ムスコール大公国 ウラジーミル
ウラジーミル(東端)
ムスコール大公国東端の州都ウラジーミルにちなんで名づけられた地域。白樺の森林が支配的になる森林群は、積雪と共生する為に適応した幾つかの特殊な生物が存在する。東方の生物群との混合も見られ、独特の生態系が存在している。
ウラジーミルにおける魔物の食物連鎖は以下のようである。
・コケ類・カバノキなど→エルク・レミング・ユキト →リュンクス・ティンクチャー・エンゲヅル・ハギウチ →ウルヴァリン・チグルス・オールリー
主な魔物
チグルス……体長150cm-250cmの大型肉食獣。ウラジーミル東端の比較的温暖な地域に出没し、巨大な餌を捕食する。黄色と黒色の縞模様がある体毛を持ち、耳は小さく、鋭い牙と爪を持つ。チグルスは猫の仲間であろうと考えられており、本来は、東方を中心とした暑い地域に生息するものと言われている。
チグルスはその鋭い爪を毛の中に収納することが出来、血縁者に対して触れる際には爪を引っ込め、手招きをするように触れる。
基本的には群れを作らず、単体で生活する。狩りの成功率は低く、大型の生物にも襲い掛かる。飢えたチグルスに近づくと、簡単に捕食されてしまうだろう。
繁殖期にのみ、子育てのために群れを作る場合がある。この群れも小規模な血縁者のみの群れであり、子供がある程度成長するとすぐに解散してしまう。
チグルスの狩りはかなり激しく、出会った生物―そこには同じチグルスも含まれる―に森の中に紛れてタイミングを計り、奇襲をかけて首を噛みちぎる。失血死した獲物を食べ、満腹になると木陰などに隠して保存する。
魔法は使うまでもないことも多いが、微弱な動魔法を用いることがあり、重力を若干調整し、獲物の動きを鈍くするためや、噛み千切った動脈の血の動きを一気に加速させるために使用する。個体によって魔力の生成速度が大きく異なる点も特徴であり、中にはヒトのように魔術不能も存在する。