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プロアニア ハンザ地方

 ハンザ地方

 北方プロアニアに位置し、ムスコール大公国南部地方と類似した生態系を形成する。また、寒さが非常に厳しく、降雪期間が長いため、擬態のために、夏毛と冬毛で色を変える生物が多い。環境が厳しいためか、他の地域に見られる生物の多くが見られず、独自の生態系を築く。


 ハンザ地方における魔物の食物連鎖は以下のようである。

 ・コケ類・マツ・シダ・ナラなど→ユキト・アクトーン →アナムジナ・リンネ →カリストー・アドラークレスト


 主な魔物


 ・リンネ……体長90cm-200cmのイノシシの様な魔物。体格は非常に多様であり、小さいものから大きいものまでいる。家畜化された豚よりも体格が大きく、長い牙を持つ。

 リンネは血縁者の異性のみで小さな群れを作る。そのため、雌を巡る争いは少なく、また、群れに所属している限りは別の群れの中には入ろうとしない。巣は作らず、縄張りは狭い。群れのリーダー同士は意思疎通を取りながら各々の縄張りを守っており、秩序正しく、知能が非常に高いものと思われる。


 集団は小さいが繁殖力が旺盛であり、一度の妊娠で10匹ほどを出産し、その内雌を雄が、雄を雌が養う。このように、繁殖の度に縄張りを分割しながら子育てをし、群れ内で繁殖する。群れと逸れるかリーダーの死亡により群れが解散したリンネは、新たな群れに編入する。ただし、編入するリンネは編入する群れのリーダーとは異性でなければならない。あらゆる環境に対応する。寒冷地域であっても、温暖な地域であってもよく目にする魔物種であり、ハンザ地方に限らず、家族で他国まで移動する例は少なくない。これは、縄張りの分割が多いリンネ特有の生態であり、他種には見られない。

 このように、同種間では穏やかな性格のリンネであるが、獲物を見つければ急変する。一直線に被食者に突っ込み、その股や首に頭突きをすると、牙を肉に食い込ませて一気に放り上げ、地面に叩きつけた、弱った獲物を捕食する。敵が弱るまで何度も突き上げを繰り返すため、リンネに襲われた死骸は無残な肉片に変わり、地面には点々と血をまき散らす。

 捕食者に位置するアドラークレストでさえ、子供の個体以外は滅多に狙わないため、リンネはハンザ地方に広く分布する。


 魔法は越冬の為に利用する。通常の動物は越冬の為に冬眠をする場合があるが、リンネは魔術肝と呼ばれる肝を発熱させて体温を保ち、冬眠中の獲物を狙う。この魔法によって、冬だけは捕食者と被食者が逆転することがある程である。


 人間とのかかわりとしては、リンネは家畜化した豚、魔術肝の肉詰めがプロアニアの名産となっているスゥスゥの原種とされる。また、リンネ自身も冬の緊急食糧として役に立つため、旅人の間では「リンネを屠殺できれば一人前」と言われる程、重要な魔物と言える。


 ・アドラークレスト

 体長120cm前後の大型の鳥。アドラークレストを捕食する種はおらず、ハンザ地方では生態系の頂点に君臨する。ベルクートによく似た姿と生態をしているが、頭には冠の様な飾り羽があり、ベルクートよりも一回り大きい。また、より明るい赤褐色の翼を持つ為、「バルバロッサ(赤髭の王)」の異名を持つ。

 頭上の冠の様な飾り羽の用途は不明であるが、雌を呼ぶためのシンボルではないかと考えられる。

 子育ては樹上の巣で行い、ペアと生涯を共にする。産卵は平均して1ペアにつき2-5回であり、繁殖力は低い。非常に子育てに熱心であり、子供の独り立ちまでは、巣に近づく他の動物を激しく攻撃する。

 そのため、雌を巡る争いは非常に激しく、相手が死ぬまで先端の嘴と鋭い足の爪で滅多刺しにする。

 狩りは雄の仕事であり、雄はその冠をはためかせ、空を自在に飛び回る。森に響き渡るアドラークレストの甲高い鳴き声を聞くと、他の生物は一斉に逃げだす。


 魔法は、概ねベルクートと同様であるが、特徴的な魔法として、体温を瞬間的に引き上げ、雪を溶かす魔法を使う。雪の中には獲物の動物が隠れていることが非常に多く、奇襲に失敗した被食者を確実に自身の手に収めるために、雪に隠れた被食者を引き摺り出すための工夫であろう。


 ヒトとのかかわりは、主に狩猟のターゲットにされる。ハンターはアドラークレストを撃ち落とすと確実に剥製にして保存するという程珍重され、高い人気がある。


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