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番外編【手合わせ】

久しぶりの番外編!!


長くなりましたが、今回の舞台のメインはリカルドとアリア!


 ガキィッ! ギンッ! ドガガッ!


 ライヘン家の演習場で剣の鍔迫り合いの音と魔法の爆ぜる音が時折発せられ子供の荒い息遣い、そして、指導者と思われる男性の声が響き渡る。



「はぁっ! っ……! はっ!『氷の矢』!」


「剣先の動きが単調だ! フェイント、カウンター、予測を常に怠るな! 甘い! 直ぐに魔法に頼り距離を開けようとするな!」


「っはい! やぁっ!」



 子供……もとい、リューリは指導者たる父親のリカルドの指導に土埃まみれになりながらも食らいつく。


 しかし、そこはまぁ、結果はご覧の通りかすり傷一つ付ける事が出来ないのが現状。


 あ、リカルドの剣気で『氷の矢』が相殺されてる。 ふむ、魔力を纏わせて剣士のスキル剣気を飛ばしたねぇ。 流石だわ。



「げぇっ! わっ、ちょっ!」



 予想外の事に対処が遅れたリューリは慌てて退避を試みるが、相殺された事により発生した風圧によりぶっ飛ばされ転がった。 あらぁ、今日はここまでのようだねぇ。



「ま、まだ、やれるっ……」


「はい。 ストップ。 今日はここまでだよ。 足ががくがくしてるし、魔力量の残りも少ないはずさね」


「うっ……。 はぁぁっ……。 魔力コントロールの為の溜めるって事しなければ、もう少し行けるはず……。」



 地べたに大の字で倒れ込んでいるリューリの傍に、家猫サイズの私は観覧席から降り立つとそのまま前足で無理矢理起き上がろうとするリューリの額に猫パンチをして押しとどめた。



「だ、大丈夫か? 少し厳しすぎたか?」



 先程までの厳しい声とは裏腹に、倒れたリューリを心配してリカルドは駆け寄ってきて、リューリの身体を抱き起こす。



「と、父さん、最後のアレなに?」



 リカルドは持っていたタオルでリューリの顔に付いた土汚れを拭っていたが、リューリの質問にきょとんとすると、苦笑いをした。



「あれは、剣士の固有スキル『剣気』だ。父さんは魔法は苦手だが、魔力が無いわけじゃない。 魔力を自分の剣に纏わせて一時的に擬似的な魔力剣にして強度を底上げするんだ。 そして、纏わせた魔力を放つ事で魔法を相殺させたり、強度のある物を斬ったり出来る。 初歩的な物だが、牽制したり、斬り込んだりする時に便利だぞ?」


「え"っ……」


「まぁ、お前の場合は魔法がメインだろうからあまり使わないだろうが、覚えていて損はない。 後で教えよう」



 リカルドの説明に顔をひくつかせて面倒という表情をするリューリ。


 私はそんなリューリの様子にため息をすると、リカルドの肩に飛び乗りリューリを見下ろす。 イケメンパパの横顔イイ! じゃなくて、いきなり私が飛び乗っても一切ぐらつく事無く、驚きはしたものの普通にしているリカルドがスゴい。



「いいじゃないか。 攻める手立てが幾つもある事は自身の生存率を上げる助力になるさね。 魔法だと近距離戦に持ち込まれた時の対処が遅れがちになる。 私みたいに爪とかがある訳じゃないが、魔力コントロールは出来て来ているんだ。今のリューリなら簡単に出来るだろうさね」



 そういいながら私は体力、魔力を少し回復させる『軽度回復』魔法をリューリにかけた。


 淡い水色の光がリューリを包むと、先程までの疲れ切ったリューリの表情が落ち着き、普段の様子になると立ち上がる素振りをしてリカルドの手を借りて立ち上がった。



「アリア、ありがとう!」


「別に構わないさね。 さぁ、次は見取り稽古だよ。 まだ、魔力は回復しきってないから休憩しながら私とリカルドの動きをよく見るんだ。 リカルド、剣気を組み込んだ動きを中心に。私に一つでも傷を付けたら何かしてやるさね」


「了解しました。って、何かってなんです?」


「何でもいいさね。 ただし、1回だよ?」


「うーん……。 出来る気配ないなぁ」



 苦笑いしつつも、息子の前だし、リューリの鍛錬だったので物足りないリカルドからすれば、本気でぶつかれる数少ない相手。 訛りそうな身体にはちょうどいい為、願ってもない事。


 そうなれば、リューリは心得たように頷き観覧席へと移動した。


 私はリカルドのイケメン顔を堪能したいが為に肩に乗っていたが、少し力を込めて距離を取る為に飛び降りる。



「さて、この姿じゃなんだからちょいと姿を変えるかねぇ」



 そう言って私はリューリを乗せて移動する時のライオンサイズまで身体を戻しては、リカルドを見据える。



「アリア殿。行きます!」



 その声と共にリカルドは剣を構え私に素早く突進しつつ斬りかかってきた。



「甘い!」


 ガキキィッ!!


