第256話 √2-61 G.O.D.
ダイジェスト風味、√2体育祭はいつか番外編でやるかもしんないです。
ギャグしか見るところないのにそれを削るとか誰得だとか言われそうな悪感、いやギャグも最近アレだけど。
六月十五日
体育祭が終わって数日が経つ。
色々と思いだしたいこともあり、それにしても考えれば色々あったものだ。
クラス対抗リレーでは鍛錬の影響で足が速くなってしまったのを隠し忘れてほぼ半強制で抜擢されてしまい、他クラスはと言えば運動部のエースクラスを投入するもんでそんな中での帰宅部の俺は冷や汗ものだったのを覚えている――六位中二位という無難な勝利を収められたのでクラスの反感を買うこともなかった……けれど後に続いた陸上部な方々を打ち負かしたせいで他クラスには敵を作ってしまった上にそれをみた運動部が部活勧誘をしてくるもんだから困ったものだ。
主人公特権でここまで運動能力は向上したのはいいが、あまりにも様変わりしすぎだ。ドーピングの噂も囁かれるが体育祭の為だけにそんなことはするわけないだろうに。
……ドーピングなのかは判断に苦しむナノマシンは一度切りで、後は足をぱんぱんに腫らしながらトレーニング三昧だったのでそう言われるのは心外だ。まあ桐チートそのものがかなり不平等なのだが。
ホニさんはパン食い走に出て、その時に釣らされたパンをを口で捕まえようとぴょこぴょことジャンプするホニさんは信じられない愛らしさを誇っていて「手伝ってあげたい」そんな感情が押し寄せてくるがこらえた……他の皆も同じ心境だったようで、その間は謎の温かさに満ちた沈黙が続いていた。
姫城さんは走る度に凶悪な部位が揺れるので目のやり場に困った……大きいよなあ、姫城さん。
ユキもいつもよりもきゅっと絞めたポニーテールを揺らす様はもう見てて幸せだった――健康的な女子っていいなあと内心強く思う。
そういえばユイは五〇メートル走でナ○ト走りを披露した上に後ろに大差を付けて圧勝してたっけ。
マサヒロは見てさえいない。
PK戦はなんであんな劇画タッチになったのが良くは分からなかったが、凄い迫力だった。
後半の闘いなんてサッカーボールのはずなのに変化球だったり、炎帯びてたり、分裂したりしてたっけか。
高さ二メートルと幅十メートルのサッカーゴールがボールの勢いが凄過ぎて一メートル文字通り飛んでしまい会場が(混乱的な意味で)沸いたのを覚えている。
まあでも一番は非公式新聞部だったけか? その杉城とかいう奴が出てきて、無断に改造した校庭から太○の塔十分の一スケールのものを出現させて空へとビーム砲撃ったのは衝撃的でNA○Aから後々役員が来る事態になったんだった。
――いやあ、色々あったなあ。
そんあ体育祭の残り香も数日経っただけで消えうせて、今度はプール開き沸くというからぶっちゃけ節操ないのだが、個人的には非常に楽しみだ。
「いやだってスクール水――」
初日は姫城さんこそ出なかったのが惜しかったが、ホニさんは実にすばらしいものだった。
今でも長々とその感想を語りたいところだが、まあ自重しておこう。
一方の未だに戦いは終わらず、週一でその時はやってくる。
彼女も腕を上げるが俺もそれ相応に向上させるので互角すれすれを行ったり来たりしている。
まあ、どちらにしろ逃げ切ることで戦いは三十分経たずに終結するのだけど。
そうしてプール開きをした理由でもある初夏の訪れを知らせる要素は他にも、数週間前に衣替えを終わらせるなど夏の香りがかなり強くなり始めている。
そう、季節は流れて夏がやってくる。
そして慣習化し過ぎていたその展開が、大きく変貌を遂げる事態が巻き起こることを――ホニさんのスク水に未だ表情に表面化していないだけで殆ど誰にも知られないで狂喜乱舞している俺には知る由もなかったのである。