八日目 赤色の夢
ふと、目が覚めた。
景色は一変。
真っ白な、太陽のない世界は嘘だったのかのように
・・・むしろ嘘だったのかもしれない。
町だ。
コンクリートのような材質の家、レンガでできた家。
賑わう街道、漂う人の体温。
体に貫くが如くの太陽の「光」
吹き抜けるが如くの風と、流れる雲。
可笑しい。
さっきまで俺は、超ファンタジーな世界で
俺より小さくて、俺より年上(自称)の「音羽」といたはずだ。
そういや・・・何かに当たって気を失ったんだっけ。
・・・我ながら「馬鹿」と叫びたい。
それはどうでもよくなった。
ここはどこだ。
音羽はどこだ。
俺はどうしたらいいんだ・・・。
「ふぅ…何とか逃げ切れたみたいね。」
・・・!?
「なによ…人が死んだような目で見ないでくれないかな…?」
「音羽・・・
お前、何でここに・・・」
「何寝言言ってるのよ。
あなたを護るようにいわれてきたのに、ここで私が先に消えるだなんて…悪いけれどまっぴらよ。
まだやりたいことだっていっぱいあるのに…」
そんな膨れっ面で名に言われてもな・・・
何もいえないじゃないか。
あれだな。
じっとしていればかわいい子供にしか見えないのにな、お前。
「お前…?何勝手に自分のほうが上のような呼びかたしてるのよ。
音羽と呼びなさい、音羽と。」
・・・はーいはい。
ちなみに呼び捨てでいいのも微妙なんだが。
「お前、って名前で呼ばれないよか全然マシよ。
名前で呼ばないのは、相手を馬鹿にしている証拠。
知らなかったのなら覚えておきなさい。」
きっぱりと音羽は言って、俺に背を向けた。
そのまま人ごみをずんずん歩いていく。
どうやら怒らせてしまったようだ。
「・・・音羽?」
「なによ。」
細くて折れそうな脚を止めて、振り向く音羽。
「何怒ってるんだよ。」
「怒ってなんかいないわよ。」
「嘘だね。」
「嘘なんかついたことないわ。」
「今ついたじゃないか。」
「馬鹿なことを言わないでくれる?」
・・・。
会話レベルが低い。
年取ってる(自称)はずなのに、レベルが低すぎる。
・・・まさか。
まさか、こっちの会話にあわせてるなんてことは・・・ないよな?
格好つかないじゃないか。
「それより、水が飲みたいなら飲んでくればいいわ。
ここのなら平気よ、幻影じゃない。
…闇商店はあるけれど。」
音羽はそういって、黙りきった。
話すことが無いとでも言いたいのか。
でも、まぁ・・・。
音羽がそういうんだ。安全だろう。
とりあえず、近くにあった露店で水をもらい(無料だった)、
音羽が消えたと思ったら、サンドイッチを手に戻ってきた。
久々の飯だ。うん。
「で、これからどうすればいいんだ?」
「逃げる。」
・・・は?
「どこへ?誰から?」
「レイフィル様の元へ。奴らから。」
淡々と、声音を変えずに音羽は語った。
・・・あぁ、そうかい。
理解なんてものは、到底させてくれないんだろうな、この世界。
「…なにため息なんかついてるのよ。
こっちが何万回でもやってあげたいくらいなのに…。」
余計なお世話だ。
大体・・・死ぬといわれて、はいそうですかわかりました。なんて納得するほうが可笑しいだろ。
それを拒否するために、訳も理解もわからず、異世界と呼ばれるようなファンタジーワールドに飛ばされたんだ。
そんな俺がため息ついて何が悪い・・・。
トマトに似た味のする、”緑色”の物体がスライスされたサンドイッチを腹に納め、
再び歩き出した音羽のあとをついていく。
どこまでが現実で、どこまでが「あっち」なんだか・・・。
もうまともな脳環境も崩れてきたっぽいな、こりゃ。
フッっと、声がした。
―――――――貴方ハ選バレタ―――――。
視界が・・・暗闇に切断される。
にぎやかな人々の戯言も、者を売り飛ばそうと声を張り上げている商人たちの声も・・・
すべて、なにかに掻き消される。
―――――――――――トゥリヴァルスヲ呼ブ為ノ生贄に――――――――…。
次の瞬間には
暗闇が・・・血のように・・・紅に、赤に染まった。
.
もう描く気力が失われてきています…(コラ
更新が遅くなろうとも、見捨てないでください…っ(無理です。




