事故ナシ、マイによる主人公殺害未遂なしetc)
あらすじ。
俺こと下之ユウジは高校生になった。
幼馴染のユキや友人のマイさん、悪友ABCのユイ・マサヒロ・ひだまりとの付き合いもなかなかに長く思えてくる。
「偶然」そんな友人たちと同じクラスになった俺は、変わりない高校生活に期待を膨らますのだが、
どうやら更にこの一年二組には俺の「妹」に「義妹」も加わったらしく――
= ちょこっと・ダブルシスター =
春です。始まりの季節です。まあ俺こと下之ユウジは頬杖を付きながら、ボーっとしていた。
『ワイワイガヤガヤ』
俺のクラスこと一年二組は喧騒に包まれていた。
主に会話の多重奏によるもので、やる気な下げな担任教師が来ても相変わらずだった。
「あー、沈めお前ら」
「先生、そこは静まれかと」
クラス委員長こと嵩鳥がピッと手を挙げて担任の言い間違えを指摘する。
「いや、静かにしないとこの四月の藻だらけの屋外プールに沈めるから静まれ」
『……(シン)』
いやー、あの藻はキツイね、うん。
「転校生を紹介する――入ってきなさい」
そうして担任がクラスの前戸に向かってそう促した。
前戸が引かれ、二人の女子が姿を現した。
一人は長い黒髪で、頭に「犬耳カチューシャ」を付けている。
もう一人は短い黒髪で、髪に「桜の花びらが象られたヘアピン」が付けられている。
髪の毛の長さや装飾こそ違えど、彼女たちはくりくりっとした瞳から整った綺麗な眉にスッとした鼻も口も瓜二つなのだった。
そう、彼女たちは双子であり。彼女たちは俺の「義妹」にあたる子たちである。
「し、下之ホニです! よろしくお願いしますっ」
「下之ヨーコ、よろしくっ!」
二人の口調はだいぶこそ違えど、クラスが大歓声に包まれるほどに彼女たちは紛れもない美少女であった――
「ユウジさん、おはようございますっ!」
「おはよ、ホニさん」
ホニさん、明るく表情豊かで童顔でイヌミミカチューシャが特徴的な義妹だ。
本当に、可愛い。義妹じゃなかったら告白するぐらいに可愛い。
「よっす、ユウ!」
「よー、ヨーコ」
ヨーコ、明るく活発で表情豊かで童顔で短髪で爽やかな印象のあるボーイッシュが特徴的な義妹だ。
カッコ可愛いって言うんかな? 女の子にかなりモテそうな印象がある。
「と言っても、二人とは朝挨拶したけどな」
苦笑しながら挨拶には答えつつも言ってみる。
「朝と学校は別だよっ、ユウジさん」
「ホニの言う通り! 景気づけみたいなもんだよ!」
「おー、そうか」
しかし見れば見るほど顔のパーツは瓜二つというかなんというか。
髪の長さと装飾入れ替えられたら区別つかないかもわからんね。
= 俺の妹がこんなにチートなわけがない =
「ふむふむ、ホニにヨーコもきたか」
「まあ桐と同じクラスになるなんて驚きだけどな」
桐は俺の妹だ。だが俺には似てない。
そして双子のはずのミユにも似てないというワケワカラン妹である。
姉貴の髪色の栗色は継承してるみたいで、ツインテールにまとめたのが容姿的には特徴的。
「お主の妹コレクションをクラスに全網羅する勢いじゃな」
「意図してねーよ」
「ミユもいればのう」
「…………まあ、いやそうだけども」
ミユに関しては――家に引きこもっている。まあ色々あったらしいので省略。
「ところで、ユウジ。何か遊びたいものはないか?」
「ん? 突然になんだ?」
桐は手の指をコネコネするようにしながら俺に顔を向けて、
「いや、作ろうと思って」
「……ああ」
「オセロか? 将棋か? はたまた麻雀か? ふむう、麻雀は生成に時間がかかるからのう」
「……じゃあまあ、オセロで。見えないようにな」
「心得た」
いきなりファンタジックになって仕方ないが、桐は物体を生成できる。
簡単なものならすぐ出来てしまうらしい、たとえば――
「ほい、完成じゃ」
「相変わらずすげえな……某国製も見習ってほしいぐらいの出来だ」
