敗北者のうた

散歩

　久しぶりに同級生に出会った夕方の歩道

　子どもが中学生になった話を聞き

　少し前に同窓会があったという話を聞く

　また会おうねと言って去る後ろ姿を見送り、溜め息をつく

　また会いたいと思えない自分に、嫌気がさした

　本当は向こうも別にまた会いたいなどとは思っていない

　わかっているけれど

　そんなことを思う自分にも嫌気がさす

　出会う前より暗くなった空を眺める

　まだ明るさが残る西の空には細い月

　星が凍える東の空

　数回呼吸をする間、眺め続ける

　それからまた、歩き出した

　誰かに会いたいような

　誰にも会いたくないような

　ふわふわと定まらない心のままで