第248話 √2-53 G.O.D.
更新というには短すぎた……スンマセン
練習開始をしてから数日が経った。鍛錬に明け暮れる毎日と共に、二日にはテスト二週間前宣言を既にされていたこともあって鍛錬が終わり次第勉強という展開にもなった。
テストで赤点を取る訳にもいかないので、固唾を飲んで鍛錬を遅くにやることでいつものメンバーとのテスト勉強時間を確保。
一日一本桐から渡される謎ドリンクで今までやって来れているが……飲んだ直後に急激に力が沸いてくる辺り副作用とかデカそうだな、と若干そんな想像に顔を青くするが――うん、生きてるから大丈夫。
既に生死で自分が無事であることを確認するようになったのは鍛錬による何度もの三途の川往復旅行の為で……そう思うとどこか悲しくなると同時に寂しさも感じる。
その寂しさというのも、もとの日常には取り繕う事はできても戻ることはできない――狙われるようになったあの日からは、と理解した頃ぐらいからだ。
それでも鍛錬が自分を痛みつけるだけの無駄な結果にはなっていないと自負する。少なくとも鍛錬前と後では覚悟も痛覚も技術も運動能力も向上した。
最近は桐創造による仮想雨澄への対抗は勿論のこと、最終的には仮想雨澄を倒せるところまで向上した。
一週間経たずしてここまで出来るのだから自分を褒めたいところだが、その能力向上も主人公によるご都合設定が占めていると思われるので言う程は誇れない。
そうしてテストが数日前に迫った、その日。
桐は術が解けたことを俺に知らせる――今日からはもう油断どころか心臓を銃弾戦繰り広げる戦地で露出させるぐらいの危険に満ちた日々が始まる。
タイムリミット、それが過ぎていつ殺されるかも分からない。恐怖こそあれど、それを上回る決意がある。
「俺は――守る」
俺自身もホニさんも、友人たちとの続く日常も。
五月十四日
『やっと見つけた――』
「こりゃお早いこって」
一日の始まりに桐とホニさんと家を出て学校近くの公園に着こうとしたその時に彼女は現れる――
そうして火蓋は切って落とされた。