桐は色々謎が多く、この物体生成以外にも色々出来るらしい。
「じゃあやるか」
「まあすぐ決着つくだろうしいいか」
= 舞語 =
「マイさん、カッター持ってる?」
「はいユキさん……えーと”なめらかな切れ味”<肉塊斬>と”汚れのつきにくい鋭い切れ味”<吸血刀>のどっちにします?」
「じゃあ、紙切るには<吸血刀>の方がいいかな?」
「そうですね。ペーパーカッターも涙目な鋭さです」
「これ借りるねっ! ありがとー」
= 由紀と香辛料 =
「あちゃー……マズった」
俺こと下之ユウジの弁当は、今日に限り俺作であった。
その中のおかずを口にしてみたものの、どうにも味の薄さやパンチが効いていないことに気付いた。
「ユキー」
「なに? ユウジ」
「塩コショウかしてー」
そう言うとユキは鞄の中から”調味料ボックス”なるものを取出し、中から缶容器の塩コショウが姿を現す。
「はいー」
「どもー」
「あ、悪い七味もいいか?」
「ハ●食品とハ●ス食品の七味ならどっちにする?」
「じゃあハ●ス」
「はいー」
「あんがと-」
ユキに調味料、主に香辛料を頼むと大抵貸してくれる
= ホニマニアックス =
「ユウジさんユウジさん!」
「ん、なんだ?」
「脇フェチってなに?」
…………ええ?
「いや、あの……それってどこで聞いたんだ?」
「うんっ、我の席の近くで男子が話してたっ!」
●ね男子。あ、俺死ぬわ。
「それで脇フェチってなにかな!」
「えーとだな……」
これは色々と伝えれない。ホニさんにこれ以上悪影響を与えてもイカンし、かといって嘘を教えて使いどころを間違ったら――
仕方ない、こう言っておこう。
「放送禁止用語だから」
それは嘘だけど、まあその意味からあとはご想像にお任せします。
「そのままの君でいてほしいから、さ」
「……うん。聞かない方がいいこともあるんだね」
ホニさんは今日も一つ学んだのであった。
= 金色のオル・灼眼のシア =
「ユーっ!」
「ちょま!?」
クラスに来るなり突然の抱き着きを披露した金色髪の――オルリスか? いや、こっちは――
「オルシスお姉さまっ! 教室内でハレンチですわっ」
「いいじゃんオルリスー、オルリスだって「ユウジに今日は会えるのですね」とか言ってたくせにー」
「そ、それは! ユ、ユウジ勘違いしないでいただけますこと!? オルシスの妄言を信じてはなりませんわっ」
「”ユウジ家へのホームステイがお流れになって本当に残念ですわ……”って言ってたのは誰ですかな?」
「っな、それは、それはっ……!」
オルリスの言う通り、ホームステイの話が一度は来たのだけども。
アイシアの方がこっちで家を借りたらしく「オルリスはこちらで」と言ってお流れになったのだった。
一度オルリスやオルシスことオルも訪れていることには違いなく、最初に招待した際には俺とホニさんで料理をごちそうしたのだった。
「あー、ずるいよオルリスっ! わたしもー」
「ちょっ」
空いた片側に抱き着いてくるのは銀色の――アイシア……じゃないな。レイシアだ、うん。
「ユーさん、今日の放課後空いてる? よかったら私と――」
「レイシアっ! あなたも破廉恥ですっ! ユ、ユウジのことを考えているのですかっ」
「ユー。こんな西洋美人二人に挟まれて嫌な思いではないですよね?」
「…………」
正直言って嬉しくないというのは嘘になるけども、空気が重いっす。
「下之ユウジっ! あなたにオルリスは渡しませんっ」
そして突然現れるアイシア。挟まれて身動きの取れない俺に向けて指を指して言う。
「アイシアっ、そもそも私は誰のものでもありません! とりあえずアイシアは絶対に有り得ませんわっ」
「な……下之ユウジ、あなたのせいで。私の可愛い可愛いオルリスが……そそのかしたんですね、そうですね。殺します」
「はぁっ!? いやいやいやいや、そういって本当に拳銃を取り出すなよおうぃマテマテマテマテ」
バキューン。
オチない。