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@ クソゲヱリミックス! @ [√6連載中]  作者: キラワケ
第十三章 気になる彼女は○○○で×××で。
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第359話 √3-11 気になる彼女は○○○で×××で。

体育祭とか中学以来だわ。高校は……なんだよバレーと綱引き大会って。


 俺はユイに実況を変わって貰い、百メートル走に出場。結果六人中ニ位で無難なところに収まった。それでも二組男子は平均的にあまり良くなく、一位を取れたのはごく一部だった。


『おお! 二組がダントツだぁー! このまま走り抜けてのゴール!』


 百メートル女子に出場したユイは、何故かキ○ちゃん走りをしつつも後ろを大きく離してのゴール。

 あの走り方でダントツかよ、と他のクラスの走者は釈然としていなさそうだ。クラスメイトにも囲まれて「おまえ、すげーな」「てかなんであの走りなんだよ(笑)」などと、盛り上がる。

 しかし俺は実況なので、その場所には行けない。少し悔しいところだ。  


『うおおおおお! またもや二組がダントツだぁー! そして、ゴール!』


 連続で二組が一位だった。走者は姫城さん、ユイと双璧を成すほどの長身とスラリとしつつも、デルところのデタ実にモデル顔負けのスタイルの持ち主だった。

 制服でも着やせするタイプだったのか、体操着姿だとある一部分が大きく盛り上がっていた――なんと豊かな胸だろうか。

 実際に走ると姫城さんの揺れる揺れること。一応実況は普通に行ったが、内心モヤモヤである。

 今まで続いていた男子の歓声が止んでいたのと妙に目が血走っていたのは、なぜなんだろうね?


「ユウジ様! 勝ちましたっ!」


 遠くなので聞こえないと思ったら大間違いで、十二分にこちらまで聞こえてきた。

 遠目でも無邪気に言う姿は新鮮で、いつもの大人っぽい姫城さんとはまた違った可愛らしい魅力を振り撒いていた。

 ……一方で、俺に敵が(主に男子)増える結果となる。こんな実況やっている時にぃっ!

 


 百メートル走が終わり、女子中距離走に移る。

 ニ百メートルのグランドを四周分の八百メートルを駆け抜ける女子専用競技だ。

 男子で言う長距離走と同様の立ち位置なので、足に自信のある女子勢が集まっている印象だ。

 陸上部から女子テニスやら、なんで知っているのかと言えば、まあユイの受け売りなので正しいのだろう。

 確かに全体的に引き締まった女子が多いようにも思える。


 クラスの高坂が、一位を取ったことを筆頭に、福島も堂々の一位――


『おーっと! またもや二組リードはやいはやい! このまま――抜けでゴォオオルッ! 二組男子とはなんだったのかぁ!』 


 うるせー、とクラスの男子から怒られた。まあ、実際そうだからしょうがないだろうに。

 そして俺が興奮気味に実況するというのは、なんとユキがダントツでゴールしたからだ。

 ポニーテールを揺らしつつも、しなやかな足を運ばせて走る様は、素晴らしいの一言だった。

 

「ぶいっ!」


 と、なんと実況席の俺の方へとユキは笑顔でピース! 俺がグッと返す。圧倒的な一位に、クラスメイトでも男女問わず歓声が沸く。

 俺もあの中に混ざりたいなあ……と、思うものの。まあ続けなければならなかったので、血涙を流さんばかりに諦める。



 走競技の結果は散々だった男子に対して女子がかなりの結果を残した。

 一位を取ったのは女子短距離で、ユイに姫城さんに金沢さん他数名。なんてーか、金沢さんに至っては本を片手に持って走ってのゴールだからなんという、すげえ。

 中距離に至ってはユキ、福島、高坂さん、笹川さんが一位を取った(高坂ミコトと笹川はキャラ紹介参照)ユキに至っては安定して速く、福島は他クラスよりも一周早くのゴールでチートとしかいいようがない。


 男子はただただ地味だったが、女子では委員長が思いのほか体力がなかったのかビリ。愛坂さんも途中で転びつつもビリを取るも、健気さが観客の心を刺激して一位より目立った。

 初っ端から「男子はオワコン」状態で先が思いやられる一方で女子のハイスペックぶりに驚かされたのだった。


 ちなみにあのダッシュボードやブロックは走競技で百メートル終了後に○○やその他委員が総出で撤去した。実際制御不良なのか一回きりなのか、最初の女子以外では何も起こらなかった。

 そして現物はと言うと砂を被ってこそいるものの、謎の完成度だった。てかのこのダッシュボードこんなに薄いのに波打つように光ってすげーな。



* * 



 PK戦。体育祭競技でなぜか紛れこんでいる競技の一つ。

 フィールドサッカーをしない、ゴール練習のようなものだろうか?

