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@ クソゲヱリミックス! @ [√6連載中]  作者: キラワケ
第十一章 彼女は彼に気付かれない
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第304話 √a-4 彼女は彼に気付かれない


 俺とユイが今日の学業を終えたと思ったところで放課後には生徒会の活動をするために廊下を歩いていた。


「こんちわーっす」

「アフターヌーゥンっす」


 そうしてガラガラと戸を引いて見えるのは既に両肘を机につき組んだ両手の上に顎を乗せて席に着く生徒会役員たちだった。

 

「……さて、私たちが今度ドラゴンマガジ――」

「いやいや会長、いきなりパクリから始まるのはどうかと」


 これじゃ某生徒会作品のコピペになりかねないですって。


「おはよー、シモノにユイ」

「おはよーごじゃいます会長にチサさん」

「こんにちは、二人とも」


 待っていたのは会長とチサさんで、何故か生徒会室はブラインドの光だけで暗い様を映していた。


「今日も生徒会あるんですよね?」


 無い髭を弄るような素振りをしてから元から高い声を無理して低くするようにしてこほんと咳払いをしてから会長は。


「うむ、今日呼び出したのは他でもないぞよ」

「会長、時折”今日は月曜だから雑談!”とか言って会議がおざなりになることがあるんですけど、今日はそれは!ないですよね?」

「き、君ぃ! 私をなんだと思ってるのかね」

「合法ロリ?」

「今のご時世じゃそれもアウトだよ! それに……ちっちゃくないよ!」

「会長……(温かな目で)」

「”媚びなくても、そのままでいいんだよ”的な目を止めてよ」


 途端にぷんすか怒り始める会長を見て何故か可愛いと思えなかった。

 なぜなら会長はホニさんの下位互換だから! でもチサさんは萌えているようだ。

 上位互換のホニさんを見せたらこの人はどんな反応を示すのか気になってきた。


「で、今日の会議はなんですかロリ会長」

「せめて名前を呼んでよ!」

「ロリ」

「そんなDQNネームも真っ青な名前まっぴらごめんだよ」

「はやく会議始めましょうよ、キザクラ会長」

「そんなどこぞの清酒みたいな名字じゃないよ! 葉桜飛鳥だって!」

「ヨザクラ会長」

「カルテット始めちゃうよ!?」


 いい加減会長弄りも飽きたので本題を聞きだすことにする。

 ちなみにその時に「ちーっす」と福島が「失礼します」とクランナがやってきた。

 クランナには”ある出来事”以降、俺は完全に白い目で見られている。まあもちろん一度の謝罪で許して貰おうなんて一切考えてないし、仕方ない。

 全員が席に着いた頃に俺は一人欠けていることに気付く。


「今日はあね……副会長は来ないんですか?」

「う、うん。予め言いに来たからね。それでミナは今教師と対談中」

「え、姉貴なんかやらかしたんですか?」


 姉貴は基本優等生のはずで先生に呼び出される事がらなど微塵にも浮かばない。

 もし姉貴を注意するような輩がいるのなら、それはおそらくイチャモンか理不尽なクレーマーだろう。


「ううん。体育祭の予算上げ交渉に行ってるの……おそらくは十数万円はふんだくってくると思うよ」

 

 姉貴は一体なにをしたらそこまで教師を手玉にとるようなことが出来るのだろうか。少し気になる。

 でもおそらくは、そんな姿を俺には姉貴が見せたがらないだろうから俺も無理に見ようとは思わないけども。


「じゃあ俺は帰っていいですか」

「なんでそうなるのよ! ミナな用事が有るんだから! せっかく来たんだし参加しなさい」

「ええー、俺も家で引き籠るという大切な――」

「……ごほん、ということで君たちを呼んだのは他――」

「会長ー、議題なんすか」

「尽く話の腰を折るねえ!」


 ぷんすかと両腕を上げて怒る会長。会長弄りもいい加減ウンザリしてきたのでこれでストップしておこう。


「今日はね、ふふん――変化こそが人生のスパイスなのよ!」 

 

 どっかの本でもそんなどうでもいいこと書かんだろう的な名言風な事を無い胸を張って言い放った。


「で、今日はスパイス談義ですか? そんなことしたら友人が飛んできますよ」

「ち、違うよ! って友人――」


『ちゃらっちゃらちゃらーん』


 生徒会室に間抜けにも至って普通な着信メロディが響く。俺は携帯の設定が面倒なので一部を除いて着信メロディを別けていない。

 

「……ああ、俺か」

「シモノ、会議中に携帯が鳴るとは何事か! 世界の方向性を定める人類にとって重大な会議だと言うのに」

「一生徒会はどれほどまでに世界を掌握してるんですか? ……すんません、出ます」


 と言って生徒会室を出ようとして呼びとめられ「ここでいいよ」と言われたのでそのまま出る。


「もしもし」

『こんにちはー、ユキだよ』

「おお、ユキか。どした?」

『えーっとね。何か呼ばれた気がし――』


 ブツッ。


「…………」

「誰からだったの?」

「スパイス好きというか激辛マニアな友人っす」

「ええー……」


 飛んでくることはなかったものの、文明の利器を介してその声は届いたという。

 ユキさん……なんであなたはそこまで執着しているでせうか。


「ええ、ごほん。ということで今日の議題は――」


 溜めるようにして会長は言った。



「体育祭のサプライズイベントを決めよう!」



 続くみたいっすね。


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