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10月、キャバ嬢アンナ

キャバクラを題材にしていますが、至って純情なお話です。

おっ!可愛いじゃ〜ん!

歳いくつ?えっ、ハタチ?

若いのにセクシーだねぇ。

よしっ!決定!採用!

源氏名は……そうだなぁ

……

……

アンナ!

君は今日から“クラブ・ソレイユ”のアンナちゃんだ!








今日、キャバクラのバイトの面接に行った。

お酒は弱い。

男性も苦手。

だけどお金が欲しかった。

学校のみんなみたいに、ブランドのバッグやお財布を持ちたい。

美容室も月に一度は行きたい。

可愛い服もたくさん買いたい。

いい女になって、彼氏もつくりたい。


年頃の女の子なら、みんなそうでしょう?










こうしてクラブ・ソレイユのアンナになり1ヶ月が経つ。

苦手なお酒はウーロン茶で薄めて飲めばいいし、お客さんは私のことを可愛いと言ってちやほやしてくれる。

悪くない仕事だと思った。

そんな時。


「ねぇ、アンナちゃん。今度の日曜日、ヒマ?」


常連客の関さんから声をかけられた。50代前半の、体格のいいお客さんだ。


「おいしい中華料理の店があるんだ。アンナちゃんにも食べさせてあげたくて」

「日曜日ですか?う〜ん……たぶん暇だと思うんですけど、もしかしたら補習授業があったかも……」


私は学生なので、そういう誘いを断るにはいくらでも理由を作れる。

正直、お客さんと二人で外には出たくない。

学校の友達に見付かったら大変なことになってしまう。

それに、何をされるかもわからないし……。


「中華料理とっても食べたいんですが……予定がはっきりしたら教えますね」


関さんには以前から何度も食事に誘われているが、今まで一度もOKしたことはなかった。

関さんはいつも私を指名してくれるし、プレゼントもいろいろくれる。

とても良くしてもらっているお客さんなので、誘いを断ることに対し、罪悪感のようなものがあった。


いつものお礼ってことで……一回ぐらいはデートしてあげてもいいかな。




翌日、友達とランチを食べながらメールを打った。


“関さん、日曜日大丈夫でした!中華楽しみです(^O^)”

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