第337話 √a-OVA2 だぶるらぶれたー
短くて申し訳ないです
「むー……」
ええと、ユキだよ。突然なんだけどね――
友人が付き合い始めました。
うん、至って普通の出来事なんだけどね?
でも……うーん、その組み合わせがね。
「(ユウジとユイだなんて……)」
友人と友人が付き合い始めるって、友人な自分の身からしたら複雑……なのも確かなんだけど。
「はぁ……」
逃がしちゃった、告白の機会。
ユイじゃないよ! ……ユウジにだよ。最近生徒会でユウジは忙しくなって、話す機会も減って……そっか、そうなんだよね。
それでも、私はきっと告白なんて出来なかったのかも。
「(だって気まずくなるのは嫌だもんね)」
でも、あまりにも変わった気がしないんだよね。
話すユウジとユイの様子は本当に変わらないんだよなあ……私もそんな言う程には変わらない関係を望んでいたのかも。
「(だから……少し羨ましい)」
……ユイは寝取っていいって言ってたっけ?
いや、だめだって私。大切な友人が付き合い始めたんだから祝福しなきゃね。
「(でも……なんか腑に落ちない)」
マイさんはどう思ってるのかな?
マイさんもきっとユウジが……す、好きなはずで。あのあと聞いてどう思ってるのかなって、思うわけで。
それに……何か、引っかかる。突然見せられたユイの素顔は可愛くて、そしてあのユイの素顔に――
「はぁ」
まだユウジ達との合流を待つ登校前の時のこと。
* *
「…………」
マイです。突然なんですが――
ユウジ様とユイさんが付き合い始めました。
なんというのでしょうか……あまりにも突然な出来事に昨日からずっと考えていました。
……確かに私からみてもユウジ様とユイさんは、かなり仲が良くて、でもそれはきっと友達止まりだと――思っていて。
それが、数日前に突然に……付き合い始めるだなんて。
「(告白の機会を逃してしまいました)」
え、えと。一応告白をしたのは確かですけど……あれは自分から無しにして――!
「(私はなんて惜しいことを……)」
ああああああ、凄い後悔です。
「(それでも」
私は決意したはず。振り向いてくれるまで、待つと。
「(…………)」
そういえばユイさん可愛かったですね……羨ましいぐらいです。
……? そういえばあの顔は、どこかで――
ユウジやユキ達を待つ登校前の時のこと。
* *
起床の後に朝食を終えて、身支度を整えた後に家を出る。
「(なんか姉貴と桐とホニさんの様子が変だったな……)」
なんというか、皆落ちつかないというか。俺とユイを何度も凝視しているというか。
姉貴と桐は不機嫌で、ホニさんはなんというか複雑な表情をしていた気がする。
「?」
女性ってのは相も変わらず分からないもんだ。
「ユイ、準備できたかー?」
「ぬい!」
「じゃあ、行ってきます」
「行ってきまっ」
ホニさん「行ってらっしゃいユウジさん、ユイ」と見送られて学校へと向かった。
そして――この数分後にはユキや姫城と合流する。
* *
「ユキさん」
「なに?」
登校してから席に座っているとマイさんがやってきて聞いた。
「……ユキさんは見覚えがありませんか?」
「見覚えって?」
「あのユイさんの顔です」
「ユイ……」
私の疑問の一つでもあった。そのことをマイさんは聞いてきた。
そして、ある一つのことを思い出す――
「っ!」
「ユキさん?」
そうだ。やっぱりに、あの時の――夏祭りのときの。
「マイさん……夏祭りを覚えてる?」
「……! もしかして、あの時にユウジ様と歩いていた……似ています」
「そうだよね! ということは」
もう、あの時から……?
「それに覚えていませんか? ユイさんが言った、あることを」
「それって冗談じゃ――」
え、え、えと。
「「…………」」
ええええええええええええええええ。
「聞きにいこう!」
「聞きにいきましょう」
続くようですよ。




