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第五話 殺戮美女な女王陛下

ほんのちょこっとですが、流血場面がございます。

それほど表現はしてませんが、苦手な方はお下がりください。

大丈夫だという方、どうぞお進みください!!

第五話

殺戮美女な女王陛下




「・・・でけっ」


それを見た第一声だった。

まず、目の前にでんとあるでかくて綺麗な紋様の彫られた門。

だけどその口は堅く閉ざされていた。

そっれかっら、その奥にでかすぎて門からはみでてる巨大な城。

え、何コレ?何の儀式に使う城だよ。

サタン?サタン召喚ですか??


「うひょー・・・・」


とりあえず巨大な城に目を奪われながらも、少しずつ門に近づく。

・・・いや〜改めてデカすぎだね。

門番とかいないし・・・・。

どーしよっかな〜。う〜ん・・・・


「・・・入っちゃえ♪」


そう言って門を開けようとしたが、堅くてビクともしない。まぁ当然だわな。

と、門のはしっこに何やら小さいスイッチがあった。

・・・なんだコレ?

よくよく見たら・・・インターホン??

え?城にインターホン?どこのご近所だよ。

とりあえず押してみる。


「・・・・・」

ぽちっ

テレッテテレッテテン♪♪


死んだァァァァ!!!

なんか死んじゃったァァアアア!!!


ガチャッ

『・・・はい』

「ヒギャアアアア!!!ごめんなさいぃぃぃぃッ!!!!」

『・・・・は?』

ハッ


いっいかんいかん・・・・。

思わず罪悪感に押されて・・・なんか引かれてるっぽいし・・・・。


『えー・・・っと・・・・』

「あ、あのっ!少しお城に入りたいんですけど、いいですかっ!」

『・・・はい。いいですよ』


あ、あれっ?案外簡単に・・・・。


『どうぞ、お入りください』


なにやら嬉々としたような声とともに、低い重低音が鳴り響いた。


「なっ、なん・・・・」

ゴゴゴ・・・

「!門が・・・!!」


すごいすごい!!門が開いてってる!!

ってかどんだけ重い門だよ!風がうねってる!!


「え、えっと・・・入っていいんですか?」


私がインターホンに大きめの声で尋ねると、また少し嬉々とした声が返ってきた。


『ええ、どうぞ?』

「じゃあ・・・お邪魔しまーす」


気のせいかな?なんか嬉しそうに聞こえる・・・それに聞いたことのあるような・・・・

・・・気のせいだよね。

気分ルンルンで門の向こうへ足を踏み入れる。

門をくぐりぬけると、ゆっくりとまた門が閉まり始めた。


ゴゥンッ・・・

「わっ!?」

ブオオォッ


後ろから強風が背中を押した。

だからどんだけ重いんだよって!!

辺りを見回すと、そこはだだっ広い庭だった。

ふかふかの芝生の上に彩られた形様々な花。

だけど、芝生以外の花はみんな赤い色をして風に揺られていた。

まっすぐ見つめた先には、入り口であろう扉が開かれていた。

さっきの人が開けておいてくれたのかな・・・・。

親切に感じながらも扉へ向かいスキップしていく。


「ふんふふ〜ん♪」


こう広々とされてる庭を歩いてたら、懐かしいなあ・・・我が家を思い出すよ・・・・。

そんな感じに喜びに浸りつつ、扉を通り城内へ入ることができた。イェイ♪

浮かれてくるんっと一回転し、進もうと思ったのも束の間。


ジャキッ

「・・・・」


自分に向けられた無数の刃。もしくは槍の先。あ、どちらにしろ刺さったら痛いよね。

それを構える数人の兵隊姿の方たち。

・・・なん〜か歓迎されてないっぽい。


「え〜・・・あの」

「侵入者め!!ひっ捕らえよ!!!」

「へっ!?」


一人の兵の合図とともに、三人くらいの兵が私を縄できつ〜く拘束した。

きついし痛いし・・・いったいなんだってのよ!!


「・・・なんだ?子供ではないか」


悪かったなガキで。

けど残念。私はもう16だよ〜だ。


「一度、陛下に拝見していただくか」

「・・・陛下?」


一人の兵の言葉に、思わず想像が浮かぶ。

でも想像できる状態ではなかった。

・・・だって・・・・だって・・・っ!!


