36 柑橘系かな?/夕雨が好きだった
朝陽視点です。
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翌日、朝陽は仕事の打ち合わせで、同僚の東とハーブ/アロマ専門店を訪れていた。
ふと、何かの匂いが漂っていることに気づき、東が口を開く。
「あれ、なんか焚いてんのかな。アロマ?
…柑橘系かな?」
そう言った東が朝陽を見ると、目を見開いたまま朝陽が固まっていた。
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金髪の青年が過去の店で、アロマのサンプルを何個も手に取っては仰ぎ、首を傾げては棚に戻していた。
「彼女さんへのプレゼントですか?」
声をかけられ、右を向くと男性の店員がいた。
「あ、いや、彼女ではないんですけど……」
朝陽は一番前の棚を指差す。
「そこのピンクのハンドクリームにしようと思ったんですけど、確か甘い香りは苦手って言ってたなあって思い出して…。」
それを聞いた店員は、一瞬考え、答えを思いついたように言う。
「でしたら…柑橘系かな?
女性はローズ系をお勧めすることが多いんですけど、甘いのが苦手なら、こちらのオレンジハーブのバームとか、あと…あ、これ。レモングラス。人気ですよ〜」
店員は、近くにあった香りのサンプルを朝陽に渡す。
朝陽は、その香りをかぐと、ハッとして笑みが溢れ、「これにします」と言った。
店員のレジ操作を待つ間、朝陽は考えていた。
夕雨に渡したら、これまでのことを謝ろう。
そして、好きだと伝えるんだ。
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「朝陽?…大丈夫?」
東の言葉で現在に引き戻される朝陽。
朝陽はようやく、夕雨が好きだったことを確信した。
しかし、素直にその気持ちを伝えることができなかった。
自分の中で未だに残る疑念や恐れが、言葉を封じ込めてしまう。
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後日、いつものように同僚の東と昼食を共にしていたときだった。
「はあ、来月の今頃はもう白石さんいないのか〜……え?うそ、聞いてないの?」
その一言に、朝陽は箸を落としそうになった。




