平和 後編
「できたぞ。」
服や携帯食料の買い物をし、戻ってきたころには整備と銃のカスタムは終わっていた。
「撃ってみてくれ、自信があるんだ。注文した品もな」
そうすると店員は銃を渡してくれた。
「まずはラフィカから頼む。そこのレンジでな」
弾倉を取り出し、銃に装填しスライドを引いた。
「左手でも撃てるように安全装置や切替装置を両側から動かせるようにした。」
前に比べても少し見た目が変わっていた。
「さらに君の手のサイズに合わせてグリップを削りゴムを巻いた。これで安定感が増すだろう。」
両手でしっかりと構え、照準器を見る。
力を込めて握りしめ的をしっかりと狙い、引き金を引いた。
勢いよく三連射をし、薬莢が三つ飛び出た。
以前よりも反動が小さくなっていることを実感した。
「すごいな。上手く的にぶれずに跡がついてる。精度もバッチリだな。」
なかなかこの店主は腕利きみたいだ。
ちゃんとした店で本当に良かった。
「んじゃあ次はそれだ。マウスピストル!」
マウスピストルを手に取る。
「そいつはな他にはないカスタムがしてある。」
「はぁ。というと?」
「まず左利き用のカスタムと反動緩和カスタムだ。これだけなら普通だろう?」
「はい。」
「そいつはな良ーく握って見ろ。」
ボクは銃を握った。
すると銃口の下の部分が赤く光った。
「すごいだろ?赤外線照準機を付けたんだ。しかも内蔵!」
光は遠くまで光り、ちゃんと狙いがつけられた。
「グリップの安全装置をスイッチにしたんだ。その赤外線なら腰から撃っても当たる。」
弾薬を装填し、適当に構えずに赤外線に頼って撃った。
弾はきちんと狙ったところに当たった。
「ついでに両方とも消音筒が使えるように銃身にネジを切っておいた。そこに消音筒があるだろ?」
ボクは消音筒を手に取り、銃身の先に回してつけた。
「撃ってみてくれ。」
ボクは構え、的に撃った。
銃声はかなり小さくなっていた。
「良いだろう。いやあ良かったよ。」
「ありがとうございます。」
「ところでだな代金の話なんだが・・・・」
「なんですか?」
「タダでいい。良い銃を見せてくれた礼だ。」
「良いんですか?」
「ああ。がめついとしっかりとしたものが見れなくなるからな。」
その言葉を聞いてボクは店を出た。
この街は美しい。とっても。
ボクの故郷なんてカスにも見える。
でも本質は変わらない。ボクの故郷と変わらない。
大きなものに小さな群れは搾取される。
抗っても意味はない。
でも大きなものに小さなものが混じれば何とかすることができるかもしれない。
大きなものは小さく、小さなものは大きくいかなければならないこの世界がボクは嫌いだ。
「おい。」
考え事をしてる最中に話しかけられた。
「お前、上流の人間だな。」
「・・・・・・・・ええ。まあ「明日ぐらい」ぐらいからですけどね。」
「お前らのせいで俺の親友が今日の昼に殺された。関係ない子供までもがな。」
「だからボクは何もしてません。」
「俺は上流の物全員に復讐すると誓った。そう決めた。」
「だからって・・・・ボクはまだ子供ですよ。」
「そんなことは関係ない。例え明日からでも・・・・・」
彼は銃を取り出した。
「猟銃は人を撃つものじゃないですよ。」
「お前らはケダモノだ。そこら辺のイノシシよりも生きてて害だ。」
「そうですか。」
「出来ることならお前の生皮剥いで豚の餌にでもしてやりたいよ。」
「ところで、アナタの額赤くありませんか?」
「は・・・・・?」
その瞬間ボクは引き金を引いた。
男の額に45口径の弾薬が貫通する。
「・・・・・・・・・・・危なかった。」
ボクはさっきまで見ていたこの世界が危険に見えた。
復讐心に燃える気持ちは分かるが、狙うものが少しズレている。
このままここにいれば銃声のせいで警備が集まってくるだろう。