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苦いレモンの香り──この恋には、嘘がある  作者: 晴海凜/Sunny
6.対話と告白/大学時代の真実(朝陽視点)
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37 俺のこと、関係ある?

朝陽視点です。

いつものように同僚の東と昼食を共にしていたときだった。


「はあ、来月の今頃はもう白石さんいないのか〜……え?うそ、聞いてないの?」


その一言に、朝陽は箸を落としそうになった。

まるで、自分だけ知らない世界が急に動き始めたような、そんな感覚だった。

あんなにいつも隣にいたのに。

なんでもない日々の中で、何度も一緒に笑ったはずなのに――。


午後、朝陽はすぐに夕雨を捕まえた。

休憩スペースで、カップに紅茶を注ぐ彼女の背中に声をかける。


「本当に……辞めるの?」


夕雨は少し驚いたように振り返り、それからゆっくりと笑った。


「うん。前から、考えてたことだから」


「……なんで?」


「いろいろかな。疲れたのかもしれないし、そろそろ新しいこともしてみたいし」


夕雨は淡々と言い、また背中を向け、砂糖やミルクを入れていく。

気まずい沈黙が続いたのち、朝陽は言った。



「俺のこと、関係ある?」


夕雨は、振り向いたのち、目を逸らした。


「何かあれば、また連絡してよ」


その言葉は、確かに優しかった。


でも、それ以上近づくことを許さない距離感があった。


朝陽は何も言えず、その場に立ち尽くすしかなかった。



数週間後、夕雨は会社を去った。何もはっきりさせないまま、静かにいなくなった。

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