ピンク色の雪
大きな窓から眺める景色
いつもと変わらない景色
「中庭を散歩している人」
「花束を持ったお見舞いに訪れた人」
そんないつもと変わらない景色
ふと視線を上げると、空に架かる七色の橋
虹を見たのはいつぶりだろう。
綺麗に七色に輝き大空に橋を描く
虹の架け橋を渡り 病気の無い国へ
昔そんな絵本を読んだのを懐かしく思い出す。
懐かしさに浸っていると現実に引き戻すかのように強い風が吹いた……その瞬間
中庭に植えられている桜の木が揺れて
花びらが「ふわぁ~」と舞散り季節外れの粉雪みたいに、ピンクの花びらが雪のようにヒラヒラ舞い降りてくる
「わぁ……」
大きな窓から眺める景色
いつもと変わらない景色のはずが景色を変えた
虹の架け橋を渡った向こうからの贈り物なのかも知れない
私はナース服の裾をひっぱり、背筋を伸ばした。
銘尾友朗さまが、素敵なアドバイスをくださり最後の一行を加筆修正いたしました。
銘尾友朗さま、素敵なアドバイスを本当にありがとうございました。