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第七話 箱を届けて三千里



第七話

箱を届けて三千里



『届けてこい』


・・・・は?

それは突然の発言。

女王様が仕事に逃げ去った少し後、そいつは口を開いた。

ってエ?今なんつったコイツ。


『だからこれ届けてこいって』

「だからマイパラレルに侵入してんなって」

ドカッ

『がふッ!!』


ウサ野郎がその場に崩れる。

ザマー見やがれ合成獣が。


「あれ?なんて言ったっけ今」

『だから・・・っこれ・・・届けてこいって・・・・』


ウサ野郎が横っ腹を抱えたまま、震える手を差し出した。

その上には小さな小さな手のひらサイズンの包み箱。

白い箱に黒いリボンが巻かれた、いたってシンプルなプレゼントだ。


「本気か!?やめとけって!傷つくのはお前なんだぞ!!」

『何の話!!?ってかなんで青春モノ風!?残念だが俺に青い春は来ねーよ!!?』

「悲しいヤツめ・・・」

『えっ、ちょっマジで泣くのやめてくんね!?なんか悲しくなってきちゃったじゃん!!』


ウサ野郎が少し涙目で、座り込んだまま叫んだ。

いや、ホント同情を禁じえないね。大丈夫かおい。


「お前何歳?」

『?17歳』

「・・・・・」

『無言の哀れみやめろよォォォォオオ!!!』


ウサ野郎がもう泣きながら床に向かって叫んだ。そんなに彼女が欲しいか・・・・。

でもしつこいと彼女はできないんだぞ。


『っていうかな。これはある男に渡すもんだから。彼女とかいらんから。ついノリで色々言ったけど・・・・』

「え・・・アッチ系・・・・?」

『アッチ系!!?ドッチ系!?意味わかんねーよ!!とりあえずなんでもいいから届けてこいバカ!!』

「は?それが人にものを頼む態度か?届けてほしけりゃ有り金全部よこしな。いけるいける。ちょっとジャンプしてみ。小銭くらい持ってるってきっと」

『どこぞのヤンキーだテメーは!!しかもベタすぎ!!カツアゲベッタベッタじゃねーか!!』

「じゃあ土下座して、お願いします女王様ってほざいてみろ」

『Sかッ!!お前はドSか!!!第一もう女王いるから!!』

「だからなんだってんだ。お前の女王様は私だろーがィ」

『メンドくせッ!!こいつメンドくせッ!!!なんだよもう!!俺仕事山積みなの!

女王が仕事しねーから俺ほとんど寝てねえの!!次から次へ書類求めてくる兵士が借金取りにしか見えねえの!!なあ頼むって!

これ届けてくんなきゃ俺、アイツにマシンガンで穴だらけにされちまう!!まだやりたいことあんだよ!!龍が如くやりてえよ!

せっかくPS3買ったのにできねえのが虚しくて虚しくて死んじゃいそうなんだよ!!!』

「なんか一部作者の無念な叫びが・・・・」

『頼むって!!なあ!』

「あーっ!!もうわかった!悪かった!私が悪かったから!!」

『行ってくれるか!!?』

「行きます行きます逝きますーーーーーッ!!!!どこでも行きますからッ!!だから離せッ!!」






「・・・はぁ・・・・」


こんちわっス。私は今、例のブツを持って庭をズンズン進んでいます。

かわいそすぎるウサ野郎に代わり、私がこれをある人のところまで届けることになったのだ。

そのある人は、なんでも庭の奥の森のそのさらに奥にいるということで。

いや〜奥が深いねぇ〜。

・・・うまい!なんかうまいよ私!!

ってか庭の奥に森なんてそんなベタなもん・・・・・


「・・・あるのかよ」


目の前に現れた、不規則に立ち尽くす木々。

その隙間も深い緑が広がっていて。奥見えねぇー。

どんだけぇ〜!!・・・古い?

さて!手持ちのネタでスベったところで、森ン中入りますか!


