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@ クソゲヱリミックス! @ [√6連載中]  作者: キラワケ
第九章 G.O.D.<出会い>
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第258話 √2-63 G.O.D.

お気に入りの登録数が落ちて少し凹んいたり、いなかったり。

まあ……最近はなんとも重苦しい展開が続いていますし、というかそれで切られた可能性もありそうですね。


コメディーじゃねーじゃねーか、と……これはどういうジャンルだったら正解なのだろうか。

 それは今までとは違う色の世界へと変わるその前のこと、その日の朝には緊急集会を一時限目を潰してまでに行われた。

 一時限目はあまり得意でない数学だったので少し喜ばしかったが……それは撤回せざるをえないらしい。

 キィンと聞きづらい音をあげるマイクはやっとのことで副校長の声を拾って、その声は生徒が急きょ集められたグラウンドに響き渡った。


『えっー……この度、藍浜高校に在籍する生徒が失踪する事件が起きました』


 失踪事件。それは皮切りに始まった藍浜中学を始め――小学校にも数人、町内でも数人が失踪した出来事。

 その失踪事件は未だに解決の糸口を見せず、捜索は続いているが一向に見つかる気配はない――いや見つかるはずがないのだ。

 俺はその事実を知っている、それは日常を生きる人々ならば想像もしければ信じることもままならないであろうこと。


「(この世にもこの世界にも”あの世界”にさえもいない……)」


 アイツら、アロンツと呼ぶものの犯行で……ほぼ断定して間違いはないだろう。

 そしてその魔の手はこの高校までやってきた――個人的にはいつ来ても不思議でなかったから驚きはしなかった。

 ただその理由を知る自分にとって、やはりその理不尽さには不快で心の内にふつふつとその怒りが溢れてくる。


「(そこまでしてコトナリを消すことが必要か、そこまでして……人を殺していいのか)」


 いや、いいはずがない。それは誰にも知られずに行われる。絶対に見つかることの無い神隠し。

 俺はその失踪事件を食い止めることは出来ない……そもそも俺は狙われる側で余裕など最初からないのだから。

 それでも俺はまだまだ抗う、俺の家族と友人を失くしてたまるか――俺は強く拳を握りしめ、その緊急集会が行われる中、何度かも分からない決意をする。

 それはまるで俺がそれを忘れないように、その決意を見失わないように何度も何度も繰り返していた。



* *



 そして世界の変化は訪れた。

 雨澄の作りだす”虚界”と対をなすように冷たい印象と変わって熱さを僅かに感じる暖色系の空や景色――聞こえは良いが陰のない一色塗の赤と朱だけの世界はやはり不気味だ。

 そんな世界の我が家の自室を出てホニさんの部屋へと向かうと――


「ユウジさんっ!」

「ああ、虚界キョカイだっ! 外に出るぞ」

「でもユウジさん、なんかいつもと印象が違う気がするよ」

「俺も分かってる。これは雨澄の作りだした世界じゃない――」


 ほぼ内心では断定だった。雨澄の世界はこれほどまでに明るくはない、これほどまでに一色塗ではない――どこか粗くそれでいて嫌みな程に明るい。


「鉈は持ったな!」

「ああ、出るぞっ」

「「うむっ(うんっ)」」




「桐、分かるか?」

「待て…………うーむ、わからぬ」

「遠くにまだいるってのか」

「しかし移動速度が極端に速い場合もあるから油断はしてはならぬ」

「分かってる」


 俺はホニさんを庇うように立ちながら辺りをその平面上の地上から見渡す。そこには指定された色を塗り間違えられた塗り絵のように、塀は赤く、家は赤く、空は朱。

 昔の3Dグラフィックの世界をみているような感覚と、そのほぼ原色の世界に目は耐えられなくもないが慣れることは確実に無い。


「ユウジ、来たぞ……速いっ!? 藍浜の海側から屋根伝いにやってくるぞっ」

「よし桐、頼むっ!」

「――重量制御。人物指定男一人、綿毛のような軽さへと――書換チェンジ。追加申請、重量制御を指定した人物への一任。制限時間二一分三七秒」

「よしきたぁっ!」


 地面へと強い反抗を見せ、大きく空へと飛びあがる。その景色は見渡しても心地の悪いことこの上ない。

 そう見渡していると――思考する間もなく、何かとてつもない速さで飛んでくるものを視界が捉え避けようとしても全てを避けることは出来ず――左腕をそれは抉った。


「がああっ……」


 溢れるは血、込み上げるは激痛。言ってしまうと矢の速さとはまた違い、殺傷能力もかなりに備わるそれは――


「銃弾……?」


 鮮血が漏れ出る左腕を右手で抑えつつも、その銃弾の放たれた先を探し出すようにぐるりぐるりと体を回す。そうしてようやくその銃弾を撃ち放った拳銃を持った人型ひとがたを視界に捉えた。

 それはガタイの良く、身長は百八十はあるであろう長身と手入れをせずにほったらかしされたボサボサの伸びた髪を持つ――


「てめえがヨリがてこずっている相手ってか、そんじゃさっさとコトナリもろとも消えてもらうぜ。抗う接続者コネクターさんよお」


 低い重低音と荒っぽい喋り方をする男が、一丁の拳銃を左手に構えながらそう言い放った。


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