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第七話 コウセン




気持ちの悪い森だ。森の中に脚を踏み入れた瞬間、ノゾミはそんな考えが頭に浮かんだ。

木々は高く葉は深く生い茂っていて、だが木々の間が狭いわけではなく人が時折通るのだろうと思わせる小道がある。三人は並んで歩ける様な、森にしては程々に広い道だ。未開の地という風では無く、想定していたよりも遥かに歩きやすい。

森の中に踏み込んだのは全部で五人。ノゾミたちに捜索の手伝いを依頼した魔法学校教諭のゲートとノゾミ、アユム、シュウの三人、それに行方不明になった生徒と同じグループにいたロングという少年だ。

森の中にここにいる五人以外に人影はない。だから森が静かなのは当然で、特に変な生き物がいたり、不思議な草花が生えているわけでも無い。極普通の森に見える。それに、シュウもゲートもロングも特に何かを感じている様子は無かった。


「どうしたん、アユム姉ちゃん?」

「うみゅ……なんかさ、変な感じがしない?」

「やっぱアユムもそう思うか?」

「うん、何て言えばいいか分かんないけど……すごく気持ち悪い」

「そうかなぁ……俺は何も感じねーけど」


アユムもまた何かを感じたのか、落ち着かない様子でキョロキョロと辺りの木々を見回してノゾミの手を握った。その手をノゾミはそっと握り返し、三人の前を歩く二人を観察する。

ゲートは先頭に立って慎重に足を進めていた。普段自信満々のシュウでさえ一人じゃ勝てない、と白旗を上げた吸血鬼が潜んでいるかもしれない以上当然だが、こういった危険な場所を進んだ経験があるのだろう。注意深く周囲を観察しながらそれでいて有事の際に生徒であるロングに危害が及ばないように庇いながら歩いている。

そしてロング。生徒が消える直前まで一緒にいたとして、ゲートが連れてきた生徒だが彼はゲートとは対照的に鼻歌混じりに歩いていた。黒いインナーの左胸には魔法学校の制服であるきらびやかな装飾が施され、インナーと同じ黒いズボンのポケットに手を突っ込んで適当に見回すだけだ。顔はニヤニヤとどこか人を小馬鹿にしているようで、正直なところ、ノゾミにはロングが真面目に探してるようには見えない。


「ゲートさん。やっぱり俺らが前に出た方が良いと思うんだが……」

「いえ、最初に言いました通りノゾミさんたちは後方の警戒をお願いします」

「だけど……」

「大丈夫ですよ。旅人の貴方がたからすれば頼りなく見えるかもしれませんが、これでも私だって人にものを教える立場の人間です。戦うのは得意ではありませんが、索敵は得意なのですよ」


金をもらっている以上仕事はキチンとこなす。その考えからノゾミはゲートの横に並んで進言するが、ゲートは険しかった表情を緩めてその提案を断った。


「ならいいんだが……」

「そうそう、アンタらは俺様に従ってりゃいいんだよ! ま、吸血鬼なんざ俺の魔法で一発だろうがな!」


そして横からロングが、よほど自分の魔法に自信があるのか不遜な態度でそう言い放った。


「ロングくん。貴方の魔法が優秀なのは認めますが相手は吸血鬼です。油断したらすぐやられてしまいかねませんよ」

「はっ! 口うるせえチキンだな。んな事は俺よりもつええ魔法撃てる様になってから言えよ」

「……そうですね。私では貴方には敵いませんからね。期待していますよ?」


とても教師相手とは思えない言い草でロングはゲートを小馬鹿にし、それ以上何を言っても無駄だと悟ったゲートはたしなめるのを止めてまた索敵に戻る。ノゾミもまた口を開くのを止めて二人の後ろで護衛に戻る。


「なんだよ、あの野郎! えっっっらそうに! コッチは手伝ってやってる立場なんだぜ!?」

「ゲートさんは良いけど、あのロングって子は感じ悪いよね。……ねえ、ノゾミくん?」

「何だ?」

「あの子、切ってもいいかな?」

「やめれ」何となく予想はできていたが予想通りのアユムにノゾミは頭痛を覚える。「突然何を言い出すかと思えば……」

「だってムカつくじゃない? ああいう人がいなくなれば世の中もっと平和になると思わない?」

「ああいう人間がいるから回ってる世界もあるんだよ。それに……」

「それに?」

「あのての人間を切ったら切った剣の方が腐る」

「ん。残念だけど、ならやめとこっか」

「二人とも存外に毒舌だよな……」


シュウのしみじみとしたつぶやきを聞き流しつつノゾミは前を見据えて考える。

ロングの口ぶりだと自分の魔法、特に雷系の魔法に相当の自信を持っているようで、それが実際にどれだけ役に立つかは分からないが、威力としては相当なのだろう。ゲートが反論しなかったことから、少なくともゲートの魔法よりは単純な威力として強い。ゲートが大人の対応をした可能性もあるが、一瞬ピクリと眉を動かしたその表情からしてロングの言い草はともかく内容として真実だとノゾミは思う。

