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@ クソゲヱリミックス! @ [√6連載中]  作者: キラワケ
第九章 G.O.D.<出会い>
123/648

第259話 √2-64 G.O.D.

超展開?


いえ、まさかの伏線です。

てかホニさんとの序盤での会話を序章で書いたからって√2で省いたのが今になって響いとるー

「くっ……」

「どうした、受け続けるだけか?」


 バァンッという銃弾が発射され、空になった薬莢が

 もう言うまでも無いほどに劣勢だった。というかあまりに圧倒的な機械式の飛び道具と男そのものも空中戦に長けていて切りかかる頃には後ろに移動していたり――隙がない。

 銃には詳しくないが、ちょっと聞いただけで考えるに十発前後でマガジンを取り換えるはずなのだが―ぞんなことはなく雨澄の弓矢と同じようにマガジンを装填することもなく無限に銃弾が充填されるようだ。

 矢をうち返すのとは訳が違う、拳銃だからといっても打ち出されるのはBB弾でも空気でもなく――紛れもない真鍮製の実弾で、それが撃ちだされることで場所が悪ければ俺は致命傷を負う。

 現に急所が外れているだけで何発かは被弾してしまっていて――痛みを感じる間もなく次の銃弾が向かい来るので、避けるのと中の無限マガジン内での銃弾充填の際の僅かな時間で切りかかることしかできない。

 しかし男はまったくの無傷、俺の攻撃は掠ることさえままならないでいた。


「がっ」


 左腕に撃ちこまれ、思わず声をあげる。戦場で戦う兵士とはこんな凄まじい引き裂かれるような痛みを感じながらも国の為に戦っているのか、と何故かふと思う。

 いくら鍛錬で痛みには耐性が出来て、少なくともショック死はしないほどに痛覚が鍛えられてしまったとはいえ……やっぱりは慣れない。

 痛いことには痛い。

 だが俺はそんな痛みに抗い、こいつに聞かなければならないことがあった――


「雨……澄はどうした?」


 そう、雨澄。いままで散々襲いかかり戦い続けた彼女。アロンツのことを聞きだし、それで記憶を消した彼女。 


「雨澄……ヨリか? そんなこと聞いてなんになる」


 そんなことに興味を持ってどうするんだ、という顔で俺を見据える男は言った。


「今日はなんでお前がっ……虚界を張れるのに一定時間要すからか?」

「そこまで知ってるのなら理由はそれだ」

「それで雨澄と同じアロンツのお前が……か」

「……そこまで知ってんのか、ヨリのやつバラしたのか? アイツはそんな口軽い訳じゃないはずだが」


 普通に会話をしているように見えるが、相手は銃弾を撃ち飛ばし俺は寸前で避け鉈を回して弾いている戦闘の真っ只中で俺は少なからず息が切れている。


「なんで……お前らはここまで」


 表現が違うかもわからないがコトナリとその関係者を消そうと躍起になってるのか。


「まあ俺はお喋りな方だが言うがな……俺たちがやらなければならないことであり、やらしかないことだ」

「やるしかない……そりゃ強いられてるみたいだな」


 ハァハァと痛みと次々に空を飛ぶので肩で呼吸しながら、俺はその疑問のようなものを漏らす。


「ああ、そうだな。それは間違っちゃいない」

「だとしても……人を殺す理由にはなんねえだろ」


 雨澄も男も……殺すとは一度も言っていない、だがそれは殺すことに間違いはないのだ。

 この世界からこの世からも消し去ることで――それは明確な死の訪れ。


「俺たちはコトナリに強く触れ、繋がりを持った時点でそれは人とは考えない」

「お前らが言うコネクターとか言う奴が、俺か?」


 雨澄も言っていた、きっと俺を指すその言葉は。聞き流してはいたが、この男は必要以上に喋るのでついでに聞いてみる。


「知られてんな、まったくヨリはどうしたんだ? それだけ異は存在することで調和を崩す、居ることだけで害なんだよ」


 そう言われて、その男の発言に一気に怒りは膨れ上がる――


「ホニさんはなんにも迷惑なんてかけちゃいねえ! 近くにいる俺はそう断言するっ」


 ホニさんはただ世界を見たかっただけ――力だってあの時だけしか見せなかった。

 そんなホニさんが有害な訳がない、俺はずっとそう思っている。雨澄に言われた時からもずっと。


「……俺たちのことはそれなりに知っている癖して、大事なトコは知らねえんだな」

「なんだよ」

「異がこの世界に存在できるのは何故か、考えたことがあるか?」

「…………この国でも八百万の神様はところかしこに居るって言うじゃねえか」

「それはあくまでお話や伝説の中のことだ。まぁ……ここで消えるお前に親切心で教えてやる」


 さも消せることが必然のように言う男に苛立ちを覚えながらも、その言う事には関心があり耳を傾ける――そして男は今まで左手で数秒ごとに撃ちづけていた銃を構えたまま撃つのを止めて言った。


「何かをヨリシロにして、この世界に現れてんだよ」


 ヨリシロ……ってあれか、マンガとかで聞く表現で間違いないなら。人や物を素体にして何かを呼び出す――だっけか。ご神木をヨリシロとかは聞いたことがある。

 更に思いだすのはホニさんは幾年も生きているということ、一時は疑問に思ったホニさんは狼の神様なのに人の姿をしているのか。

 あれは……ホニさん自身の体なのか。そうでないならば一体何なのか――かつて俺はそれを考えていたが、ホニさんから話されるのを待とうと聞くことをしていなかった。


「一瞬見ただけだが――少なくともお前と一緒にいる異はヨリシロに人を使ってる、それも少女だ――それが本当に害でないというのか?」

「っ!」

 

 ホニさんが少女をヨリシロ……?


接続者コネクターはその異への疑問を持つことがなくなっていく……お前もそうなのだろう」


 ホニさんへの疑問は本当にどこかへ消え去っていた――ホニさんは基本的に好奇心で色々と知りたい性格で、一方で自分のことは出会った時にしか話してはくれなかった。

 信頼されていない訳では……ないのだろうが。きっと何百年も生きていると話したくないことも多々あるのだろう、そう思い考え、そしてその疑問は薄れていった。


「そうして異は調和を崩す――この世界のだ」


 訳がわからない……一気に浮かぶ疑問と知らされる大量の情報に脳内を侵されていく。

 俺は……知らず知らずに操られていた――ホニさんにか? それはホニさんの意思でか?

  

「ヨリシロへの負担は少なからずあるだろう、少しずつだがヨリシロは――」

「言うな言うな言うな言うな言うなぁ!」


 聞きたくない、聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない。

 ホニさんは隠している……そんなことあるわけない――でもその自信はどこから来る? 

 ――俺は敵である男の言う事を信じたくはなかった。可愛いから、家族だから俺はホニさんを守る……それだけで守っていた俺は偽りだったのか。

 ホニさんはそれを意図して、俺にそれを隠して――違う、違ってほしい。


「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお」


 俺はその一心で話すことで休んでいた男へと斬りかかる、その真実を拒絶するように逃げるように――


 そうして困惑と混乱で隙だらけの俺は堕ちた。胸を銃弾で貫かれる痛みと銃声と共に―― 

 

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