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0番ホーム5番ホーム
休日、家にいると仕事の呼び出しがある
だからなるべく留守にする
片道一時間半かけて京都駅まで歩く
入場券を買って
故郷へゆく列車が入る0番ホームへ
ベンチに腰掛け
近寄ってくる鳩を眺めた
駅の売店には押し寿司やビール
温かいおでんの缶詰め
買う金はなく悲しく眺めていた
居られる時間ギリギリまでぼんやりと座り
故郷の方に走り去る列車を視界のすみに映した
仕事を終えてあまり遅くない時
駅へゆく
人の多い場所にゆくと
独りだなと思う
入場券を買い
売店で酒を手にいれ5番ホームへ
ホームをしばらく歩き
人の少ないベンチに座る
どこへも行けない時
駅のホームに佇む
あの頃は買えなかった安い酒を飲み
安いツマミを齧りながら
押し寿司は今も憧れである