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第三話 天使と悪魔

第三話

天使と悪魔




こんにちわ〜♪

みんな元気ィ〜?

私はね〜元気じゃねーよ♪♪

そう、私は今暮れる途方もないくらい困ってるんだよ?

なんたって迷子!いや〜久しぶりだな〜迷子〜


「ダイピー以来かも〜だってあそこ広いじゃん?」


・・・さて、こんなとこでくっちゃべってたら日が暮れちゃうよ。

どーしたもんかな〜・・・・


・・・パキッ

「!!?」


今、確かに気配と音が・・・!!

まさか・・・クマ!?

恐る恐る木陰から、音のした方を覗く。ど〜っか食われませんよーに!!


「・・・・!!」


ダダッ


「ヘイそこの方!私とお茶しない?」

「・・・・・」


私は地面に膝をつき、告白ポーズでその言葉を吐いた。

だって嬉しかったんだもん。

クマじゃなくて、人間の、しかもカワイイ同い年くらいの男の子だったんだから!


「・・・・あの、」

「へぁ?」


男の子の不意打ちに、間抜けな声が飛び出た。

瞬時に後悔の波が押し寄せる。

ってか、この子かんわい〜。いや同じくらいの子なんだけども!!

あの憎きウサ野郎と同じ男なんだけども!!!

・・・かわいいから許す。

と、男の子がじっと私を見つめ、何か言いたそうにしていた。


「迷子・・・ですか?」

「ッ!!?」


一気に頭に血が登る。

顔が熱いのにすぐ気づく。

迷子とか・・・この年でハズい・・・・

まあ、実際そうなんだけども・・・

うつむいていると、男の子がにこっと笑った。


「よければ出口まで案内しましょうか?」

「え・・・ホント!?」

「女の子一人、こんな森に置いていくなんてできませんし・・・僕もちょうど帰るところだったんですよ」

「あ・・・ありがとう!」


男の子がさらに笑い、どういたしましてと言う。

天使?この子天使??背中に羽が見えるの私だけ?

しかもかわいいしさ。

何この子。欠点無しですか。

色々と感謝を感じていると、男の子が私の手を握った。


「・・・はぐれたら大変なので」

「・・・・!!」


っキャー!!

こんなかわいい男の子に手を握られるなんて・・・!!

死んでもいいッ!!いや、死ぬのはダメ!!!

言い遅れたんだけど・・・私の趣味はかわいいもの全般!!

人間だろうと人形だろうとかわいいのは全部好きッ!!

そんなわけで・・・私は今幸せなのです・・・・


「あの、お名前は?」

「へっ、あ、アリスですっ!!」

「ふふ・・・かわいい名前ですね」


かっ・・・かわいいのはあなたですよ〜!!


「えと・・・あなたは?」

「僕の名前はダム。よろしくね、アリス」

「へぇ・・・ダムはどうしてこんなところに?」


用がなきゃこんなところ誰もこないだろう。

ただでさえ薄暗くて、不気味で入り組んだ森なのだから。


「薪を集めに来たんです。町の近くじゃこの森しか薪がとれなくて・・・・」


ダムが片手の袋を差し出した。

確かに中には、たくさんの大小様々な枝が入っていた。


「アリスは、なぜこんなところにいたんですか?」

「・・・あ〜それはちょっとワケありで・・・・」

「ワケありですか・・・」

「ワケありなんです・・・」


ホントは言ってもいいんだけどね?