 魔力を纏わせより長くした爪を出し迎え打ち、そのまますくい上げるように私が払おうとすれば、察知したリカルドは飛び退きざまに剣気を私の足に向けて放つ。


 私がそれを空中へとジャンプして避けるとすかさず体勢をリカルドは追うようにジャンプしてくる。


 普通なら人間と魔獣の脚力の差で届かないと思うが、そこはリカルド。きっちり魔力で身体強化した状態で下段から斬り上げてきた。



「はぁぁっ!」


「やるじゃないか!『炎の矢』!」



 数十本の炎の矢の魔法を出し迎え撃つ私。 数本を切り捨て私に迫ってきたが、残念。



「『炎風』!」



 風の魔法で先程の炎の矢を巻き込みつつリカルドを閉じ込め私は距離を取ったように地面に着地。


 リカルドはというと、魔力剣を自身を軸にして回転して払い、着地。


 互いに睨み合い次はこちらからとばかりに闇魔法『影の帯』でリカルドを拘束しようとするが、リカルドは瞬時に見分け最小限の無駄の無い動きで、走りながらこちらを詰めようとしてくるが、そうはさせん!



「『大地怒り』!」



 土魔法でリカルドの行く先々に地割れと槍を形成して行く手を阻みつつ『影の帯』で追撃。二重コンボだ!



「くっ! 演習場を壊す気ですかっ?!アリア殿!」


「ふはははっ! 後で直す!」


「チィッ!」



 土の槍と足場の悪さに動きが悪くなったリカルド。 詰められない距離に舌打ちをして目前に出てきた槍を剣気を放ち切り捨てる。


 一気に跳躍して私を飛び越えると、振り向きざまに勢いよく横薙ぎに踏み込み斬りかかってくるが……。


カッ!! ジャララッ!!


「闇魔法『鎖錠縛』所謂トラップ魔法だよ?」


「クッ……!」



 リカルドに巻き付くように、地面から紫色の魔法陣を輝かせ出現した鎖が動きを完全に止めた。



「勝負あり……だねぇ」


「はぁっ、はぁっ、はぁっ……。 負けました」



 私達は互いに戦闘の意思を無くすと鎖を私が消し、リカルドは剣を納めた。



「どうだい? リューリ。 参考になったかい?」



 私は土魔法で演習場の地面を直しながら観覧席に居たリューリに声をかけたが、返事がない。 あれ?


 私とリカルドは揃って首を傾げるとリューリの元に向かった。



「リューリ、どうした? 怪我でもしたか?」



 心配したリカルドが声を掛けるとハッとしたように私達を交互に見る。 どうしたのかねぇ。



「や、や、やり過ぎだーー!!! なに、2人ともあの速さ!! 参考どころか、目で追い切れないって!!」



キーンっ! リューリの怒鳴り声に思わず耳を塞ぐ私。 い、今、耳がぺしょんと倒れたよ。



「い、いや、あのな? 父さんも途中からやり過ぎかなぁ? とか思って来たんだ。 で、でもな?」


「父さん!! 剣気は分かったけど、本気になってたでしょ?! 演習場を壊す気?!」



 必死でリューリを宥めようとするリカルド。 今のうちにと私は姿を小さくして逃げようとする。



「アリアー? なぁに、逃げようとしてるのかぁ?」


「い、いやだねぇ。演習場を直しに行くだけだよ?」



 目ざとく私を見下ろすリューリ。 そんなリューリを前に冷や汗を流す私。


 この後、ものすごい轟音を聞きつけ慌ててやって来たリューリの母、イリスが演習場の状態を見て悲鳴。 そして、私とリカルドは仲良くイリスに捕まりこっぴどく叱られたのだった。

リューリくんも怒ると怖いですが、更に怖いのはイリスさん。どの時代でもどの家庭でも女性を怒らせたら行けません(笑)


後日談として、アリアとリカルドが手合わせしたのを聞いたゼルバじいさんがアリアと手合わせしようとしているのを目撃されます(笑)

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