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愛してほしい後輩ちゃん

 翌日、教室に入るとどこから聞きつけたのかは知らないが何故か僕と奈恵が付き合いだしたことが広まっていた。


 僕は聞こえないふりをしながら自分の席に着き、いつものように仲のいいやつらに話しかけられて振り向くと


「なっかっやっくーん」

「彼女できたんだって?」

「しかも美少女の後輩だって?」

「おめでとう!」

「リア充撲滅リア充撲滅リア充撲滅」

「「「「「リア充爆発しやがれこの野郎!」」」」」


 ありがたい?祝いと呪詛をもらった、喋った順から

木戸蓮(きどれん)、リア充撲滅委員会創設者兼会長

麻川雅人(あさかわまさと)、リア充撲滅員会副会長

渡辺伸樹(わたなべしんき)、リア充撲滅委員会特攻隊長

小鳥遊秦(たかなしみなと)、リア充撲滅員会特攻隊嫌がらせ担当

阿左美孝一(あざみこういち)、リア充撲滅委員会特攻隊呪い担当

 ちなみに僕はリア充撲滅委員会には入っていない、あと特攻隊は帝国時代の日本のあれではなくて普通に特別攻撃のことを指すらしい


 基本的にはいい人と何の疑いもなく言えるが恋愛(身内?)が絡むと面倒くさい、それはもう面倒くさい。この前は僕がバレンタインに奈恵からチョコをもらったと答えたらその日は日替わり定食でそれぞれの嫌いな食べ物を押し付けられたくらいだ。

いや好き嫌いすんなよ失礼だろ…押し付けられたのは結局全部食べたけど


「いやー、まさか我らがリア充撲滅委員会の一員がリア充になるとは」

「殺るか?」

「おい待て僕はそんな委員会に入った覚えはない」

「リア充撲滅リア充撲滅リア充撲滅」

「一回それ止めて?」

「……リア充撲滅リア充撲滅」

「違う、そうじゃない」


 器用にちゃんと一回分止めやがった。

というかこういう時にまともな人がいないって辛いんだが


「先輩、居ますか?」


 …今一番来てはいけない人が来てしまった


「はいはい、居ますよー」


 めんどくさいと思いながらも目の前の奴らを無理やり押しのけて奈恵の方へ向かう、向かう途中で後ろから突っかかってきた蓮を裏拳で地に落としてから奈恵に声をかける。


「どうした?」

「いえ、お弁当を作ってきたのでそれを渡しに」

「今日はもう二人分持ってきてるんだけど…」

「わかりました、捨てます」

「食べるから!食べるから食材を無駄にしないで!」


 何のためらいもなく弁当の中身を捨てようとする奈恵を必死になって止める。

奈恵なら本当にやりかねないので全力だ、前科あるからなあ…


閑話休題(?)


 奈恵が振り向いたことを確認してから手を離す、奈恵が物足りなさそうな顔をしたのは気にしない気にしない。


「とりあえず弁当は貰うよ。ありがとう」

「…っ、嬉しいです」

「?僕のために作ってくれたんだから貰うのは普通だろ」


 奈恵が驚いたような顔をするので疑問に思った僕はそう返した。

だって可愛い彼女が一生懸命作ってくれたお弁当だぞ美味しくいただく以外に選択肢はない「据え膳食わぬは男の恥」だ…絶対使い方違うけどな


「いえ…なんででしょう、先輩に言われるとうれしくなってしまって」


 奈恵はこの世のあらゆる甘味よりも甘い、蕩けるような笑みを浮かべる。

その笑みにクラスの男子が数名KOされたが気にしない


「先輩、お昼ごはん一緒に食べましょうね」

「ああ、また後でな」

「…先輩」

「ん?」


 奈恵に声をかけられて戻ろうとしていた首を振り向かせる。

振り向いてから気付いたが、奈恵の声は何十度単位で低くなっていた


「何度も言いますが…私だけを愛しててくださいね?じゃないと私、死んでしまいますから」

「…分かってるよ」

「ふふ…ならよかったです。先輩が愛しててくれればそれで十分ですね」


 僕を見つめる奈恵の瞳は充実感を宿しているがそれと同時に悲しそうな顔をしていた気がする。


「…とりあえず、教室戻れよ」

「はい、では」

「ああ」


 とりあえず授業が始まるので奈恵を教室に戻らせてから自分の席に戻る。

――次の放課が地獄になるという嫌な予感を感知しながら

 ヤンデレ要素少なかったですね…すみません。微だから許して…

 評価、ブクマありがとうございます

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