第十一話 シリアス騎士見参
今回かなり短いかも・・・
すんません!!
第十一話
シリアス騎士見参
「ふぁあぁああ〜」
カツ カツ カツ・・・・
眠い。そこはかとなく眠い。
ヤバいよ絶対寝不足だよ。
カツ カツ・・・
『あ。おいブス!』
ひゅっ・・・パリィィィイン!!!
『がッ』
・・・・?なんか今ちらっと妙なものが・・・・。
「・・・気のせいか」
カツカツ・・・
『気のせいなワケあるかボケェッ!!』
廊下のど真ん中で倒れていたものが、叫びながら勢いよく飛び起きた。
「ちょっと・・・寝るなら他でやってよ。通行の邪魔。」
『アレェェェエエエ!!?通行の邪魔にさせたのは誰かなァァァァ!!?城の大事なツボ俺にブチかましたの誰かなァァァアアア!!!』
「お前が勝手に倒れてたんでしょーが。人のせいにしないの」
『じゃあこの残骸はなんだよ!!ツボ明らかに粉砕されてんだろーがァァァアアアア!!!』
「女王様に言おーっと♪」
カッツカッツ・・・
『チクるなァァァアアアア!!!俺のクビぶっ飛ばす気かテメェェェエエエエ!!!!』
「朝っぱらからうるさいなぁ・・・で、私に何か用?」
ウサ野郎がはっとして我に返る。
今まで無意識に叫んでたのかこのキメラは。
『そうだそうだ・・・陛下が今すぐ謁見室に来いとさ』
「女王様が?」
女王様からのお呼び出し・・・なんか嫌な予感がしてならない。
「・・・絶対行かなきゃダメ?」
『お前に会いたがってたぞ』
「女王様ァァァァアアア!!!」
ドドドドドッ!!
「・・・単細胞め」
―謁見室―
バァンッ!!
「はっ・・・は・・・・」
巨大な扉の先には、いつもの麗しいお姿をした女王様ともう一人。
見たことのない赤黒いマントで身を包んだ人がいた。
「・・・アリス!」
女王様がパァッと顔を輝かせ、たかたかと私に駆け寄る。
「ふふっ、今日は貴女にも紹介しておかなきゃならない人がいるのよ」
「?誰ですか?」
女王様がきゅっと両手を握り、クスクスと笑う。
なんか凄く嬉しそう・・・。
「彼よ。・・・騎士、この子が例の少女よ。こちらに来て挨拶なさい」
「は・・・」
マントの人が私と女王様の前でひざまづいた。
フードを深く被って顔が見えない。たぶん・・・男の人。騎士だしね。
「女王陛下の護衛を仰せつかっている騎士。共に貴方様の護衛も拝命任まりました・・・」
騎士とか言う人がフードを下ろした。
そこから流れる赤い髪と真っ黒な瞳がすぐ目に焼きついた。
ただ気になるのが、左目に巻かれたほどけかけの包帯。
どこかで見覚えがあるのだけれど・・・忘れた。
「どうぞよろしく・・・アリス様」
「・・・・っ!?」
さっ様付けェェェェエエエ!!!?
「アリス!これからはこの人が守ってくれるから大丈夫よ♪」
「はっ・・・っえぇ!?何からですか!?」
「それは・・・・まあ色々と♪」
「省きましたね女王様!!メンドくさいからってなんか色々省きましたね!!?」
「騎士!私は今から仕事だから、アリスをよろしくね?」
女王がなんか色々スルーして奥の扉へ逃げて行った。
パタム・・・
「オィィィイイイ!!!またこのパターンかァァァァアアアア!!!!」
・・・これからどーしよ。
まず沈黙が重いでしょ?あとこの人のマント何。
この色は血か?返り血なのか?まったくこの世界にロクなヤツはいねえな。
え?私もかって?んなワケあるめーよ。こんな可愛い主人公他にいねえべ?
え?そんなしゃべり方する主人公もお前しかいない?あれ?それほめてんのか。オイ。
「・・・ねえ」
「カピバラァアッ!!?」
・・・・・・・。
カピバラってなんだァァァァアアア!!!
カピバラってなん・・・・ってかカピバラ言いにくッ!!噛むだろ作者ッ!!!
「なんっ、なんですかッ!?」
「あのさ、俺ああいうかたっ苦しいの陛下の前しかやらないから・・・もう普通に話していい?」
騎士さんが少し笑って言った。
・・・なんだ。案外話しやすそうなキャラでしたか・・・・。
「あ、うん。全然いいよ。ってかアリスでいいし」
「そう・・・じゃあ俺は騎士でいいから」
「じゃあ騎士さんで」
「ははっ、君と俺そんなに歳変わらないよ?」
騎士さんが爽やかスマイルでにこやかに言った。
あ〜なんかいるよね、クラスに一人こーゆー爽やか天然キャラ。和むというか、クラスのムードメーカーだよ。
「騎士さんはいつからここに?」
「俺?そうだな・・・ずいぶん前からここに居させてもらってるけど・・・・十年前くらいかなぁ?」
「へぇ〜じゃあ6歳くらいでここに来たんだ。最年少な騎士すぎる気がするけど・・・どうして城に?」
ぴくっ・・・
「・・・・・」
「・・・?騎士さん?」
騎士さんが動きも表情も止め、黙り込んだ。
・・・なんかあったのかな?え?もしかして一番触っちゃいけないとこに触れちゃった??
「まあ・・・色々とね」
「そうなんだ・・・えっと、じゃあその目は?ケガ?」
「ん〜・・まあ、復讐を忘れない為の傷、とでも言おうかな・・・・」
「そ、そっか・・・」
ダメじゃん!!全然ダメじゃん!!!なんっかコメディーがシリアスになってきてるじゃん!!!
ダメだよ!!この作者シリアスダメダメなんだから・・・・!!
「・・・じゃ、俺もそろそろ行くよ。仕事がまだ残ってるんだ」
「あ、うん、バイバイ!」
「うん、じゃあね」
バタンッ・・・
「ふぃ〜〜〜〜・・・」
ったく・・・この世界の奴らはホントに・・・・
「ロクなのいねえなぁ・・・・」
うわ〜シリアスだぁ〜。
でもコメディーを貫き通す!!・・・予定。
三月ウサギ
帽子屋大好きっ子。
男の子っぽい容姿だが、一応女の子。
好きなものは帽子屋。
嫌いなものはシロウサギ。
僕以外にウサギはいらないよっ!!
っていうのが理由。