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薔薇の都
今は薔薇の都と呼ばれるフラントロスの話を聞いたルーティス君。
早速その町に行こうとするが……?
薔薇が咲いた。
薔薇が咲いた。
真っ赤な薔薇がたくさん咲いた。
抱えて贈ろ、みんなに贈ろ。 あなたもわたしも憎いあの人も。みんなみんなに贈ろ。
ハクション、ハックション。
そして倒れて居なくなる。
~~童謡集マザー・リリーの歌『薔薇の都の歌』より抜粋~~
◇◇◇
「薔薇の都?」
とある街のカフェ、そのカウンター席で光を溶かしたみたいな白い髪に闇色の眸の。まだ八歳頃の少年、ルーティスが眉根を寄せて看板娘のお姉さんに話しかけていた。
「えぇそうよ」と、お姉さんは困ったように微笑んで、
「フラントロス、という都市はもうないわ。何十年も昔に『薔薇の都』なんて呼ばれるようになってしまったから……」
オレンジジュースを出してあげながら、そう答えたのだった。
「参ったね、その街に用事があったのに……」
むぅと拳で頬杖をついて唸るルーティス。
「ねぇお姉さん? その街ってここから北西方面だったよね?」
「そうだけど……。まさか行く気じゃないでしょうね?」
半眼で睨むお姉さん。
「まさかぁ」
はぐらかしてもルーティス君、行く気は満々である。
そう、行かねばならないのだから。
ちょっとシリアス・ダークなストーリーです




