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@ クソゲヱリミックス! @ [√6連載中]  作者: キラワケ
第一章 プロローグのプロローグ
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第001話R 1-1 プロローグのプロローグ

2018 07 18

「クソゲヱリミックス!R」として投稿してきた内容でこちらの初期話数を置き替えました

ブックマークやリンクほか影響あるかもしれませんがご了承ください。


以降クソゲヱRの文章へ置き換えた話数に<R版に差し替え済み>と付きます

 目の前には幼児体型ながらも歳不相応に小憎たらしく口元をニヤリ吊り上げる、茶と栗色の中間色の髪を左右でツインテールに結った幼女が仁王立ちしていた。


「おはよう主人公、とりあえず女を攻略オトセ。でないと世界は止まったままじゃ」


 幼女曰く俺はある女の子と親しくなって、その女の子と恋人同士になって”ハッピーエンド”を迎えないと世界はループしてしまうらしい。

 ということで俺こと下之ユウジは現実で高校生活をやりつつも恋愛シミュレーションゲームの主人公となった。


 ところがその恋愛シミュレーションゲーム、残念なことに――



* *



 クソゲーである。



 運命の巡り合せ、というような経験が一つはないだろうか。

 たとえば失くしたものが偶然に見つかった、売り切れたはずの欲していた商品が手に入った、遠い記憶の中での友人との再会などなど。

 各々あるだろうとは思う、そして俺自身にとってはそれが今このときだったと言えよう。


 そう、俺は一つのゲームを中古屋で手に取った。


 それはいわゆる「男性向け恋愛シミュレーション」ジャンルのゲームである。

 画面に映し出される女の子とテキストを介しつつも擬似的な会話を行い、やがて恋愛に発展するというもの、とはいっても一口に恋愛とは言っても様々なものがある。

 例えば友達から始まる関係やら、偶然関わったことによる発展。

 さらにはフィクションだからと、その過程には遠慮なく展開を挟めるのも特徴だ。

 異世界に転生するなり、現実世界で蔓延る悪と戦うだったり、突然能力に目覚めるなり。

 人のイマジネーションの限界まで、無限にそのバリエーションがあるといえよう。


 と、熱く語ってしまってはいるものの、その手に取ったゲームの内容はまったく知り得ていないのだ。

 パッケージには「純愛恋愛ストーリー」のような触れ込みとあるだけで”死線掻い潜るような展開”やら”修羅場”やらがあるとは書かれていない。

 あらすじには「平凡な主人公は高校生を迎えた春、様々な出来事が巻き起こる」と書かれていた。

 

 そう、このあまりにもテキトーが過ぎる上に薄っぺらい説明からは、俗に「地雷」と称される部類の作品であろうことが予測できるし、直感ではあるがこれが良作のギャルゲーであることがまったくもって想像できないのである。

 

 それでもなぜ俺がこのパッケージから手を離さないと言えば、一つは値段であった。

 高校生の領分を超えない絶妙なお値段で、PCゲームで発売が最近だというのにお値段ポッキリ八百円なのだ。

 八百円だからといっても某十円棒が数十単位で買えることから決して爆安とは言えない。

 しかしその八百円という値段からレジカゴに入れてしまうほどに――パッケージが魅力的だった。


 そこに並ぶのは可愛い女の子たち。

 活発そうな女の子もいれば、清楚なクール系、髪をツインテールにした小さな妹のような子もいれば、犬耳のようなものが頭からピョコリと飛び出た童顔の長い黒髪の女の子、金髪輝く西洋美人もそこに描かれていた。

 なかなかにジャンルごちゃまぜではあるものの、一言で言えばその絵柄がストライクだった。

 

 ここまで理由立てをしてもしょうがないだろう、時すでに遅いというものだ。

 俺はそんなゲームのパッケージをレジに運び財布から千円を取り出した。





 家に帰って説明書を読んで、インターネットでそのゲームの感想を巡回した結果。

 その作品について分かったことは「クソゲー」という事実だった。


「八〇〇円だから買ってはみたものの」


 確実にスペックから見てクソゲーだった。絵が良くても買わないでおけばよかったと今は思う。

 先ほどの熱意に満ちた力説も、今ではとんだ道化である。

 ほぼ新品の中古品のPCゲームとしては破格とはいえ、八〇〇円は貧乏な学生にとって後々影響が出てくるかもしれない。

  