だが実戦ではどうなのだろうか。役に立つのか立たないのか。創作の中ではこういった驕った人間は大抵真っ先にやられてしまうものだが、現実としてどうなのだろうか。まだ高校生であるノゾミにはそこは分からない。


「ともかく、アイツの言葉が嘘じゃ無い事を期待するか……」


言葉とは裏腹に期待を全く込めず呟いた。


「でも何でアイツを連れてきたんだろうな?」

「うにゅ? 行方不明になった子と最後に一緒にいたからじゃないの?」

「ゲートさんはそう言ってたけどな……」


本当にそうなのか。ノゾミは疑念を募らせる。

攻撃能力はあるのだろうが、ゲートからしてみれば本当は連れてきたくは無かったのではないか。ロングは相当な自信家のようで、それが過信であるとゲートは考えているのだと、先ほどの会話の中から読み取れる。それが分かっているゲートが進んでロングを連れてきたとは思い辛い。理由こそもっともらしいが、野外学習の場所は教師だからゲートも知っているだろうし、詳細についても聴取すれば事は足りるはず。ならばきっと、他の理由があるはずで。


(どっかから横やりが入ったんだろうなぁ……)


制服の装飾を見てノゾミが想像するに、きっと裕福な家庭、おそらくは貴族(この世界にそういった存在があるのかはノゾミは知らないが)に類する家系ばかりが集まっているのだろう。そんなお偉い貴族様から何らかの指示が出たか、もしくは自信家のあの坊ちゃまが家族に腕を示す目的でゲートにゴリ押しをして参加してきたか。

そんな推測をしながら歩いていると、前の二人が立ち止まる。


「着いたぜ。ここがアイツと最後に話した場所だ」


そこは、それほど広くは無いが森の中ということを考えれば十分動き回れる程度の広さを持った空間だ。あちこちの樹の幹にいくつか切り刻まれた様な痕が残っていて、ノゾミが近寄ってみると少しだけ血の跡が地面の草についていた。


「貴方は……! また勝手に生徒同士で戦ったんですか!?」

「おいおい、待ってくれよ。これはユリウスのヤツが勝手に突っかかってきたんだぜ? 後で他の奴らにも聞いてみろよ?」


ゲートが怒りに声を荒げるが、ロングの方は飄々とした態度を崩さない。ニヤニヤとした笑みを崩さず、その様子がノゾミの知る誰かの姿と重なってノゾミを苛立たせる。


「おおかた、ユリウスくんがそうするように貴方が仕向けたんでしょう?」

「憶測で話すんじゃねえよ。んな証拠がどこにあるっていうんだ?」


そう言われるとゲートも反論の術を持たない。悔しそうに口を歪めると、ロングの方は勝ち誇った様に笑った。


「それにゲート先生、さっきからアンタ、俺にそんな口を聞いて良いと思ってんの? 親父に言えばアンタ一人くらい……」

「そんな話はどうでもいいよ」剣の柄だけを取り出しながらアユムが遮る。「それでゲートさん、ここからどうするんですか?」

「何だよアンタ、邪魔すんじゃ……」

「うるさいなぁ」


心底うざったそうにアユムはため息をつくと柄に魔力を込めて刃を顕現させると、ゲートとロングの前から姿を消した。そして一瞬のうちにロングの背後に回りこむと剣をロングの喉元に突き付ける。


「この喉を切り取っちゃえば、少しは静かになるのかな?」


ロングの耳元でそっと囁き、少しだけ刃を喉に食い込ませる。ロングはその感触に小さく悲鳴を上げて体を強ばらせ、刃を当てた箇所からツゥと血が流れる。


「やめとけって。で、ゲートさん。ここからはどうするんだ? 別れて生徒を探すのか?」


ノゾミが制止し、アユムは少しだけ嫌そうに「ハーイ」と返事をしてロングの拘束を解く。ロングは喉元を拭って自分の血を見ると憎々しげにアユムを睨みつける。だがアユムが剣に込める魔力を上げて光が増すと、ビクリと体を震わせて這いずりながらアユムから離れた。


「えっと……そうですね。ここからは二手に別れて、もう少しだけ奥に向かいましょうか」

「どうして?」

「吸血鬼は非常に慎重で注意深い生き物です。最初に襲った場所では決して最後まで血を吸い尽くすことはありません。獲物の気を失わせるとまずはその場を獲物と共に離れて、ある程度安全だと確信できたところで、対象の血をゆっくり吸っていきます。特に人間の血は美味ですからね。余程の事がない限り安全を確保しないと吸わないでしょうから」