ザクッ パキッ ザッ ザッ・・・・

「・・・・・」

バキャッ!!

「へ?」


大きな音がして、足もとを見てみる。

そこには真っ二つの太い丸太が一本。その亀裂の上に乗せられていたのは、私の足。


「・・・・・」


えーと。ここで読者様に一言申し上げます。

私・・・・太ってませんからッ!!!!

確かに平均よりちょっと上だけど・・・・え?それって太ってる?

なんでもいいけど太ってるって言わないで!!!

太ってるんじゃないの!!ちょっと重いだけで・・・・ハイそこォォォォォオオオ!!!太ってる言うなァァァァァ!!!!

ハーッハーッ・・・・もういいわ!!

なんで内心でこんなに疲れなきゃなんないの!!

次叫ばせたら鉄拳喰らわすからね!!心して叫ばせなさい!!


ザク ザクッ・・・・

「・・・・」


落ち着いたはいいんだけど・・・これ、いつ着くんだろ?

ってかこんな深い森で一人を探すなんてムリだろ・・・・。


ドガッシャァァアアアン!!!!

「いッ!?」


ため息をつこうとした瞬間、すぐ近くで大きな破壊音。

なななんだァァアァァ!!?戦争!?戦争か!?

やめなさい!世界平和のためにも!!イラクの子供が泣いてるわ!


急いでその破壊音のもとへ駆け寄る。

と、近づく度になにやら怒鳴り声がしてきた。

もっと走り寄って木々の隙間に目をこらし、その姿を探す。


タタタタ・・・・

〔・・・帽子屋が悪いんだよ!せっかく僕が婚姻届持ってきてあげたのにぃ〜!!〕

[黙り!誰が未成年と結婚する言うた!!まだ早いわ!ってかなんで婚姻届の存在しっとんねん!!]

〔うふふ〜♪ヤマネが教えてくれたんだ〜♪♪〕

[ヤァ〜マァ〜ネェェェエエエエ!!!!]

<ふぁあぁああ・・・>

[覚悟しぃ!!]


・・・・・・・。

なんか騒がしくて物騒な会話だな・・・・。

ついにその場所を見つけ、木の影からそおっとのぞいてみる。

そこだけ木がなく、レンガの床が広がっていた。広場みたいだなぁ・・・。

レンガの床には大きなテーブルクロスのかかったテーブルと、4、5つくらいの椅子が並んでいた。

そこに座る変わった格好の人物三人。

テーブルの上のお菓子をゆっくり頬張る小さな男の子。

その横で破れた紙を突き出して何か叫ぶお、男の子?かな?

その向かいに座って怒鳴るシルクハットを被った男性。

その手には・・・・マ、マシンガン??

うっそ・・・・!!


パキッ

「!!」

・・・ぴくっ

[誰やっ!!]

ジャカッ

ドガガガガガガガッ!!!!

「・・・・・ッ!!?」


銃弾が木の端や足元をかする。

ヤバイヤバイヤバイ!!!

なにコレッ!!なんのNG特撮だよッ!!!


チュンッ

「・・・・・・」


頬に伝う生暖かいもの。

そこから感じる熱と痛み。


「――――――っ」

くらッ


頭が真っ白になる。

視界がかすれる。意識・・・げん・・か・・・・・


ドサッ・・・



戦場のど真ん中


そこで 私の意識は中断された



・・・確かに ウサ野郎


お前の言う通りだった


これはマシンガンで穴だらけにされかねないよ・・・・・





















シロウサギ


元の世界に帰るため、本をひったくりアリスをつれてきた張本人(不可抗力)。

口は悪い方。唯一、女王には敬語を使っている女王の秘書。

17歳。彼女ナシ。誰かなってやってください(泣)。

顔はいい方。イケメンの部類。

好きなものはカフェラテ。

よくダムとディーの店に行く。

嫌いなものは猫。

さて、猫といえばヤツですねぇ〜。


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