「俵担ぎすんなァァァァアアア!!!」

ザッザッザッ・・・


そうして私は女王様のおわす謁見室に連行された。




―謁見室―


「・・・・」

「女王陛下。この者が侵入者でございます。どうやら正門から入ってきたようですが、どうやって門を開けたのか・・・」


兵士さんがレッドカーペット(番組じゃねーよ?)にひざまづき、顔を下に向かせたまま言った。

私はというと、その兵士さんのななめ後ろで拘束されたまま座り込んでいた。

にしても、大きい部屋だな・・・・。

入口の扉からまっすぐ伸びた赤い絨毯。なかなかすわり心地がいい。

それから、その絨毯に沿って視線を走らせると、

なんと真っ赤なドレスを着た美しい女性が玉座に腰を下ろしているではないか。


「・・・・っ!!」


うっ美しすぎる・・・・!!

少し巻かれた赤黒く長い髪・・・鋭く輝く真紅の瞳。そして玉座が似合うその美貌!!

ああっ、女王様・・・・!!!

私が目をキラキラさせて乙女ゲージを上げていると、女王様がこちらを見た。


「・・・貴女が侵入者?ふふっ、可愛らしい侵入者も居たものね・・・・」

ズッキューンッ!!!

「ぐふっ!!」


じょっ女王様ァァァアアアア!!!!

あなたのお姿と声は心臓に悪うございますッ!!

ああ〜動悸が収まらん・・・・


「それで、女王陛下。この者の始末はどういたしましょう?」

「しっ始末!!?」


始末されちゃうの私!!

嫌よ!まだピークエ、魔王が倒せないんだからっ!!

あれのエンディングだけは見たいーっ!!!


「ふふっ・・・始末?始末なんてしないわ。こんなに可愛いんですから」


あなたの方が美しいデスッ!!


「しっしかし女王陛下!それではこの城に汚名が・・・っ」

ビュッ・・・


風を切る音が、目の前で響いた。

そしてすぐ後に聞こえた、なにかが切れる音。


ブシュッ!!

ピピッ

「・・・・え?」


頬に付いた、生暖かいもの。

目の前に広がった赤。

そして倒れる兵士の目の前に佇む、大鎌をもった美女。


「ふふ・・・私がいいと言ったらいいのよ。ここでは私が決まり事なんだから」


女王がいつのまにか、巨大な鎌を持ってクスクスと笑った。

なっ・・・何がなにやら・・・・!!


「・・・ねえ、貴女のお名前は?」


女王が血の付いた顔で美しい笑みを浮かべた。

うっ美しいけど・・・怖いっ!!


「あ、アリスです・・・」

「そう、アリス。ふふっ・・・可愛いのね。私はね、アリス。

小さくて可愛いものが大好きななの。だからアリスは私のお気に入りよ」


血まみれの美女にお気に入りとか言われた・・・・

嬉しいけど、どこか悲しいよ・・・。


『・・・あーあ。またこんなに散らかしたんですか?陛下』


後ろから聞き覚えのある声がした。


「だって仕方ないじゃない。この赤の方が綺麗だし、それにこの兵士ったら私のお気に入りを殺そうとしたのよ?」


女王がぷうっと顔をふくらませて言った。

その可愛さで人殺しが許されるのはあなただけです・・・・っ!!!


『へえ・・・陛下のお気に入りになったんですか?そのブス』

「・・・・」


・・・・ん?

え、今なんて言った?この人・・・それからもっと前に聞いた覚えのあるこの声・・・・。


「あら。私のお気に入りを侮辱すると、例え秘書の貴方でも切り裂いちゃうわよ?シロウサギ」

「!!」


ゆっくりとヤツの方を振り向く。

視界に入ってくる、白髪と整った、一見かわいくてかっこいい顔。

それから私にとっては最悪なその顔と長いウサギ耳。


「ウサ野郎・・・ッ!!!」

『よぅ。生きてたかブス』


にやにやといやらしく笑うクソウサギ。


「んもう!今すぐその口を閉じなさい、シロウサギ!でないとクビを切り落とすわよ!」


可愛らしく怒鳴る女王様。

ってか女王・・・クビっていろんな意味で切り落とせるよね・・・・。

うまくかけてる・・・。

ってかその前に・・・・


「歯ァ食いしばれクソウサ野郎ォォォォォオオオオ!!!!」

ダダダダダッ

『あっはっはっはっ。かかってこい、ブサイク』

「シロウサギ!覚悟しなさいっ!!」

ダダダダダッ

『えっえェェェエエ!?へ、陛下はかかってこないでくださいッ!!!』

「「死にさらせッ!!!」」

ドゴォオンッ!!!

『ぎゃああああッ!!!』



そうして私は、事の主犯であるクソウサギの捕獲に成功した。













捕獲しちゃいましたっ♪

さて、次回はどうなるのやら・・・・。

次のあとがきからは、キャラクター紹介をしていきます♪

では、また次回でお会いしましょう!

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