「へー。よく知ってますね」

「そうでもありませんよ。王都の書庫にでもいけば載っている程度の知識ですから」

「んじゃさっさと別れて探そうぜ。どう別れんだ?」

「お、俺は一人でいい!」


グループ分けをしようとシュウが促すのとほぼ同時にロングが悲鳴めいた声で叫ぶ。


「こんな平民風情なんかと一緒なんて嫌だからな!」

「そうですか……なら私と一緒で構いませんか?」


怯えの混じった表情でアユムを見たロングに、ゲートはそう提案する。すると苦虫を噛み潰したように顔をしかめるが、横目でアユムとゲートを交互に眺めると渋々うなずいた。


「では……」

「待てよ。俺らは護衛として来てるはずだが、それでいいのか? せめて俺かシュウが一緒に……」

「さっさと行こうぜ、ゲート先生」


ノゾミの制止も聞かずロングは森の奥へ歩き始め、教師であるゲートを強引に引っ張ってまで立ち去っていく。ゲートは引っ張られながらもノゾミたちに一礼するとロングと一緒に森の中へ消えていった。

よほど一緒にいたくないのか。こちらが悪いのは分かっているが幾分寂しくもある。恨みがましい視線をノゾミはアユムに向ける。


「やり過ぎだ、アユム」

「あ、はははは……」

「まあいいじゃん。正直俺は胸がスッとしたぜ?」


シュウの言葉にノゾミは内心で頷く。嫌いな奴を彷彿とさせるロングは最初から気に入らなかったが、最後まで嫌な奴で良かった。


「うにゅ……でもこれで護衛の報酬は無しかなぁ……ノゾミくん、ゴメン」

「いや、別にいいさ。吸血鬼が本当にでると決まったワケじゃないし、特に金が欲しかったワケじゃないからな。前金分があれば十分だよ」

「そうなの? それじゃどうしてあんなにお金を要求したの?」

「あー……」


アユムの質問にノゾミは言いづらそうにシュウを一瞥すると、頭を掻いた。


「なんか話の流れ的に俺らが行くのが当たり前みたいになってたからな。それが癪に触ったというか……」

「でもよ、困ってる人がいたら助けるのが当たり前じゃんか?」

「それはそうだけどな、周りの奴らに勝手に決められるのが俺は嫌なんだよ。心底ムカツクんだ。俺だって困ってる人がいたら、手助けできるなら金なんか無くても助けたいと思う。けど、どいつもこいつもそうするのが当然のような態度をしやがる。誰かの為だけに動きたくないんだ」

「ひねくれ者だね」

「かもな」


話は終わり、とばかりにノゾミは二人より一歩前に出て、ゲートたちとは逆方向の森へ歩き出す。残った二人も顔を見合わせると小さく肩を竦めて、ノゾミの背中を追いかける。

と、ノゾミの頭の上に姿を消していたアルルが、アユムの肩にはユンが姿を現す。


「どうしたの?」


アユムがユンを見て話し掛けるが、ユンはアユムに背を向けてゲートたちの方を向いたまま警戒するように低く喉を鳴らした。ノゾミもアルルを抱え上げて顔の前にもってくるが、アルルもまたユンと同じように森の奥を振り向いたままだった。

と、アルルがノゾミの手を離れて宙に浮かぶ。ユンはアユムの肩から飛び降りて小さな牙をむき出しにし、今にも飛びかからんばかりに身を低く構えた。

その時。

――ドガンッ!!

轟音が背後から響いた。

ノゾミたちの足元がわずかに揺れ、振り返ればゲートたちが消えた森に立て続けに落雷の様に閃光が落ちて白煙が上がっていた。

三人は顔を見合わせる事なく同時に走りだす。加速は一瞬、すなわち到着も一瞬。すでに百メートル以上ゲートたちとは距離が開いていたが、森を駆けるという事実を感じさせない速度で、わずか数秒で落雷位置にたどり着いた。ノゾミたちほどの身体能力を持たないシュウだけが遅れたのはご愛嬌か。


「――いない」


アユムのつぶやきだけが森に吸い込まれた。落雷の痕は残れど、ゲートも、そして魔法を使ったロングの姿もそこには無い。荒れた森に奇妙な静けさが残った。


「みなさん」


声が掛かる。そちらに視線を移せば、腕を抑えたゲートがヨロヨロと森の奥から出てくる。


「何が――」

「ロングくんがさらわれました」


ノゾミの声を遮ってゲートが事実を報告する。その顔は苦渋に満ちている。


「おそらく……吸血鬼です。申し訳ありません……せっかく警告して下さったのに――」

「そんな事はどうでもいいから! それよりもアイツは!?」


シュウの問いにゲートは森の奥を指差した。


「ロングくんはあちらに連れて行かれました。まだ間に合うかもしれません」

「分かった! 兄ちゃん、姉ちゃん!」


ノゾミはシュウに向かってうなずく。吸血鬼の膂力がどの程度かは分からないが、人間一人を連れて移動してるのならそこまで速くは移動できないはず。ロングを探してその場を離れ、だが走りだしてまもなくロングの姿を見つけた。

