第418話 √b-4
どうも、ナレーションのナレーターです。
最近出番が無くて学業に集中していれます。
勉強が別に嫌いではない私は世界を繰り返す度に知識が増えて増えて嬉しくて仕方ないのですが。
…………え? さりげなく爆弾発言しないでくださいって?
そういう利点はありますけどね、それでもまあ……少し不便というか残念な場面はいくらかありますよ。
それはもう毎度毎度ハッピーエンド迎えてから記憶を失くせるヒロイン勢が羨ましくて羨ましくて。
……これも問題ですか? ケチくさいですね。
言っちゃっていいんですかー? 私が実は――<規制>――だったり。あ、規制しましたね?
このアルバイトをやってるのも――<規制>――なんですよ……また規制ですか。
言いたいことも言えないこんな世の中なんて! 国のトップが無――<規制>――
……これはリアルの発言としてダメ? というか仕事しろって? はいはい、まあ私が呼ばれた時点でなんらかのせいでユウジが話せない状況なのでしょう?
たとえば、第三者視点でダイジェスト――あ。当たりなんですか。えーと台本差し替え? はあ、なるほど……わかりました。
……あの、ネタバレ駄目ですか? 言いたくてウズウズしてるんですけど……ダメに決まってる?
今回のヒロインは――<規制>――――<規制>――――<規制>――――<規制>――
よかったですね、コピペ祭りで文字数稼ぎがとてつもなく楽でしたよ。
じゃあオフザケもここまでして、それでは本編参りましょう。
* *
ユウジのハーレム的展開から数日、ユウジほかは入学式を迎えました。
ユキやユイにマサヒロとも同じ一年二組となり、オルリスとアイシアは揃って一年四組。
あ、ちなみに井口と雨澄は一年五組ですね。
それからは中学時代とも変わらぬ展開でしたね。日常切り取ってると尺が足りないのですっ飛ばします。
四月二一日
この日はアレです、ユキが交通事故に会うかもしれない日です。
ですがユウジの謎の主人公パワー発揮により回避でした。
そのユウジの「ユキの手を引いて交差点を通過する」行動によって、あのハーレム展開が尾を引いてユイやオルリスにアイシアなどの間で微妙な空気が流れますが省略。
ちなみにその時ミナは生徒会の為に先に出ていたそうです。
四月二二日
そうですねー、わかりやすく言えば「主人公殺害未遂事件」の日ですね。
ここでもユウジのお説教が炸裂して解決でした。
四月二六日
そして今日、ミナによる生徒会勧誘の日です。
「なんだ!? 一体なんなんだ!? ぶっ――――」
ちょうど今コナツの手刀がユウジの首筋にヒットしました。
(※脊髄を傷つけないように特殊の訓練を受けた女生徒が実施しています。一般人が試してもロクなことになりませんからご注意ください)
「役員試験には見事合格よ!」
「ええっ!?」
そして合格へ。
それで生徒会役員集まっての会議が始まる訳ですが、まあ色々ありました。はい、でも面倒なのでスキップモード発動します。
「今日の生徒会終わりっ」
終わりましたね。
驚きの展開の速さにこの小説の中身の――<規制>――
そして副会長のミナが生徒会室を戸締りして、待っていたユウジを歩きながら昇降口に向かっている時の二人の会話。
「……なんだかわからんが、俺は生徒会に入ったんだよな?」
「そう、だね」
ミナはどこか居心地悪そうに答えます。まあ最初の囮は彼女担当でしたからね。
「……で、辞めれる?」
「っ…………私が言えば、もしかしたら」
ミナはビクリと肩を震わせます、その提案が嫌だったのでしょう。
そしてミナがそういうのも彼女が生徒会の中で副会長という立場にいるから。
「じゃあ姉貴は、さ。どうして俺を推薦したんだ?」
「ええと……ユウくんがいたら、いいなって」
