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真夏のキミと花火を見たかった【澤崎由奈 編】

僕は高校2年の危川彩。

去年は何もなく1年が過ぎ去ってしまった。

今年こそは終業式の次の日に開催される

花火祭りに女の子と一緒に行きたい。

そして最高の夏休みにしたい。


「えーそれでは文化祭委員やりたい人はいますか?」

「文化祭委員かぁ。あんな委員会、俺は反対だな。」

「なんでだよ田島。面白そうじゃないか。」

「面白そうだけどよ、なんか面倒な気がして嫌なんだよなぁ。」

「そうか。僕は面白そうだと思うけどな。」

「危川、お前やるのか?」

「うん、やろうかなって思ってる!」

「はーい、文化祭委員誰もいないのかー?」

「はい!僕やります!」

「おぉ!本当に言いやがったぜ…。」

「はいじゃあ危川とー、あと1人誰かいないか?」

「はいっ!私やります。」

!?

「上手くできる自信はあまりないですが、やってみます。」

「はいじゃあ文化祭委員は危川と澤崎に決定な!」

パチパチパチパチ。

「おぉ!危川よかったじゃねぇか!あんな可愛い澤崎さんと一緒でよ!」

「僕、澤崎さんとあまり話したことないからなぁ。」

「大丈夫だって!危川、頑張れよな!」

「うん、頑張ってみるよ!」

こうして澤崎さんと文化祭委員をやることになった。

澤崎さん、どんな人なんだろう…。


…。


「はい、文化祭委員の人はまず同じクラスの人と、どのような文化祭にしたいかを話し合ってください!」

この日は新しくなって初めての委員会の日。

澤崎さんと話すのなんて、久々だよ。

「彩くん、でいいですか?」

「あ、あぁ、そうだよ!」

「澤崎です、よろしくね。」

「あぁ、危川です!よろしく。」

「それで、彩くんはどんな文化祭にしたい?」

「そうだなぁ、こう、色々みんなが変われるきっかけになる文化祭になればいいかな。」

「みんなが色々変わる文化祭?」

「そうそう、例えば今気になってる人や好きな人がいる人が、文化祭を通じて、彼氏彼女になるような、そんなきっかけになる文化祭にしてみたいな!どうかな?」

「あははは!彩くんって面白いわね。」

「そ、そうかな?まぁ僕もそうやって文化祭を通してなにか変わるきっかけになればいいかなって、自分自身でも思ったりしてるんだけどね。」

「あはは!なおさら面白いわね。好きよ、そういう面白い考えを持ってる人。」

「好きだなんて、あはは、ありがと!」

こうして澤崎さんと文化祭に関して軽く話した。

大人しい澤崎さんだけど意外に話しやすかった。


…。


今日も放課後に委員会がある。

この日は教室でふたりきりの作業の日だった。

「文化祭の資料のまとめって、結構大変なんだな。」

「そうね、彩くん。」

「…。」

「…。」

「ねぇ、彩くん?」

「どうしたの澤崎さん?」

「彩くんは数週間前の初めての委員会のときに、文化祭を通じて、恋愛的なきっかけになるような文化祭にしたいって言ってたわよね?」

「う、うん。そう言ったけど…。」

「じゃあ彩くんは今気になってる人がいるわけだ?」

「えっ?!いや、いないけど…。」

「もしかして私だったり?」

「え、えぇー?!」

澤崎さん、すっ、鋭いな。確かにここ数週間同じ委員会で一緒にいる時間も増えたから、気になってはいたけども、鋭いな…。

「その表情は図星ってところかしら。」

「なっ、あ、ははははは…。」

「ふふっ。本当面白い人ね。さ、続きをやりましょうか。」

「う、うん、そうだね。」

こうして澤崎さんに、気になっていることがバレた。

澤崎さん、意外と鋭いな。


…。


あれから長らく月日が流れた。

澤崎さんには相変わらず

私のことが好きなんでしょ?とか

イジられながら委員会の仕事をしていた。

だけど僕にはなぜかわかる気がする。

澤崎さんもそろそろ意識している気がする。

なぜならこの前、キスをしたからだ。


…。


「ねぇ彩くん。」

「なんですか?澤崎さん?」

「委員会の仕事が終わったけど、この後暇?」

「え、暇だけど。」

「なら少しお買い物に付き合ってくれない?」

「買い物、別にいいけど。」

「じゃあさっそく行きましょうか!」

「う、うん!」