ロングは一人で木の下に立っていた。フラフラと少しだけ左右に揺れ、駆け寄るノゾミたちに背を向けたまま。声を掛けても振り向く様子が無い。その姿に、ノゾミは違和感を覚えて脚を止めた。

アユムもまた立ち止まり、しかしシュウとゲートの二人はそのままロングの元へと駆け寄った。


「ロング!」


シュウが再度呼びかけるがロングから反応は返ってこない。


「ねえねえ、ノゾミくんさぁ」

「なんだ?」


シュウの後ろからゲートも追いかけ、シュウは返事をしないロングに手を伸ばす。


「ゲートさんなんだけどさ、なんで……」


ロングの肩にシュウの手が掛かる。ゲートはシュウにそっと手を伸ばす。


「なんで、腕を火傷してるのかなぁ?」


その声は世界を変えた。

ノゾミは銃を構えた。

ロングの幻は生気を吸い尽くされたミイラに変わる。

そしてゲートはシュウに噛み付いた。


「が……あ……!」


首筋に食らいつき、牙が突き刺さった箇所から血が溢れ出てそれをゲートは美味そうに吸いだしていく。ゲートの喉が鳴り、その度にシュウの体から力がゴッソリと抜け落ちていく。暗くなっていく世界。痛みが消えていく。シュウは自分がどうなっているのかが理解できない。理解したくない。だけども、何かが失われていく恐怖に涙が溢れた。

だが唐突に視界に光が瞬いた。それに続いて痛み。グラリと体が倒れ、しかし地面に倒れ伏すこと無く誰かに受け止められた。その手は暖かかった。


「シュウくん!」

「シュウ、大丈夫か? それとも死んでるか?」

「……勝手に殺さないでくれよ」


弱々しく応えるシュウ。立ち上がろうとするがひどく全身がだるく、力が入らない。


「ゲートさんは……?」

「大丈夫、ノゾミくんがぶっ飛ばしちゃったよ」


アユムが伝えた通り、ノゾミの銃撃によってゲートはシュウの元から遥か遠くへ弾き飛ばされていた。木をなぎ倒し、飛んでいった方角には一本の道が出来上がっている。


「でもまだ終わっていない」


ノゾミは冷静に二人にそう告げた。そしてその言葉を肯定する様に、森の奥から笑い声が響いてきた。


「痛い、痛いなぁ……これだけ痛い思いをしたのは久しぶりだよ」


そう言いながらククク、とゲートは低い笑い声を上げた。森の中から歩いて現れた端正な顔は、ノゾミの攻撃によって半分が吹き飛ばされ、だがそれを特に意に介した様子も無い。シュウは背筋に悪寒が走るのを堪えられなかった。


「お前が吸血鬼だったんだな」


ゲートの言葉に反応しながらノゾミはゲートの方へ数歩前に出る。


「いかにも。まったく、これまでうまくいっていたのについていない。本当に弱い人間ほど強者を苛立たせる存在は無いな」

「一応聞いておく。これまでも学校の生徒を襲っていたのか?」

「さてさて、人間ごときに応える義務など無いがこれだけ私を痛めつけてくれたその力に敬意を表して答えてやろう。答えはノーだ」

「なら、今まではどうやって生きてきたんだ? いかに吸血鬼だろうと、いや、吸血鬼だからこそ人の血を吸わずに生きる術など無いと思うんだが?」

「その通りだ。これまではあちこちを転々としていてな。方方で血を吸ってきた。だがな、知っているか? 味というのは人間によって違うんだよ」

「そんな情報は知りたくなかったな」

「つれない事を言う。まあいい。味の違いはわかれど、どの人間が美味いのか、それが分からなかった。数えるのも馬鹿らしいほど血を頂いてきて、ある日気づいたんだよ」

「……魔力か」

「ご名答。よく分かったな」

「お褒めに預かり恐悦至極、と言いたいところだがな。よく聞く話だ。ああ、つまらないくらいに簡単に想像できる。感嘆すぎて感嘆してしまいそうだ」

「ふむ。見たところ僅か十数年しか生きていないようだが、意外と博識だな。ますます気に入ったよ。

 話に戻ろうか。魔力の多い人間ほどその血は甘美だ。それに気づかせてくれたのは恐らくは王都の魔法使いだったのだろうな。素晴らしい味だった。そして自分で呆れ返ったよ。自分はよくこれまであんなにも不味い血で我慢していたなと」

