表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
微ヤンデレ後輩ちゃんは愛されたい!!  作者: 正軒


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

31/31

姉と妹

 知っていた。

 正確には気付いていたと言うべきだろうか。

 明佳さんが先輩に親愛、友愛、情愛……恋愛感情に近しいものも含めてあらゆる愛を抱いている事を。


 それを、その長年愛していた、そして愛を返してくれていた相手に特別ができて嫌にならない訳がない。


「少し話しますから、先輩は先に行って下さい」


 何か察してくれたのだろうか。ちょっと躊躇いながらも先輩が離れていく。

 ある程度背中が遠くなったのを確認してからもう一度明佳さんと向き直った。




 お兄ちゃんが離れていった。

 これで奈恵さんに面と向かって嫌いと言われても問題はなくなってしまった。

 もしお兄ちゃんがいて、それを聞いたらきっとまた自分のできること全部を手当たり次第やろうとするから……それをわかっているからの配慮。


 沈黙が怖い。昨日は……お兄ちゃんと合流するまでは一緒に歩くだけで楽しかったのに、今はこの人が怖くてたまらない。


「ごめんなさい。明佳さん」

「……?………なんで?」


 何を言われるかと身構えてビクビクしていたのに、奈恵さんの口から出てきたのは謝罪の言葉だった。

 予想外すぎてうまく考えられない。


「先輩、とっちゃいました」


 笑顔で言わないでほしい。シリアスし始めると思ったらただの修羅場じゃん。


「笑顔で言わないでむかつくから!!」

「妹は彼女になれないんですよ」

「知ってるもん!!」


 煽られてる気がする。

 この人は……ほんとにもう……なんかいいこと言おうと思ったけどやっぱムカつく!!!!


「そりゃあ私お兄ちゃん大好きだし?奈恵さんに嫉妬だってするよ!奈恵さん彼女にしてからお兄ちゃんあんまりかまってくれなくなったもん!」

「元がかまいすぎだったのでは?」

「うるさい!私はもっとかまってほしいの!!」


 自分でもお兄ちゃんが私たちにかまいすぎだってのはわかってるし。

でももっと一緒に居たいし。もっともっと遊びたい。ずっと一緒に、仲良く、家族でいたい。


 わがままだって分かってるけど、もう私にはお兄ちゃんと加苅しか居ないから。

もう二度と、家族と離れちゃうのは嫌だから。


「もう、いなくなってほしくないの…!」

「奈恵さんでも、家族をとられるのは嫌なの!!」


 無意識に奈恵さんの両肩をつかむ。

 懇願するように。

 縋るように。


 私からお兄ちゃん(大好きな家族)を奪わないでと。


「……いえ、奪いませんよ?」


 きょとんとした顔で何をいまさら。とでも言いそうな声音で返されて力が抜ける。


 奪わない?束縛するとかそういうわけじゃないから安心しろとか一緒に暮らすとかそういう話?

私が言ってるのはそういうのじゃないんだけどな、と思いつつも何か言いそうなのでおとなしく次の言葉を待つ。


「私は嫁入りするつもりなので別に先輩を浅野家に迎えるとかそんなつもりは…」

「そこじゃないんだよっ!!」


 変なところで天然発揮しないでよ!困るよ!

 違う!そこじゃない!苗字とかそんなのどうでもいいからさ!


「私が!嫌なのは!お兄ちゃんが結婚することなのっ!」

「……明佳さん」

「なにさ」

「私がこの世に存在している時点で先輩が結婚しないことはあり得ません」

「おっも……」


 思わず素になっちゃったよ。この人怖い。なんかお兄ちゃんに生きる意味の全てを見出している。

 もう存在そのものをお兄ちゃんに任せようとしてるよ。


「さすがに引く…」

「なんでですか!?」


 もうなんか、わめく気力もない。

 この人には何言っても多分無駄なんだろうな。いや私の言いたいことは誰に言っても多分無駄だから奈恵さんに限った話じゃないんだろうけどさ。


「奈恵さんはさ、お兄ちゃんのどこが好きなわけ?」

「?????」

「えっ何……?なんで困ってるの?」


 正直のろけ話聞かされるだろうと思ってたから衝動とはいえ聞いたことをちょっと後悔してたよ。


「……どこが好き……そうですね、強いて言うなら存在でしょうか」

「うん。この話やめよっか」


 のろけよりもひどいものを聞かされるような気がしたのでおとなしく引き下がる。

 後でお兄ちゃんにちゃんと聞こう。そっちならちゃんとのろけてくれるはず。というか二人して同じ反応されたらもう私何も言えなくなっちゃう。


「明佳さん。私はあなたのことも好きですよ」

「でも一番は先輩ですから……ええ、やっぱり明佳さんみたいな妹が居たら、楽しいでしょうねぇ」


 宣戦布告のような、でも本心からそうなってほしいと願うような、よくわからない言葉が笑い声と一緒に届く。

 この人はお兄ちゃん以外に興味が向かないだけで、お兄ちゃん以外もちゃんと見ているのだろう。


「ずるい」

「お姉ちゃんですから。ずるいんです」

「……勝手にいなくなったら許さないからね」

「ええ」


 奈恵さんが家族になってくれたらいいな。と思わないわけじゃない。

でも、やっぱりお兄ちゃんを取られるのは癪だから素直に仲良くなりたいとは言えない。


 だからせめて、束縛しよう。お兄ちゃんとくっついて私のお姉ちゃんになるなら、私の家族になるなら、嫌になるくらい束縛して、愛して、絶対に逃がさない。


 それが私の、家族愛。

 名前も知らぬ誰か様。

ブックマークありがとうございます。

 頑張って月一を最低ラインにできるよう精進します。

 ほんと、止まってるやつも更新したい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