たぶん、あのウサ野郎のことしゃべりだしたら止まんないと思うんだよね。

ダムには迷惑かけたくないから言わないでおこう・・・


「ってゆーかさ。ダムと私ってそんな変わんないんだから、敬語しなくていいよ」

「えっ・・・で、でも、一応見ず知らずの人とは・・・・」

「いいからいいから!敬語の方がなんか落ち着かないよ。それに、もう見ず知らずじゃないじゃん?」

「・・・わかりました、じゃなくてわかった・・・・」


ダムが顔を少し赤くして私を見た。

かわいいな〜


「オッケー!・・・で、出口まだ?」


さっきからずっと歩いてるけど、広がるのは新緑の木々ばかり。

出口あんのかコレ。


「この森案外深いから・・・あ、出口見えたよ」

「やっとかぁ〜」


ダムの指さす先に、まぶしい光とレンガの道が見えた。

さらに進み森を抜け出ると、レンガの道が続く丘の向こうに町があった。


「あれって・・・町?」

「うん、そうだよ。クロックタウンっていう大きめの町なんだ。あそこに僕らの店があるんだよ」

「・・・僕らの店?」

「そうだ!アリスもおいでよ!まだ開店時間じゃないんだ」

「えっ、いいの!?行く行く!」

「じゃあ行こう!」


ダムがニコニコしてレンガの道を下りていく。

ダムってお店やってたんだ・・・僕らってことは、他にも誰かいるのかな?

楽しみだな〜!


レンガの道を下り終わると、そこには騒がしい町が広がっていた。

建物に挟まれた幅広い大通りに、たくさんの人々といろんな出店が立ち並んでいた。


「すっご・・・!!こ、これってなんかのお祭りかなんか?」

「あはは・・・アリスってば面白いこと言うね。こんなのは毎日だよ?」

「・・・うっそん」


ダムに連れられて人ごみを抜け、違う通りに出た。

あまり人は賑わっていないが、結構な人が行きかっている通りだった。

ダムがその通りの端にある、ひとつのお店に入る。

扉が開くと同時に、コーヒーのいい香りがした。

喫茶店かなぁ?かわいいお店・・・


「ディー!今帰ったよー!」


ダムがカウンターに向って声を張り上げる。

ディー・・・・店員の人かな?立派なお店だし・・・・


・・・だだだだだだ バンッ!!

「ダムッ!!!」


うるさい足音と声が、一気にカウンターの方から響く。

うっるさ!!誰よ!?


「ただいま、ディー」


ダムがにっこりと、慣れた様子で静かに言った。

ディーって・・・・

カウンターに身を乗り出した男の子をよーく見る。

目つきは悪いけど・・・ダムにそっくりの顔だった。


「え・・・ダム?」

「・・・ああ、ごめん。まだ言ってなかったね。この店は僕とディーでやってて、ディーと僕は双子なんだ」

「ふっ・・・双子??」

「おい、お前」


歓迎されてないムードの声が、確かに私に突き刺さる。

なんでしょ・・・・


「お前・・・ダムの何だ」

「・・・・は?」

「あのダムが敬語じゃない言葉で喋ってるなんて、俺以外で聞いたことねー!お前何者だ!!」

「え・・・あの・・・・」


べっ、別にそこよくない?

気にしないのが空気の流れじゃない??


「はぁ・・・ディー。アリスは僕の友達だよ。それ以外のなんでもない」

「嘘つけェ!!お前が人の名前に、さん付けしないのもおかしいし!お前の友達なんて聞いたこともないっての!!」

「・・・ブラコン?」

「テメーは黙れ!!そしてさげすんだ目で見るな!俺はブラコンじゃなくて弟思いなんだ!!」


・・・正反対の双子も居たもんだ。


「アリス、気にしなくていいからね。はい、コーヒー。疲れたでしょ?」

「あ、ありがとう」


ダムがいつの間にか、コーヒーの入ったカップを私の前の机に置いた。


「あ。そうだ、アリス。どうせ行くとこ無いんなら、ここでしばらく居たら?」

「えっ、いいの?」

「なっ・・・」

「全然いいよ。行くあてができるまで、どう?」

「ありがとう!助かる!」

「なっ、ちょっ待・・・・」

「じゃあ決まりだね」

「これからしばらく、お世話になりまーす!」

「俺は・・・っ許さんからなぁぁぁああああ!!!」

















第三話です。

自分でも想像してなかった展開に。

これからどーしたもんかなぁ・・・・。

まあ頑張ります!!


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