「それで魔法使いが集まる魔法学校に教師として潜入したのか」

「いい案だろう? 自分で言うのも恥ずかしいが、これでも貴様ら人間より遥かに長く生きている。無論、魔法の知識も実力も人間どもよりも遥かに優れていると自負している。しかもこんなナリだ。人間風情の社会に混じって生きていくのは屈辱的だが、擬態して生きるのは難しくなど無いよ」

「そう言う割にはあっさりと今回はバレたようだが?」


馬鹿にしたように、挑発するようにノゾミは言い放つ。言いながら横目でチラリとアユムとシュウを見遣った。


「嘲るなよ、人間」


ゲートは眉根を寄せてノゾミを睨みつける。そしてすぐに肩の力を抜くように息を吐き出す。


「貴様らはすぐに群れるからな。仕方ない、脆弱故に群れなければ生きていけないのだから。だが、あんなにもすぐに大騒ぎになるのは予想外だったのは認めよう。群れを成した貴様らは強敵だ。人が集まる前に処理をするつもりだったのだがな、さすがは魔力を持つ人間だ。それとも可愛い可愛い私の生徒だったからかな? 最初に頂いた生徒に抵抗されて少々手間取って、周囲に知れ渡ってしまったのは私の失態だ」


そこで言葉を区切ると、ゲートは膝をつく。ボコリ、と削り取られた顔の断面が泡立つ。肉が瞬く間に盛り上がり、元の顔がそこに現れる。

そして両手を地面に叩きつけるように触れた。

同時に、森が景色を変えた。木々の枝が急激に伸び、地面に生えた草花が複雑に絡み合って巨大な壁を作り上げた。壁は、ジリジリと距離をとり始めていたアユムとシュウの二人の行く手を遮る。


「貴様らは逃がしはしない。仲間を呼ばれると面倒だからな。それに、貴様は特に血が美味そうだからな。そこのガキでさえ、一息には吸い尽くす事ができなかった。大層美味だったぞ? だからまだまだ吸い足りないんだ。もっと私に血を! 魔力を! 快感を与えろ!」


叫び、ゲートは空を仰いだ。


「このまま三人とも世界から消えてもらおうか。あの子と一緒に」

「お断りだ」


木々がノゾミを襲う。四方から枝が伸び、地面から根が突き出して、その一本一本が鋭く尖った槍の様。しかし、ゲートが枝葉を操れる事は分かっていた。余裕か油断か。予め分かっていた攻撃を避ける事は、今のノゾミには難しくない。

避けると同時に低く飛び出したノゾミは発砲。アルルは姿を消し、ノゾミの体に溶け込んでいく。幾度と無く引き金を引くことでノゾミはアルルの役割を知っている。銃を扱ったことのない自分がこれほど正確に狙いをつけられるのは彼女のおかげだと。アルルの『加護』を受けた光弾は、ゲートへ狙い通り吸い込まれていった。

ゲートの胴に光弾の数だけ穴が穿たれる。ノゾミの位置からも奥にある木が見えた。


「無駄だ」


だがゲートは短くノゾミに告げた。ノゾミの攻撃に対して何の影響も感じさせず、次々と鋭く枝を突き出していく。


「私に貴様の攻撃は一切効かない」


穿たれた穴が一瞬で塞がる。傷跡も何も残らない圧倒的回復力。破れた衣服だけが、攻撃が現実にあったことを示す。


「そして」


ゲートは言葉を区切り、全身に力を込めた。それに伴い風がざわめく。森が悲鳴を上げる。濃密な魔力がゲートから溢れ、世界を書き換える。


「な……!」


ノゾミは眼を疑った。信じられない面持ちで眼の前の現実を――五人のゲートを見た。


「弱者は強者には勝てない」


五人のゲートが一斉に地面を蹴る。人間よりも遥かに優れた身体能力。ノゾミとゲートの間にある距離など、瞬きする時間も与えずに詰めてしまう。それが五人同時にノゾミ目掛けて悪意と敵意と殺意をみなぎらせて迫ってくる恐怖。


(まやかしだ……)


だがノゾミは『ノゾミ』であって『希』では無い。現実世界の無力で大きな力に従うだけの存在では無い。

怯えるな。冷静であれ。あり得たい自分の姿を思い描け。

言い聞かせ、迫り来るゲートの姿を落ち着いて捉えると、ノゾミもまた一瞬で手の中にある銃の姿を変える。

回転ドラムを備えたガトリングガンを両手で構える。凶悪な破壊力を持つそれを軽々と持ち上げて掃射。ダメージは無くとも打撃という面では効果はあるはず。ゲートの突進力を止めるくらいはできるはずだ。

