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The Rampage 2021 - Sweet blood death dawn  作者: 冬野 立冬
パーティーの幕開け
10/72

3話 役者は着々と…


 ────よし、潜入は完了だ。


 ウィルはフロントに入ると一安心したのか、壁際のソファに腰を掛けた。

 それにしても周りと比べると自分の服は随分目立つ────


 ウィルが今羽織っているのは所謂(いわゆる)ミリタリーアイテム。軍物のジャケットであった。

 それに比べて周りは黒のスーツに華やかなドレス。

 嫌味はないとはいえ、今現在一文なしのウィルからしたら国民間の上下関係を見せられているようで何とも言えない気持ちになった。


 さらにはウィルの浮いた格好は勿論警察の目にも止まる。

 最初の検査だけで何故か周りがスルスルと抜けていく中、ウィルだけは15分も検査に時間を食われた。勿論一文無しのウィルに手荷物などある筈は無いのだが……

 最終的には関係性を聞かれたので、ハルネと同じ外国籍と言うこともあり「昔からの仲だよ……地元のな」と言うと、訝しげな視線を向けられながらもその場を通してくれた。


 ここまでは腹が立つ事が連続しているが、とりあえずウィルはそんな気を紛らわす為に目を瞑り、これから提供されるタダ飯に想いを馳せる。


 ────あぁ、どんなのが出るんだろうなあ……


 高級料理なのはまず間違い無いだろう。

 それがバイキング形式ともなれば最高だ。

 ウィルの顔には自然と笑みが溢れる。

 側から見れば目を瞑ってニヤニヤとしている男なので、近くに居た人々は自然とウィルから少し距離を置いた。

 そんな事など知る由もなくウィルは瞼の裏で妄想に花を咲かせる。


 ────今日はもう死ぬ程食ってやる……そしてあわよくばイベントとやらの報酬を掻っ攫い、それを売って母国に帰る。


 ウィルは緩めた顔を一瞬で引き締め、気を取り直す。

 さながら仕事モードである。


 ────まあ、とりあえず潜入できたのは良いが……


「そりゃ、省かれる奴も居るよな……」


 ウィルは目の前に溜まっている警官の群れを見てそんな感想を抱いた。

 どうやらウィルとは違い、招待状無しでこの場に乗り込もうとした人間がいたらしい。


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