…。

「付き合わせてごめんね、ありがとう!」

「いやいや全然大丈夫だよ!その具材だと今晩はカレーかな?」

「そうね、カレーだわね。」

「なるほどね。ん?なんだこの雑誌、ページが開きっぱなしだ。」

「あら本当だわね、なんて書いてある?」

「え、えっと、き、キスは幸運を呼ぶだって。」

「え、え…?」

「気になる相手とキスをすることにより恋愛運をUPさせることが可能になる、だってさ。」

「ほ、本当にそんなことが書いてあったのね?」

「うん、ほら見てみなよ。」

「あら、本当だわ…。」

…。

「ならいいわよ。」

「え?」

「私だって、普段はおとなしいけど、やるときはやるって決めてるから。」

「え、いや、その…。」

「はいっ。」

澤崎さんは僕に唇を差し出してきた。

「早く…私も恋愛運を上げたいから…。」

「う、うん!わかった…。」

チュッ。

澤崎さんの体温が感じられるっ!

唇、柔らかい…。

「はぁ、しちゃったわね。」

「そ、そうだね。」

「商店街なのに、私たちキスしちゃったわね。」

「そういうことになるね。」

「…。」

「…。」

「ねぇ、彩くん?」

「なんだい澤崎さん?」

「もうしばらく私のことを気になったままでいて。」

「え?」

「いいから、そのままでいて。」

「わ、わかったよ。」

「うん、よし、それじゃあ帰りましょ。」

「う、うん…。」

7月1日、夏の始まりに僕と澤崎さんはキスをした。

夏祭りまでに恋愛運がUPすれば良いけど…。


…。


あれからまた長らく月日が流れた。

澤崎さんと僕はまた一段と仲良くなって

お互いに委員会の仕事を進めた。

そして今日はいよいよ終業式!

夏祭りに、澤崎さんを誘うぞ…!


…。


「お疲れ様澤崎さん!」

「あら、お疲れ彩くん!」

よし、今だっ!

「澤崎さん明日の…」

「彩くんって明日の夏祭り行く?」

「え?」

「ほら明日の夏祭りよ!行くの?」

「あ、あぁ、行くけど…。」

「なら一緒に行きましょう!その方が絶対楽しいと思うし!」

「だ、だね!じ、じゃあ一緒に行こう!」

「決まりだわね!じゃあ明日の18時現地集合で!」

「了解ー!それじゃあね!」

やった!やったぞ!

まさかの澤崎さんから誘ってくれるなんて!

奇跡だ!やった、やったぞー!

明日が楽しみだ!


…。


「お待たせ彩くん!」

「やっほー澤崎さん!」

「じゃあ屋台を見ていきましょうか!」

「うん!そうだね!」

…。

「この焼きそば美味しいわね!」

「確かに、美味しいね!」

「この唐揚げも!」

「美味しいね肉厚で!」

パキューン!

「はい!おめでとうー!」

「やった!初めて射的を当てたわ!」

「おめでとう澤崎さん!」

…。

「ね、ねぇ彩くん?」

「どうしたの澤崎さん?」

「いや、もう彩くんじゃないわね…。」

「えっ…。」

「ねぇ、私の彼氏…」

!?

「委員会がたまたま一緒になって、あれからからかったりもしたけれど、雑誌を見てキスをしたら、本当に恋愛運が上がって、今恋人になれたような気がする。もう同じ委員会の仲間って関係に、私、耐えられない…。彩くんのことが好きよ…!」

「僕もだ澤崎さん!あの時雑誌を見てキスをして、僕も今日こうやって思いを伝えられたのは

恋愛運が上がったからだと思うよ!」

「そうよね…。」

「ちょっと強引かもだけど、あの雑誌のおかげかもね。澤崎、いや、由奈!」

「…はいっ!」

「僕も澤崎、いや、由奈が好きだ!付き合ってくれ!」

「彩くん、いや、彩!わかったわ…!」

チュッ。

ヒュ〜〜〜〜ッ、パァ〜〜〜ン!

ふたりの恋の始まりの合図が

射的で取ったお揃いのキーホルダーと共に

今、始まった。


…。


あれから夏休みが明けて私たちは

文化祭に向けて準備をすることになりました!

私たちは、文化祭の前にとあるきっかけがあって

気になる人同士から恋人同士になったけど

これから文化祭でどのような進展があるか

それはそれでとても楽しみです!

さて、今日も彩と文化祭の準備があります!

文化祭当日、誰よりも幸せになってやるんだからね!


-END-

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