累計PV5000突破記念番外【未来の姿】
累計PV5000突破ありがとうございます!!
一応、今後は間隔を開けて番外編は掲載させていただきます。
本日のお話は未来の2人の依頼姿です(笑)
それではどうぞ!!
「リューリ!!一体、何してんだい!あーもう!!」
アリアが僕を怒鳴りながらも氷魔法で追っ手のならず者達を相手していて、僕の方にもアリアの魔法から逃れた男が斬りかかって僕も自身の剣で受け止めると、隙をついて蹴り飛ばし距離を取り炎魔法を放ち難を逃れた。
「いやー!焦った焦った!」
「焦ったのはこっちだよ!予定と違うじゃないか」
不満そうに尻尾をビタンビタンっ!させながら未だにぶちぶち文句を言っているが、その様子は………
「……昔と変わらないなぁ」
「なんだってぇ?!全く、ボサッとしてないで捕まってる連中を助けるんだろっ!」
感慨深く呟いた言葉に噛みつかれたが、苦笑いをして先を急ぐ。そう、今は攫われたエルフと獣人の子供達を救出している最中だ。
初めて出会ってから早10年。僕は23になって冒険者ランクもSになった。まぁ、ほとんどアリアのおかげで、家も昔と比べて伯爵家になったし、裕福にはなった。でも、場所は相変わらず、あの《魔素の森》に面していて国の防衛の一角をになっている。
こうして、僕が冒険者として好きに出来るのは、両親がまだ健在で、Sランク冒険者が少ないのも理由の一つだ。
「………居たよ。ただし、待ち伏せもされてるねぇ」
「そうだと思ったよ。合流するまでに数を減らそうとしたけど、規模の割には陽動で集まる人数が少なかったしね」
昔を思い出していると、アリアが地下に続く仕掛けを解除というより壊して地下通路をみつけた。
「それにしても、よく地下があるって気付いたね」
「あぁ、それは、こういうイベだと地下っていうのは定番だろ?それに、一応、幹部らしき奴を捕まえておどしっじゃない、お話をしたらあっさり話してくれたさ」
「…………脅したんだ」
「失礼な。お話しをしただけさ。ちょいと、牙を見せて唸りながら凄んだだけさ」
「あぁー……それは………恐かったろうなぁ。可哀想に……」
地下通路を下りながら問いかけると、アリアはなんて事ないように言うが、それを脅しと言わずなんなんだ。脅された相手に少なからず同情してしまった。
地下に下りると広がるのは、アリアの言葉を借りて言えば、定番の地下牢だ。
「………血の匂いもする。気をつけな」
「当然でしょ」
僕達は互いに目線を合わせ小さく頷くと一気に駆け出した。
先に走るアリアが奇襲として、相手の出鼻を挫くように大立ち回り。爪で切られたり蹴飛ばされたりと派手に暴れる脇で、僕はいつも通り依頼を遂行する。この役割分担も昔から変わらない。
だって、傍に居て巻き込まれるのもスプラッタを見るのも勘弁だからね。
暫く走ると、最初は空だった牢屋に首輪と足枷が着いた子供達が居るのが目に付き、声をかけた。
「遅くなってごめん!助けに来たよ!」
極力、恐がらせないよう笑顔で優しく声をかければ、最初は戸惑い怖がっていた子供達も遠くで聞こえる破壊音に気付き目に涙を浮かべて扉に寄ってきた。
魔法で鍵の南京錠を壊して子供達の枷もそれぞれ破壊すると連れ出す。そして、土魔法で作った偽壁の中に隠して次の牢屋に行き、先程作った偽壁へと案内。
最後に近付くと漂う血の匂い。気を引き締め進もうとしたらいつの間にかアリアが傍に近付いて来ていた。
「アリアさんや、もう終わったの?」
「ふん。口程にもない連中だよ。安心しな。殺しはしてないさね。……そうそう、アンタの土壁だけじゃ心配だったから念の為、私の結界もあの偽壁に張っておいたさ」
「わぁお、頼もしい限りで。その血汚れ姿を子供達に見られなくてよかったね」
「ぬぐぐ……全て返り血だ!後でちゃんと落とす!」
こう見えて子供好きみたいで、泣かれると普段の強さとかなりを潜めて必死にあやすから面白いんだけどね。
「血の匂いが充満してるねぇ。中は見たのかい?」
「………ダメだった。後でちゃんと埋葬してあげよう」
「………そうかい。アンタが気に病む必要はないが、供養はしてあげないとね」
この辺りの牢屋は空か子供達の亡骸しか無かった。罪もない子供達になんて非常な真似をするんだ。もっと早く此処に来れたらと後悔するが、今はそんな場合じゃない。
「っ?!あっぶな…!」
突然の土魔法が僕達を目掛けて放たれて来たが、間一髪、左右二手に別れて僕達は避けた。
「くそがっ!!商売をめちゃくちゃにしやがって、落とし前をつけやがれ!!」
「んなこと知らないっての!違法な商売してるのはどっちさ!!」
「うるせぇーー!!!テメェら覚悟しやがれぇ!!」
聞こえてきた怒声にこっちも先程の子供達の姿と助けられなかった命に頭に来て怒鳴れば、再び土魔法の乱れ打ち。普通なら近付けない。
でも、こっちにはそんなのお構いなしのアリアが居る。僕が頼む前に電光石火のごとく走り出し、闇魔法を無数に相手を突き刺すように放った。
そして、聴こえてきた断末魔の悲鳴と逃げ惑う残りのならず者達。当然、コイツらの相手は僕な訳で。
「逃がすわけないだろ!」
剣を抜いて魔力で身体能力向上させながら、剣には氷魔法を付与させると斬った側からならず者達は凍って絶命。生かす価値はこいつらに無い。証人は数人入れば充分だしな。
あっという間に辺りには静寂が訪れ、アリアは致命傷は避けているものの気絶しているリーダーらしき男を咥えて持ってきた。………ばっちいから止めなさいよ。それに、牙がくい込んで地味に痛そう。
「………終わったね。さぁて、子供達を連れて帰ろうか」
一味の連中はひとまとめにして縛り上げ、魔力封じのマジックアイテムである手錠を全員に着けると僕達は子供達を連れて避難予定の小屋へと行き、後は待機していた兵士に任せて依頼完了。
「さぁて、胸糞悪い依頼だったから、気晴らしに温泉にでも行くか!」
こうして、気ままに僕達は次の旅へと向かったのだった。
読んで下さった方々、ありがとうございます!
稚拙な文章で読みにくかったり、誤字脱字があったりすると思いますが、温かーく、優しーく見守ってくださいませ(笑)
感想、ご意見、誤字脱字報告など受け付けております。
本編共々、今後ともよろしくお願いします!!