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歩道橋から見えた月
寒い夜、歩道橋に上る
昼間解けた雪が再び凍り、道はキラキラと輝いている
後ろから来た人に道を譲って、立ち止まって空を見た
揺れる歩道橋の上
少しずつ満ちてゆく月があった
先週の半ば、新月
空を見ても見えない月に、会いたい人を思った
普通に会えた時があったことが不思議だった
消えた月がまた満ちるように
会いたい人にまた会える時が来ればいい
きっと昔から同じように思う人がいた
同じように月を見る
歩道橋を下りて
また空を見ても
建物に隠れて月は見えなかった
寒さに震えながら
歩道橋に上り西の空を見る
こんな風にまた
そう思って立ち続けているうちに
月は沈んでしまった