全ての個体が体に穴をこしらえて後退する。そんな姿をノゾミは期待した。


「無駄だと言っただろう?」


しかしそれら全ての存在が、光弾が着弾すると同時にまるで夢想の様に掻き消えた。だが声は聞こえる。どこから――


「上か!」

「遅い!」


すぐさまノゾミは気づいて見上げた。しかし鋭く伸びたゲートの爪がノゾミの頭目掛けて振り下ろされていた。


「なんだとっ!?」


次に発せられた声はゲートの驚愕だった。ザクロの様に頭を砕くはずだった爪は、果たしてノゾミには届いていなかった。

爪と頭の間には隔てる何か。空間には爪先を中心として広がる波紋。

そして頭上にはアルルの姿。相変わらずノゾミの頭に陣取る彼女は、短い手を懸命に伸ばしてゲートの攻撃を防いでいた。


「アルル!」


ノゾミの声に反応してアルルのシールドが消える。その下から現れるのはノゾミの構えるショットガン。轟音と共に弾き出された弾はゲートの上半身を抉り取りながら大きく吹き飛ばす。

地面を滑りながら肉片を撒き散らすゲート。しかしながらそれも致命傷には成り得なかった。


「まさか守護精霊まで一緒とはな……」


散らばった肉片は霧となって消える。代わりにまた新たな肉体が構成されて欠損部を埋めていった。


「たかが人間がどこでそれを手に入れた? どうやって従えている?」

「さてね? そういうのは本人に聞いてくれ」

「分からないか。まあそうだろうな。それはひどく気まぐれだからな。意図して従わせるなど不可能に近い」

「ホントさっきからペラペラと喋る奴だな。嫌いな人間様の中で暮らしていてしゃべる相手がいなかったから寂しかったのか? 弱者ほどよく吠えるとはよく聞くが、案外人間らしいところもあるじゃないか。あと、アルルを『それ』呼ばわりするな」


ショットガンを消して両手にハンドガンを構えてノゾミは嘲ってみせる。

ゲートの表情が変わる。歯を軋ませ、一際爪が長く鋭く伸びると怒りのままに叫んだ。


「ほざくなっ! 私を下賎な人間と同類と一緒にするのは許さんぞっ!!」

「あ、弱いってところは否定しないんだな」


その言葉にゲートは憤怒に顔を歪ませた。眼が血走り、破れたシャツから除く腕の筋肉が盛り上がる。


「もういい。人間にしてはよくやると思っていたが許さん。貴様は絶対にコロス。殺して殺して殺し尽くして全てを我が内に取り込んで痕跡を微塵も残してやらん」

「許す気なんぞ最初から無かったくせによく言う。狡猾で残忍とは自分で良く言ったもんだな。まあアンタがどうであれ――」


ノゾミは二丁の拳銃を握り直してゲートの頭に照準を合わせた。


「テメーにゃ負けねーよ」






全く以てキリがない。

アユムはそう吐き捨てながら湧き出るツタを剣で切り裂く。

ゲートが作り出した壁を切り裂くのは容易い。いかに吸血鬼によって操作されてるとはいえ、所詮は植物。モンスターでさえ一刀両断できるアユムの剣にとって何の障害にもならない。

だがそれが苦痛だ。何の手応えも無く、切る喜びさえ湧き出ない。加えて切っても切っても次から次へと生えてきてせっかく開けた壁をあっという間に修復してしまう。ならば修復よりも早く切り取ってしまえと思うが、地面からアユムたちを攻撃しようと根が伸びてきて、一箇所に留まるのを許さない。


「ほんっと、手癖が悪いんだからっ!」


また新たに切りつけて壁に穴が開く。そして根が伸びてアユムはその場から飛び退き、根を払えば壁はすでに修復後。なんという賽の河原状態。


「……アユム姉ちゃんって力持ちなんだな」

「そんな事言われたって、女の子は嬉しくないよっ!」


背負われた状態のシュウがクルクルと周る視界の中でボソリ、と呟いた。


「ゴメンな、俺がいたばっかりに足引っ張って……」

「気にしないの! 誰だってうまくいかない時はあるんだから、素直にお姉ちゃんに任せなさい!」


空中にいるアユムの脚を伸びてきたツタが捉え、巻き付くと地面に叩きつけようと強く引っ張る。アユムはそれに舌打ちすると剣でツタを切り裂き、猫の様な姿勢で着地すると、すぐさままた飛び退く。


