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@ クソゲヱリミックス! @ [√6連載中]  作者: キラワケ
第九章 G.O.D.<出会い>
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第241話 √2-46 G.O.D.

「……ユウジさん」

「ホニさん……」


 胸の中のホニさんは温かかく、ホニさんはしばらくして埋めていた顔を見上げて俺の顔を捉える。

 こんな時間がすごく心地よい――



「……何時までお主らはイチャイチャする気かのう?」



「「!?」」


 俺がホニさんと向き合っていて気がつかなかったが、その目先には桐がどうにも不機嫌ですよという意思表示を足をパタパタとしながら呪い殺すんじゃないかと思えるほどの威圧感で俺をガンを飛ばしていた。


「いや、桐。これはだな……そんなイチャイチャなんてものじゃなくてだな、とにかく健全でだな」

「そ、そうだよ! 我はユウジさんに受け入れて貰えたことが嬉しくて――」


 ……いやさあ、ホニさんのあの姿を俺は受け入れたよ? でも、だ――この場面で言うべき発言じゃない!


「受け入れ……て!?」

「ちょ、ホニさん! それは誤解を招く発言だから! とにかく不健康なことは一切なくてだな――」


 と桐への弁解をしようとすると突然にホニさんが悲しい表情になり―― 

 

「……ユウジさん、我はやっぱり受け入れてくれないの?」


 幼少期なら「あーユウジが女泣かしてるー!」と茶化されるのだが、これはマズイ。

 というかホニさんのそんな表情見る度に心にグサグサを槍が降り注いでくる――んなの耐えられるかっ!


「いやいやそんなことは絶対ないぞ! ……ホニさんとはこれからも一緒だ」

「ユウジさん……」

「ホニさん……」


「あああああああ、爆発するがいい! 今すぐ三秒待たずして爆発してしまええええええええ」


 もはや活火山な程に憤怒している桐本人が大爆発を起こしているようにしか見えないという。


「えええ、ユウジさん我たち爆発しちゃうの!?」

「……真摯に受け止めることじゃないから、気にしないでいいぞ」

「うぬぬ……わしは学校と連絡を取って同じ学年同じクラスに捻じ込んだというのに……こんな、こんな――恩を仇どころか針千本で返すなんてな!」

「だから桐それは誤解だって――え、捻じ込んだって?」


 突然に始まったコント展開が遮断されて、少しずつ桐の表情が怒りやら嫉妬がまじったものから真剣なものに戻って行く。


「じゃからわしは、ちょっとした事を使ってな。ホニを藍浜高校一年二組に捻じ込んだのじゃ」


 …………え?


「てことは……実質転校生扱いになるんじゃねえか?」

「うむ、そうじゃ。生徒としてホニはこれからは通うことになる」

「えええええええええええええええ」


 衝撃の展開だった。

 いやまあ離れないようにするには学校には行かなきゃいかないんだろうけど……桐みたく特例で許して貰うってパターンかと思ってたばっかりに驚き桃の木山椒の木状態だ。


「わしはこのロリィだから許して貰えたのじゃぞ? ホニは……ぬぬう、悔しいが中学生な容姿を持っておるからの。少し成長期を残した女子と考えれば違和感はそれほどない……くうううう!」


 桐は自分の言っていることが間違っていないことながら、その事実を信じたくないが為に葛藤しているようだ――まあ、そこまで俺が桐の心境を汲み取る必要があったのか微妙だが。


「ということでホニ! 明日から学校じゃあっ!」

「う、うん! わかった!」


 ちなみに一方のホニさんはズビシと桐に指差され驚く一方で、明日の遠足の期待に胸を躍らせる小学生のように瞳をこれでもかってほどにキラキラさせていた。


「……ホニさん、楽しみだったりする?」

「うんっ! 今のマナビヤがどうなってるか楽しみっ」


 そんなホニさんが可愛いなあと抱きしめたくなる衝動に駆られる一方で「ホニさんは興奮すると耳出ちゃうからなあ」と一抹の不安もあった。

 ……いやダイスキですよ? すっげえ可愛いですよ? でも……それはいつものメンバー以外にはバレると厄介な訳で。


「……ごめんね、ユウジさん」

「え、なぜに謝る?」

「我嬉しくてかなり浮かれてる……でもこれが非常時だから、桐もユウジさんも手伝ってくれるわけなんだよね――だから自制はちゃんとするから」

「あ、ああ」


 そうホニさんは微笑んだ。ちゃんとホニさんは分かっている――それは俺も分かっていたから、それをホニさん自身から聞けてもう不安に思う事はないだろう。


「じゃあホニさん、明日からよろしくな」

「うんっ!」



 ホニさんが部屋を出たろころで帰ろうとした桐を飛びとめてヒソヒソ内緒話よろしくに聞いいてみる。


「桐、一体どんな裏技使ったんだ?」

「ふふ、それは秘密」

「……桐が学校行ったのは数回だからな。そこまで何かしら行動出来るとは思えないんだが」


 もはや学校に行っただけでそこまで出来たらチートどころの話じゃねえな、クソゲーにもほどがある。


「まあ、あちらには協力者が居るでの。アイツに協力要請したというところじゃな」

「アイツって……少なくとも生徒一人を即編入出来るなんて校長、理事長クラスだろうに」


 アイツと呼ぶ桐は色々な意味で凄いが、やっぱりそのクラスの人間を動かせる桐って何者だよ。


「うんにゃ、藍浜高校の一生徒に過ぎんぞ? アイツは」


 ……一生徒?