「それは俺の活躍を見込んで副会長として? それとも姉としていてほしかったとか? な――」
「どっちも、だよ」
ユウジはなーんてと続けようとしてミナに遮られて失敗。
さらには両方と来たものですから。
「……そっか。まあ姉貴が言っても会長と書記さんは折れなさそうだ」
ユウジは諦めたように嘆息すると、大義名分を作るように呟きました。
「そ、それって……」
ミナが驚いたようにユウジに顔を向け、
「よろしくお願いします、副会長」
そうユウジは言うのでした…………なんか今回のユウジは少し違う気がしますね。
っと、ここで私の役目もストップのようですねー
それではユウジ視点へとチェンジです。
* *
俺ことユウジはそういうことで生徒会の副会長補佐という役に就いた。
色々と急すぎるものの、姉貴が俺のことを評価してくれたのも分かったし――その評価が姉としての甘やかしでないように、俺は少し頑張ってみるつもりだ。
そう決意した直後に、隣を歩く姉貴の顔をふいに覗いた。
……それはどこか憂いを帯びた表情。
「…………姉貴?」
「…………」
「姉貴?」
「………………っ! あ、ゴメンねユウくん」
「いや、元気無さそうだなーって」
こうしたことが実は最近頻発していた。
どこか上の空というか、心ここに在らずというか。ぼーっとしている時間が多くなった。
かつての鬱陶しいまでの溺愛もなくなりつつある……いや、別に望んでいる訳じゃなくせいせいしている部分もあるのだが。
「そう、かな?」
「姉貴何か悩み事?」
「…………そうかもね」
意味ありげに姉貴は呟いた。
……これはアニメやマンガとかである、アレか?
「誰かのこと考えてたり?」
「っ! よくわかったね、ユウくん」
ほほう、ということはアレだな。
「姉貴って好きな人いるとか? 俺応援しちゃうかな――」
ユウジはまた「なーんて」とつなげようとして失敗。
……うわあ。ユウジ最近調子がいいと思ったら、こんな……鈍いところは治ってないとか最悪すぎますよ。
それでもこれは、気づきようもありませんか。
「っっ! ご、ごめんユウくんっ先に帰るねっ」
ミナはユウジを置いて走り出す、突然のことにユウジは取り残され呆然とするのみ。
「…………姉貴?」
その時ユウジが見たものは、表情こそしっかりは見えませんでしたが――
「泣いてた……のか?」
ユウジは取り残されたことよりも、その事実にただただ驚いていました。
「ゴメンね、ユウくん置いていちゃって」
「いや……いいんだけど」
「うん……じゃあ、それだけだから」
ミナの態度はそんなものでした。今までならユウジを置いていったなら、ミナはとにかく謝って謝って謝り通す展開だったはずです。
それが、こう素っ気なく。そしてユウジと話しているのが嫌なように、すぐさまキッチンの方へと歩き去っていきます。
「…………怒らせたみたいだな」
そうみたいですね。
そしてあれからの姉貴の態度はぎこちなかった。
食事時も、ふいに会ったときも。目を合わせないように、避けるように。
ほかの皆も疑問に思ったようでホニさんやユイも聞いてきたので「俺のせい、理由は分からないけども」と答えた。それは事実だと思う。
その……行動が。姉貴がそんな態度を俺に取ることが、思ったよりも心にグサグサと来るわけで。
「おやすみ、ユウくん」
そう言って姉貴は素っ気なく、俺の目を見ることなく俺へと挨拶を告げる。
その言葉がなぜか俺には別れの言葉に聞こえて仕方なかった。
謝ろう、どう謝ろう。どうすればいい? 俺が姉貴をどうして怒らせた、ベッドの中でずっと考えた。
そして、答えは出なかった。
そして、あの言葉が最後だった。
そのさっきの、お休みの挨拶が最後だった。
この日を最後に俺には”姉貴”という存在がいなくなった。
下之ミナは消えた。