「それに年下の子に頼られるのって、私好きなんだよ?」

「でもさ……」

「むしろシュウくんが私の背中にいる状況が堪らない。抱きついてくれてるその感触が幸せ! もう一生私の背中で生活してくれない?」

「……」


アユムの発言を脳内で消去しながら、シュウはノゾミとゲートの戦況を見守る。向こうも状況は均衡。ノゾミの攻撃はゲートにダメージを与えられないし、ゲートの攻撃はノゾミに届かない。いたずらに木々がなぎ倒されて森が開拓されていくだけだ。何かしらの変化が必要であることは経験の乏しいシュウにも分かる。

だが今の自分にその力は無い。体には全く力が入らず、魔力は空っぽ。ほぼ全てゲートに吸い取られてしまっている。まだロングみたいに吸い尽くされてミイラにされなかっただけ良かったのだろう。

せめて体だけでも動けば。

ノゾミやアユムの様な身体能力は無いし、それどころか魔力のないノーランにも負けてしまうような体力しか無いが、それでもアユムに重しを背負わせている状況からは脱せる。アユムをノゾミの援護に向かわせる事もできるだろう。その選択肢を自分が奪ってしまっている現況が歯がゆい。


「え、何?」


アユムが声を上げる。自分に話しかけられたのかとシュウは思ったが、そうでは無いらしい。アユムは攻撃を避けながらも、何も無い空間に話しかけていた。


「……分かった。何とかやってみる。こっちから仕掛けるからそっちで合わせてって伝えて」

「姉ちゃん、いったい誰と……」

「シュウくん」


壁際を跳ね回りながらアユムは、背中のシュウの名を呼んだ。どこかふざけた今までの様子は無く、やや固い口調で問いかける。


「ノゾミくんがね、一発どデカいやつをあの触手マニアの吸血鬼にぶちかましてやりたいんだって」

「兄ちゃんがそう言ったのか!? その話をいったいどうやって……」

「そんな細かいことはあと、あと! 話を戻すと、その為に少し時間を稼いで欲しいんだって」


わずかにシュウの心臓が跳ねる。


「そういうわけでノゾミくんのトコに行きたいんだけど、どうかな? 歩けるくらいには体力戻った?」

「……いや、正直言ってまだムリっぽい。寝返りがせいぜいって感じだな……」

「そっか、ムリかぁ……何か手段って無い? こう、急に回復する薬とか、後でしばらく動けなくなるけどしばらく無茶が聞くようになる秘術とかさ?」

「そんなのあったら初めから……」


言いかけてシュウの口が止まる。そして何とも形容しがたい複雑な表情を浮かべると首を横に振った。


「やっぱ無いよ。そんな都合のいい方法なんて」

「うそ。今言い淀んだじゃん? なんかあるんでしょ? 正直に言ってみ?」


そうアユムが促すもシュウはなかなか切り出そうとしない。避け続けるアユムの背中で迷いに迷い、その跳躍が五つを数える頃にシュウはようやく口を開いた。


「分かったよ。方法は、ある。あるけど一つ条件がある」

「何? 私にできることなら何だって協力しちゃうよ?」

「その足止め役、俺にやらせてくれないか?」

「……それはダメだよ。その役はお姉ちゃんとして渡せないな」

「頼むよ! お願いだからさ! 俺だって兄ちゃんの役に立ちたいんだ! 頼む!」


激しく揺れるアユムの背中にしがみつきながら必死にシュウは頼み込む。

背中ゆえにシュウの顔はアユムからは見えないし、避け続けるアユムにも会話をする以上の余裕は無い。

黙って攻撃を避け続けていたが、やがてため息混じりの吐息を吐いた。


「分かった。時間も無いし、そろそろいい加減ノゾミくんから催促が来そうだしね。いいよ、シュウくんの好きなようにやりなよ」

「アユム姉ちゃん……ありがとう」

「それで、私にも手伝える事ってあるの? てかどうやって回復するの?」

「アユム姉ちゃんは特に何もしなくていいよ。ただ……」

「ただ?」

「うん……その、後で怒って殴り倒してもいいからさ、この場は犬に噛まれたと思って受け流して欲しいんだ」

「え?」


何度目か分からない跳躍を行った直後、空中でシュウはアユムの顔を掴んだ。その仕草に驚いてアユムは振り向くが、更に驚愕に眼を見開く。

口の中に広がる柔らかな感触。唇から感じる温もり。


「っん……」


それがシュウから口付けられているからだとアユムは気付けない。荒い鼻息が顔に掛かり、アユムの呼吸もまたシュウに伝わる。

空中でシュウとアユムの位置関係が入れ替わる。シュウが下に、アユムが上に。アユムの唾液がシュウの口へと流れ込み、それと同時に感じる喪失感。それは初めて剣を使った時と同じ感覚だ。違うのは喪失感の強さ。剣を出した時に比べればわずかに過ぎず、だがそれ以上の衝撃がアユムの頭の中をグルグルと何度も何度も伝わっていく。