「ユウくんっ!」

「あ、姉貴! 本当ごめ――」

「ひどいよユウくん! 置いてけぼりにして、寂しかったんだよ? 不安だったんだよ? もしユウくんが誘拐されたり他の女の毒牙にかかってメロメロみさせられちゃったかと思うと気が気でなくて、商店街の組合長に頼んで連絡も考えたけどやっぱり町内会長がいいよね、って町内会長の権限を借りて町中にアナウンスするところだったんだよ? 本当ユウくんが無事でよかった、これからはGPSを駆使してユウくんの居場所が分からないといけないと思っちゃたよ、というかユウくんがどこかに行っちゃう危険があるからこれからは私が一生一緒にいるね。ユウくんがいなくなったら世界が滅んでも構わないもん、というかユウくんさえいれば生きていけるよ。だからユウくん、買い物途中で抜け出したバツとして今日はご飯もお風呂も寝る時も一緒だからね? ご飯の時からきっと自制が効かなくなって一線越えちゃうかもしれないけどバツゲームだから仕方ないよね――ってあれユウくん何処行くの? そんなユウくんが悲しい顔してたらお姉ちゃんも悲しくなっちゃうよ――それって私のせいだって? もうユウくん素直に甘えたいならいつでも家でも学校でも道端でもどこでもいいのに――ユウくん? ねえユウくん、聞いてる?」


 この人に触れるのはよそう。 



* *



「――というわけで、ホニさんが登校することになった」


 一連の経緯――を話しては流石にいつものメンバーでも出来ないので、説明としてはこう。


「ホニさんは家出ひとりぼっちで、ずっと留守番させてたんだ……それもまだ学校が決まってなかっただけで、学校が決まりさえすれば登校出来たんだよ。それで(以下略)その優秀さに理事長の目に止まったホニさんは編入が認められた――」


 てな具合。まあ勿論でっちあげで理事長なんて居るのか居ないのかも分からないけども、桐曰く居るらしい。

 なんで学校の通ってる俺が知らないで一見部外者な桐が知ってるんだよ――という事に関しては「協力者がいるから」という理由で強引ながらも納得していただきたい。


「ホニちゃん……すごいんだなあ」


 ユイが言ったのを筆頭にいつのメンバーが「まさかあの計算式を数秒で暗算で出来るなんて……」「私もそれにはびっくりです。暗算でも一分はかかります」「知的で可愛いとか結婚したい」

 それは嘘ではなく、桐がなにかしら問題を教えるとすぐに理解して解けるようになった――もちろんこと俺の立場なんて軽く大海を跨いで投げ飛ばされて若干涙目ではあったり。


「ということで下之ホニです! よろしくお願いしますー」


 名前でもいいんだろうけど、一応ということで名字がついた。

 「……こんな形でユウジ様と同じ名字になれるなんて、そんな方法があったんですね」「ちょっと羨ましいかも……下之ユキとか――」「同じ名字なのにユウジはなぶり殺したい」

 とまあ、一部イラつく発言があったのですぐに殴りをいれたものの。いつもメンバーはイイヤツ揃いには違いなく、もう溶け込みはじめていたので心から安心する。


 そして――


「えー、下之ホニは家庭の事情で急きょ編入が決まった。新しいクラスの一員として頼むー」

 

 と適当な担任の説明を終えて――


「え、えと。下之ホニです! よろしくお願いしますっ」


 その時クラスが沸いた――なぜか他のクラスの教室扉に耳をくっつけていた生徒共や耳を傾けていた生徒も歓喜した。


 まあ、色んな意味で始まりな訳で。



* *



 「ええ、ええ……編入!? いきなりにも程があるわよ……出来ないのかって? ふふ、分かり切ったことは聞かなくて良いんじゃない? じゃあ、って。だからそれでもいきなりすぎるわよ……って切れてるし」


 はぁ……理事長の弱みに漬けこんで即日編入は可能だけども、なんであの子はああも唐突に言うのかしらね。

 これであの子から頼まれたのは”二回目”ってことになるのよね。その元凶の本人とは接点が今回は無いって言うのに……


「でも、面白そうだからいいのだけど」


 写真を見せてもらった通りなら凄く可愛いし、アスちゃんの対抗馬として申し分ないぐらいだし……一度くらいは触ってもいいわよね?

 

「あの子の言うとおりなら……はあ、まあ元凶の本人も大変ね」


 あの子も酷なことをするものね。


「ユウの記憶を消す……なんてね」


 仕方のなかったこととは私は認めるつもりはない。それはどちらにしろ”逃げ”なのだから。

 

「……辛くなるのは、ユウなんだから」


 そこら辺分かっているといいのだけど……まああの子は優しいから、何も言えないのだけど。


「じゃあ、早速電話するとしましょう――」


 それが誰かって……聞かなくても分かるわよね? ナレーターさん。


 うわっ、不意打ちはナシですって!

 ……しかしあの書記が”二回目”ということと”ユウジの記憶を消したことを知っている”ということは――

 まあ、なんと言いますか。世界というものは狭いものなんだなあ、と思わざるを得ませんね。

 ホニの学校生活が幕を開けて……色々波乱が有りそうですね。

 

 

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