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@ クソゲヱリミックス! @ [√6連載中]  作者: キラワケ
第九章 G.O.D.<出会い>
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第250話 √2-55 G.O.D.

描写出来てるといいなあ 追記:友人にこれだけ見せたらクドいと言われました。あるぇー?(・3・)

 矢が放たれると同時に鉈を後ろに大きく振りかぶってホームランよろしくにふっ飛ばす。


『――!?』


 少し呆気にとられている間に俺は心で「桐っ」と叫んだ。すると答えすぐに返答とは違った形で返って来る。


『重量制御。人物指定男一人、綿毛のような軽さへと――書換チェンジ

「よしきたぁ!」

 

 体をばねのように屈ませて、ばねが元の形に戻る弾性力でぐいと上へと引き寄せられ、遥か空へと目指して一気に飛びあがる。

 髪の毛も着ている制服も突然の風圧に大きく揺れ、露出しているる顔や手に風が叩きつける……そうして突如上から現れ、圧倒的な力差をも感じさせる高さへと俺は舞い上がる。

 そこには表情の少ない敵――雨澄和が少しの表情の変化、俺の行動への驚きを示していたことが素人目でも明らかだった。


『重量制御を指定した人物への一任。制限時間二六分三秒』

「おうよっ!」


 かつては桐に任せきりだった空を舞う手段も、桐の力を一時的にこちらから操作することで俺の行動範囲を広げられるようになった。

 これも鍛錬を重ねるうちに身に付けることができた事で、桐の意思からこの力は切り離されても制限時間付きの条件で同様の力を得る。

 桐が最初にそうしなかったのも、この不慣れな行動の制御を完全に一任することは難しかったが為――ただし、今は違う。


「ぐおりゃあああああああああああ」


 吠えるように空中で次々と射られる矢をくるくると空を舞う羽のように鉈の柄を軸に回して矢を弾いて行く。

 俺に届くことなく、木と鋼で形作られた鉈はばきばきと矢をへし折りながらいとも簡単に吹き飛ばす――これも俺は今まで練習してきたことの一つだ。

 

『――くっ』


 焦りを感じさせるかのかのように矢を射るスピードが格段に増してきた。

それを一瞬で見切りつつ払い落し、ぐんぐん雨澄との間を詰めてゆく――順調だ、これならいける。

 ……とは残念ながら思ってない、あれほど練習で痛い思いをしたというのに、このわずかな優越感に身をゆだねるのはだた身を殺めるのを早めることにしかならないからだ。

 あくまで俺が順調そうに見え雨澄と間合いが狭まって行くのは表向き……そう、真の目的は今は遠く離れた地上にある。


「(――桐、大丈夫だな?)」

『(うむ、流れ弾は少なからずあるが上出来じゃ。わしの能力の一つ”安全領域”で全て弾き飛ばしておる)』

「(雨澄は任せろ)」

『(わかっておるぞ、だからわしは――)』


 僅かに見た地上では度々何か薄い膜のようなもので包みながら桐がホニさんの手を引いて走っている光景。

 そう、逃げ切れば勝ちなのだ。つまりは俺は囮、逃げる時間を稼ぐのとホニさん達に関心を向かせないのが俺の仕事だ。


「どりゃあああああああああああ」


 攻撃はひどくワンパターン、彼女にはこの空間を維持するのと別には弓に無限に補填される矢を放つことしか出来ない。

 その射られる矢も普通の競技で使われるものとは比べ物にならない強度から来る威力と速度を誇り、桐のチートと同じように無くなることのない矢。

 それはあまりにも強い、ここまで一点に力を注いで居れば強くなることも十二分に納得が出来る。

 しかし俺もこの一点を信じて、桐の読みとったことを信じて俺は対策をしてきた。桐の作りだすあまりにも上手な幻影、矢を放つ確かに質感を持った幻に俺は何度も射ぬかれていた。 

 だから俺も一点に力を注いで、それをどう回避するのか。どう対抗するかを――思考し、様々な矢の速度や威力を検証した。

 リズムを取るように「ここではぐるり回し」「ここでは弾かず払い落す」分かってきた、そしてテスト単語を真似し暗記する要領で俺は対抗手段を確立させていた


『――っ、っ!』

「お前に意味も無く殺されるなんてごめんだからなっ!」


 真正面から腹目がけてやってくる鋭く確実に急所を射とめる矢を少し上へと振り上げ落とし方向を下へと変える。


「(桐、一応注意な)」

『(承知した)』


 桐も桐で全力で走っている。ホニさんも一緒に手を繋ぎ走っている――桐曰く『今商店街を抜けたぞ』という位置情報を聞き、ここからはかなりの場所が離れていることを悟る。

 いつまで俺の挑発ろ攻撃が分かるだろうかと思っていた頃……そう、限界が訪れた。


『――接続者も調和を乱す危険な存在ですが、コトナリ本体を消すのが先決』

「ほう、だから?」

『――いい加減にしてもらう』

「っ!」


 その時状況が変わる。雨澄の持った弓一式と同じものが何もない空中へと現れ、一つ二つ……圧倒間にそれは二ケタの数を超え見上げた先にもそれはあり、そこにはそれぞれ矢が装填されていく。


「(おいおい、これは聞いてないぞ)」

『(どうした……複数で撃つと来たか、少しの維持する力を削ってのことじゃろうな)』

「(くっ……まあ、なんとか生き残るからそっちは頼むぞっ)」

『(お主――)』 

 

 それで思考を止め、桐との会話を遮断する。

 目の前に広がるのは大量の弓と矢のセット、それが今か今かと射られることを心待ちにしている。


『これで――消えてもらいます”過剰連射”』


 ビュビュンと風を切る音が重なって俺の方向へと一つの餌に食いつく烏のごとく向かいやってくる、その数――数十もの。

 絶望しか浮かばぬその予想外で一方的な展開だった。だが俺は一滴たりとも諦めるつもりはない――まだ俺は脚を止めさせることが出来る。


「うおりゃああああああああああああああああああああああああ」


 叫びに身を任せて鉈をバトン選手も見習いたいほどの高速回転で弾き飛ばしていく――しかし今までのようには行くはずもなく、普通に矢一本でも外傷的には致命的な怪我を負うこと請け合いだ。

 そんな矢が足は脹脛ふくらはぎから太股ふとももまでを肉まで裂くところは裂き、腕は鉈を回す右腕とは反対の左腕の手やら上腕に一本二本は刺さり、体全体ならば脇をもかすめ制服を切り裂く、顔の寸前も頭頂部も平等に矢は皮を切って飛んでいく――その度に慣れているはずなのに、慣れることはない痛みが全身を駆け巡る。

 いてえ、ああいてえ。もう死ぬほどいてえ、どんだけ血が流れてんだろうなあ。またこの痛みか、慣れるわけねえよ。

 文句を内心で呟き、心が折れそうにもなるが――俺には決意がある。叫ぶだけで比喩表現でなく全身から血が噴き出す重傷の中で俺はありったけの決意をこめて声を張り上げる。


「俺は何も諦めねえええええええええええええええ」


 奇跡的にかすり傷程度で済んでいる右腕に大きく力を籠めて、矢を一気に解き放った反動が来て少しの間矢をうつこともままらない程に疲弊する雨澄を狙って俺は振りかざす。


『――かっ……!?』


 その時、俺は彼女の制服ごと彼女の顔から下の胸辺りから腰辺りまで切り付けた―― 

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