 

 ゴールにゴールを阻止するディフェンスと、ゴールをする側のオフェンスがクラスチームごとに行い、攻守入れ換わって争う。

 グラウンドのトラックの中心に設けられたサッカーゴールに、三点先取でどちらかのチームが勝利することで競技点が入るというもの。


『次の種目は今年から始まるPK戦! ルールは云々!』


 一応説明はしたが、ここでは割愛。


『まずは三年生からです! 該当生徒は集まってください』


 ――と、まあ色々アナウンスしてきたのだけども。その後のことが強烈なので話しても仕方ない。

 いわゆる、やられた。

 先程のトラップと似た要領の出来事があったのだ。まあ、落ちついて聞いてほしい。


 蹴るとボールが分身して、全て離散したり。

 蹴った途端にボールが不規則な動きをして、絶対に入らない軌道でのゴール。

 蹴ったボールが火を拭くも、すぐさま消沈してゴール。

 蹴られたボールが突然黒く、形が変化して――


「ボ○兵っぽくなりましたね」


 と○○。その通りで、この展開はマズイと悟ったものの、ただ変化しただけで爆発はしなかった。

 一応トラップを仕掛ける側にも分別はあるらしい。


『おお、生徒会謹製の特殊ボールです! お楽しみいただけましたか!』


 と、俺はサプライズとして誤魔化した。

 観客には「面白い!」とウケたものの、もちろん「なんだよー」「もっかいさせろー」などと当事者に不満は起るもので。


『少しお遊びなので、今のはノーカン! 入ってしまったチームの方々ゴメンナサイ! 今から再スタートでよろしくお願いしまーす!』


 ちー、仕方ねえ。などと不満をもらしつつも再開。時間に余裕のあるプログラムが幸いした。

 ちなみに二組は熱血野郎の男島がボールを「俺は真っすぐに撃つううううううう」と言ってディフェンスの腹を抉り、点数ゼロ。ひどい有様だった。 


 

* *

 


 まあ、お昼。


『お昼休憩でーす! 各自休んで英気を養いつつも、午後の部に備えましょうー! 家族と過ごすもいいですねー。付き合ってる彼や彼女と休むのもいいですが――くれぐれもご注意ください』


「「なににだよ!」」 


 と色々とツッコミが入るも俺はスルー


『午後の部は一時十分から! 午後の部も頑張っていきましょうー』


 拍手が沸いて、午前の部終了。



* *


 

 この学校は妙なところで気が効く。

 例えば、いちいち待機席に持ち物など置いておけば埃っぽくなること確実で、だからとうって教室は遠い。

 そこでよくプールとかにある鍵式のロッカーを生徒何百名分も用意、おそらくは大半の生徒が入るであろう。

 もちろん来客用のロッカーや貴重品ロッカーも備えており、こういうセキュリティ的なところはしっかりしているのかもしれない。


 それに生徒会お疲れ様、と唐揚げとおにぎりと冷えたお茶が配布された。唐揚げとおにぎりは、自分がつくった弁当があるので断ったが冷えたお茶はありがたい。


「ユウ、お疲れさま」

「いえ、チサさんもお疲れ様です」


 お茶に口を付けていると、チサさんが近くにきた。

 俺が実況している間は、来客の対応や体育祭委員への指示などで暇なわけではとんでもなかった。

 

「いい、実況っぷりだったわ……まさかボケ方面とは予想外だったのだけど」

「え」


 ”いい実況っぷり”までは聞こえた物の、後半は聞こえなかった。


「後半もよろしくお願いするわね」

「あのチサさん!」


 俺は聞きたいことが――


「トラップなら、今調べているところよ……ユウは実況をしていて?」

「あ、はい……」


 見透かされた……というより、また心を読まれたんだろうなあ。

 とりあえチサさんも動いて、そのトラップ主を探しているのだろう。


「むー」


 この調子でやれ、ということか……


「ユウージ!」

「お、ユキ」


 俺が未だにテントで唸っていると、ユキがやってきていた。


「お昼食べよう! 皆待ってるよー」

「おう、今行くぞ」


 ということでお昼からについては次回に続く。


 


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