2話 間違いから始まった私達
合同体育 それは別のクラスと一緒に体育の授業をする的な意味だと思う
というか私はそういう意味だと捉えていて私が通っている桜華高校でも行われている
そして今はグラウンドで6組と2組が合同で体育の時間に体力テストをしているようだ
周りはグラウンドを覗いてめんどくさそうとか俺やりたくね〜とか言っているが私はそんな事どうでもよかった
遠く離れた4階からでも見える
一際大きな輝きを放つ一人の少女
まるで太陽のようだった
その少女は体力テストの50m走がぶっちぎりの最下位だったがなんとも言いづらい独特なオーラを放つ少女だった
気づけば私はその少女に目を奪われていた
白い肌に高い身長に黒い髪
まるで人形のようだった
その少女から目が離せない
感じたことの無い胸の鼓動
このドックンドックンという鼓動
少女マンガで見たことがある
気づけば私はこの時彼女に一目惚れしていたのだろう
「瑠奈……瑠奈!!」
いつのまにか佳奈に呼ばれていた
「どうしたの佳奈?」
「どうしたのじゃないよー先生に当てられてるよ!」
「ありがとう佳奈!ぼーっとするな泉!この問題読んでくれ」
周りがうるさかったのか外の独特なオーラを放つ少女に目を奪われてそっちに気が取られていたのか……
どっちなのかは分からないけどいいや
教科書の文字を読んでも頭にはずっとあの少女の事しか考えていなかった
それでも初めて高校に入ってワクワクしたかも!
でもなんて子だろう……
知ってそうな人に聞いてみようかな……
でも佳奈は寝ちゃってるし話しかけれるのって後ろの席に座ってる咲良くらいだしな……
「ねぇ咲良?あの外で体育してる肌の白い女の子なんて名前か知らない?」
これまで咲良に話しかけるのって勇気がいったけどあの子のことを考えたらめっちゃすんなりと聞けた!
私凄い!
「いきなりどうしたの……瑠奈から話しかけてくるとか珍しいね……でも名前は知らないよ?少なくとも私と佳奈の入ってるテニス部では無いけど……役に立てなくてごめんね……」
咲良は知らないのかぁ……
確かにあまり人間に興味無さそうだし……
「ねぇ瑠奈?佳奈に聞いてみたら?」
咲良が提案してくれたけど佳奈は寝てるし……
「佳奈は寝ちゃってるし休憩時間にでも聞いてみるよ〜」
「別に佳奈なら任せて」
任せて?なんで咲良が佳奈の事任せてって?
「任せてってどうゆう事?」
分からない時は聞くのが1番だよね!
「佳奈起こしてあげる……」
起こしてくれるのはありがたい〜
けどかなり熟睡してそうだけどどうやって起こすんだろ……
そんな事考えてたら咲良が近づいてきて佳奈の机を引っ張った
それはもう綺麗に佳奈は床に落ちた
机引っ張って起こすって……
「咲良……意外と乱暴に起こすね……」
でもまぁ起きてくれたのはありがたいし
まだ眠そうだから寝ちゃう前に聞いておこうかな
「ねぇ佳奈?あのグラウンドに居る肌の白いあの女の子の名前知らない?」
「あの女の子……多分瑠奈が言ってるのは紗莉ちゃんの事かな?6組の赤塚紗莉ちゃんの事だと思うけど紗莉ちゃんに何か用でもあるの?」
赤塚紗莉……!ようやく名前が分かった!
「ありがとう佳奈!佳奈のおかげで高校生活楽しくなりそう!」
佳奈に助けられたなぁ〜
「私が居るのだから高校生活楽しくなるのは当たり前でしょー!」
別に佳奈が居なくても紗莉ちゃんが居たら高校生活楽しくなるだろうけどさすがにそんな事言ったら可哀想だしとりあえず微笑んでおこっと
とりあえず休憩時間に会いに行こうかな?
あー休憩時間が楽しみ!
そんな私の心をよりウキウキとさせる授業終了のチャイムはいつもよりはやく感じた
走ってはいけない廊下
これほど破られる事の多い学校のルールは無いと思ってる
私は息切れしながら6組の教室にむかい紗莉ちゃんに会いに行った
ちょうど着替えが終わりロッカーに荷物を取りに来ていたのでその時に話しかけよう!
ありがとう佳奈!この恩は一生忘れないよ!
「あの!紗莉ちゃんだよね!」
緊張をおさえようとしているがいつもより刻む鼓動がはやい心臓の音は鳴り止まない
「いや……人違いです……私は南田陽菜で紗莉さんはあの人です……」
佳奈ァァァ!!お前!絶対許さない!
いやまぁ紗莉さんも肌白いけど!
「あ……ぎょめ……ごめんない陽菜さん……あなたにお話があってきたんです……」
やばいこんな大事な時に噛んでしまった……
「お話?私にですか?」
「はい……」
「今は忙しいので放課後でも良いですか?」
「全然大丈夫です……それではまた放課後に……」
そういって私は一目惚れした少女南田陽菜と最悪な出会いを迎えてしまった
放課後になるまでは体感時間としては一瞬だった
放課後に6組まで行って陽菜ちゃんに会いに行ったけど正直どう話しかければいいか分からない……
女の子がいきなりギャルに「好きです!」って言われても絶対困るよね……
「あの……瑠奈さん……」
やばい陽菜ちゃん来ちゃった……
どう返そう……
「は……はい……」
「さっきのお話って一体なんですか?」
やっぱりこうなるよねー
ギャルにいきなり話があるって言われたらカツアゲかと思っちゃうよね……
私が読んできた少女マンガにもギャルなんてなかなか出てこないしどうしようどうしよう……
「あ……あの!好きです!付き合ってほしいですぅ……」
何いきなり好きです!超えて付き合ってって言っちゃってるの私!しかもなに!名前間違えられたギャルにいきなり告白されて最初勢い強いのに最後の「ですぅ……」って!
でもこれでOK出たら良いけど!
「ごめんなさい……気持ちは嬉しいんですけど……あなたの事をまだ全然知らなくて……まずは友達からじゃダメですかね……」
やっぱりダメか……
でも友達になれたのは進歩だよね……
お互いの事知ったら付き合ってくれるのかもしれないし!
そんな期待を胸にしながらメールアドレスを交換して
「よろしくね!陽菜ちゃん!」
「よろしくお願いします……瑠奈さん……」
こうして私は初恋の少女と友達になった。
なんとか頑張って書き上げました!
最初の想定より2話の量が約2倍まで膨れ上がってしまいましたが無事2話も出来て良かったです!
第3話以降も下手なりに頑張って更新していこうと思うのでよろしくお願いします!