「姉ちゃん、ゴメン。後は頑張って避けてて」

「え? あ、うわっと!」


呆然としていたアユムは地中から飛び出てきた根に慌てて再度空中へ飛び退く。そしてシュウは自分の足で立ち上がり、アユムとは反対側に走っていった。アユムのつぶやきを背中で聞きながら。


「ファーストキスだったのに……」






「ええい、ちょこまかと!」


ゲートの苛立った声が聞こえ、それはこちらも同じだ、とノゾミは内心でつぶやいた。

二人の戦いは完全に千日手となっていた。互いに互いに対して決定打を与えることができない。終わらない不毛な戦闘を続けていた。

二人とも戦いを終わらせる瞬間を待っていた。ゲートはノゾミの魔力切れを、そしてノゾミはある瞬間を。打診はして、同意は得たけれどまだ望んだ動きは無い。しびれを切らしてしまいそうだ。それでもノゾミは、確実に終わらせるためにひたすらに耐える。耐えることには、慣れている。


「……そっか、分かった。アルル、しっかり捕まってろよ?」


しかるべき時が、来た。

アルルの耳打ちを聞き、自分の周りを飛び回る彼女に忠告すると、ノゾミは脚に力を込める。地面が抉れ、灰色の空へ高く跳び上がった。


「アルル、制御を頼む」


ノゾミは空を飛べない。だけど、二人なら飛べる。

アルルの補助でゆっくりと空を漂いながら、ノゾミは眼下の敵に照準を定めた。


「バカめ、空では動けまい!!」


焦ったか、とゲートは空中で動きを止めたノゾミを見て嘲り、自身も膝を曲げた。叩き落としてくれるとばかりに跳躍。するつもりだった。


「なっ!」


だがゲートの眼の前に現れたのは十を超える氷柱。

周囲を見渡せば、確かに魔力を吸い尽くしたはずのシュウの姿。


「いっけぇぇぇっ!! アイス プファイル!!」


シュウの号令と同時に鋭く尖ったそれらは次々とゲートの体に突き刺さり、体を地面に縫い付ける。

腕に、脚に、頭に。ありったけの魔力でコーティングされた氷の矢はゲートを抉っていく。


「ええい、小賢しい真似を!」


驚異的な回復力を誇る吸血鬼にとって、この程度などダメージにすらならない。しかし細く鋭い矢で地面に縫い付けられたゲートは、身動きを僅かな時間封じられる。

そしてそれこそがノゾミが待ち望んだ瞬間。膨大な魔力に気づいたゲートは青ざめた顔を空に向けた。


「サンキュー、シュウ、アルル」


二人に小さく感謝の言葉を告げたノゾミ。その腕の中には頭よりも大きな口径を持つ巨大な砲身。


「一部が欠けても復元する。なら、全部を同時に吹き飛ばしてしまえばいいんだろ?」


砲身に光が集まり、溢れて白く染まっていく。ノゾミの体から力が抜けていき、ゆっくりと降下しながらも照準器を覗くノゾミの視線はゲートを捉えて離さない。


「テメーにゃぜってぇ負けねーよ」


ノゾミは引き金を引いた。

濃密な魔力の塊が世界を切り裂いた。一本の白線が空から地上に伸びてゲートの体を飲み込んでいく。


「たかが人間がああぁぁぁぁっ!!」


断末魔の怨嗟を撒き散らし、やがて音すらも飲み込む。爆発も、轟音も無く静かに巨大な光線は光の粒子となって世界へ散っていった。後に残ったのは対照的に全てを飲み込むような底の見えないクレーターのみ。

それを見届けると、少しずつ落下していたノゾミの体が急速に加速した。空を仰ぎながら落ちていくノゾミだが、地面に叩きつけられる前に優しく受け止められる。


「我ながらナイスキャッチ! お姫様抱っこの気分はどうかな、ノゾミくん?」

「……疲れた」

「えー……もうちょっと反応しようよ? 恥ずかしがって暴れるとか王子様の感触を堪能するとかさ」

「んな元気ねーよ」


とにかく疲れた。ため息を吐きながらそうつぶやいてノゾミは眼を閉じた。


「えっと、ノゾミくん?」


声を掛けるも反応は無し。代わりに静かな寝息が返ってきた。


「もしかしなくても、私が背負って帰るとか?」


冷や汗を流しながらのつぶやきにも帰ってくる応えは無し。見れば、シュウもまた地面に突っ伏してスヤスヤと寝息を立てていた。

二人の様子を見てアユムは肩を竦めた。だが表情を緩めると腕の中のノゾミを見て微笑んだ。


「ま、いっか」


どっちを背負って帰ろうか。アユムにとって贅沢な悩みを抱いて緩みっぱなしの顔をしてアユムはシュウの方へと歩いていった。




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