 ということでそのゲームを簡単に紹介するとしよう、パソコンゲーム(全年齢対象)で一年ほど前に出たものだった――


『タイトル Ruriiro Days ~キャベツ風味~』


 この見て驚きの地雷臭プンプンなネタタイトル。

 瑠璃色……でいいとは思うのだが、それだけならありきたりな名前も副題のキャベツ風味で台無しである。

 ちなみにこの作品にキャベツ要素は一切ない、キャベツな太郎並にキャベツと関係ない。


『ジャンル 恋愛・泣き・アクション・ファンタジー・RPG・パズル』


 制作者浮気し過ぎだろう、明らかにジャンルを詰め込みまくっている。

 その中でかなり浮いてるのがパズルで――恋愛やらアクションのどこにパズルの要素があるのか、疑問でならない。


 更に推奨スペック見る限りこのゲームを動作させるにあたっては相当なスペックが要求され、ようはとてつもなく重い、古いノートパソコンなら即死亡レベルである。

 こんなクソゲーに数ギガバイトも使われるとなると、無性に腹立たしさがこみあげてくる。

 一通りやったら速攻消そう……そう落胆としつつも俺はとりあえずはパソコンにディスクを入れた。

 その時のことだった―― 


「っ!?」


 思わず驚いてしまったのは、かなりの速さでパソコン画面上にダイアログが何重にも表示され画面を覆い尽くして行くのだ……まぁ、アレだ。


「バグりやがった……」


 ダイアログには「環境のスキャン」という謎の言葉が無数のダイアログに表示された。


「なんだよ……」


 そうするとダイアログの言葉が一斉に書き換えられていった。


『スキャンが完了しました、このまま作業を続行する場合”OK”をクリックしてください』


 隣にある「キャンセル」を押しても反応しないと……というかキャンセルを推したら更にダイアログが十個ほど増えたのだが。

 俺に喧嘩を売っていると解釈していいのだろうか?

 ……結局シャットダウンか”OK”押すしか選択肢がないようで、シャットダウンして再立ち上げしてもこのダイアログばかりだとしたら……背筋に冷たいものが走った。

 案の定再起動して画面を見ても、そこにはダイアログが表示されているのだった。

 それではもう仕方ない、何か起こるかは分からないが、とりあえず目の前に表示されるOKを押さざるを得なかった。


「OK……と」


 OKを押した途端にダイアログが消えてゆく。


「おお」


 感嘆の声が漏れるほどに何重ものダイアログが消えていくさまは爽快だった。

 次第にかつてのデスクトップの壁紙の色が見え始め、最後の一つを残して消えた。

 しかしその最後のダイアログは今までとは全く別の言葉が表示されていたのだった。


『世界浸透化の準備が整いました、よろしければ”スタート”をクリックしてください』

「前振りにしては長すぎだろ」


 世界浸透化というのは何かこのゲームのキーワードだろうか、まさかここまでがゲームの演出か?

 凝った演出だとは思うがそれが面白さに繋がるかといえば、まったくもってそうではない流石のクソゲークオリティだった。

 ヒヤヒヤさせやがって! というストレスと怒りだけが溜まってしまうのだが、制作者はそれを考えて作ったのだろうか。


 ……もうこうなれば、このクソゲーの元を何とかとるべく徹底的にゲーム攻略してやろうじゃないか!

 そう思い立ったら吉日な俺は迷わず”スタート”をマウスのカーソルでクリックした、その時のことだ――


「うわっ」


 パソコンから突然発せられた白い光、それに俺含む部屋全体が包まれていた。

 眩しすぎて辺りの状況を把握できない、しばらくすると光は弱くなっていくが――


 俺に見える風景はかつてと違っていた。


「え?」


 自分の部屋がいつの間にか消えていた。

 さっきまであった家具も時計もテレビゲーム機も、光を発したマイパソコンも消えた。

 今はどこが壁でどこが天井か、どこからが床ががわからない永延と純白に染められた空間が支配している。


「どうなってんだ……」


 そう呟くと。それに答えるように、


 ”世界の浸透化が完了、これより具現化します”


 白い世界の壁も何もない場所に表示された文字、しばらくして文字が左から順に消えていき最後の文字が消えたその瞬間――

 また眩しい光が俺に襲いかかり、俺は思わず眼を瞑ってしまった。

 しばらくして、視界の外から光が弱まっているのが分かった。そして恐る恐るながら目をゆっくりと開いてみると――


「?」


 そこには見慣れた景色が、部屋があった。

 家具もテレビゲーム機もパソコンも平然と置いてある。


「……今のはなんだったんだ?」


 思わず呟いてしまう、なんだ何も変わって無いじゃんと。

 そうその現時点では、そう思っていたのだが……


「ん?」


 俺はふと時計を見てみると、その最初の異変へと気づく。


「朝の……七時?」


 さっきまで俺は学校から下校し、ゲームショップにより現に夕日差し込む夕方に家へと帰宅。

 そうしてゲームを起動した、はずなのだ。


「時計が狂ってるわけ……じゃないのか」


 カーテンこそ閉められているが、差し込む日の光は決して夕方では断じてない。


「(アニメ的に考えると時間移動、現実的に考えればゲームを起動してから意識がなくなって翌日……?)」


 俺は携帯を開いて液晶を見てみると、日付は変わらずだった。

 つまりは時間を俺は遡った……?

 そんな不可解な事象も続々と巻き起こっていくわけで――



「ユウジー、遅刻するよー」



「え」


 聞いたことのない女子の声が、俺の名前を呼んでいたのだ。


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