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日常  作者: 千紗
6/6

揺れ

暇つぶしになれば幸いです

最近地下鉄の通る時の揺れが本当にうざいです


「最近、揺れ酷くない?」


「何の話?」


「いや、ここ最近寝てる時にすごい揺れて起きるんよ」


「気のせいちゃう?俺起きひんし」


実家は木造住宅で少し強い風が吹くだけで震度2の地震かってぐらい揺れるし

下には地下鉄が通っており結構電車が通る時に揺れを感じるからそのせいだと思った

加えてうちの母は元々鉄筋コンクリートで作られた家で過ごし育ったため

10年はこっちで生活したはずだがまだ慣れないらしい


「え?ほんまに?あんたちょっとやばいんちゃう?」


「いや、そっちの自意識過剰な反応じゃない?」


「じゃあ、数日部屋変わってよベッドは自由に使っていいからさ」


「別にええけど、絶対変わらんわ」


「まぁ、物は試しってことで」


「はいはい」


そして夜、俺は寝る準備を整えベッドに入った


1日目は何事も無く終わった


「揺れんかったでーやっぱりお袋の気のせいちゃう?」


「そりゃ毎日揺れてるわけじゃないし」


「それもそっか」


そうして、何日か過ぎた


「もう、そろそろ部屋返して貰いたいなぁ…」


もちろん、寝床だけ変えただけで私物は互いのところにある

見られて困るものは無いが普通に不便なのである


「まぁ、あっちから言い出すのを待つか」


そう思い水を飲んでから寝床に入った


すると


揺れた


横揺れじゃなくてガチの縦に揺れる系の地震


シャレにならんやつ


まともな地震級の揺れは初めてなのでパニックった


え?なになになに?これガチの地震じゃない?

とにかく、ドア開けて母さんと合流…


そう思考してベッドから抜け出す時に見てしまった


ベッド以外揺れていないのだ


そう判断した基準


気のせいだと思いたかった


過去何度も電車が通る度に揺れていた飲料物


全て例外なく水面が揺れていたはずだ


しかし、今は違う


一切動いてないのだ


しかし、脳が早く逃げなきゃという命令で


その事は頭から抜けた


「母さん!ヤバいって!めっちゃ揺れてる!」


急いで寝ているお袋を揺さぶる


「んーー、なにぃよもう」


「だから、揺れてるんだって!」


「は?どこも揺れてないじゃないの」


「え?」


そう、何一つ揺れてなかった


最早思い込みレベルで自分以外何も異常はなかった


「もう、あんたも人の事言えないわよ」


「え?でも確かに…」


「私も感じたことがあるから分かるけど…ベッド止めようかしら」


「そうか…それがいいかもね、ごめん母さん変な時間に起こして…」


その時、また揺れた


体感同じくらい揺れ


のはずなのに


さっきまで無事だった本棚は倒れ


食器が割れる音が聞こえ


足元がおぼつかない


ペットボトルは倒れていた


その後全力でお袋を連れて外に行った



「ってことがあったんだよ信じられるか?」


「いやぁ、すごいねそれ」


「君の家族は大丈夫やったん?」


「うちコンクリアパートやったしそもそも両親出張やったし」


「いや、そっちも大概やん」



そんなこんなで俺は被災地の手伝いをしてる時に彼女に出会った


それから数年が経ち交際を始め幸せまで棒読みってとこだ


「ていうか、不気味だね」


「なにが?」


「うちはそれ地震がなかったら下に誰かいるかもとか考えちゃうもん」


「…確かにな、でも実際それのおかげで俺は生きてる」


「え、そうなん?」


「うん、お袋の部屋ぺしゃんこになってたから多分そこに俺寝てたら今頃お星様になってるよ」


「それは良かった、いや、ほんまに君が今おらん人生なんて想像できひんもん」


「そうだな、今は幸せに浸るとするよ」


「じゃあ明日も早いしもう寝よっか!」


「うん、おやすみ」


「おやすみ」



読んで頂きありがとうございます


この話は揺れとは関係ありませんが友達の実体験を参考にしてます


寝てる時に冬で暖房もつけてないのに凄く暑くて汗びっしょりで起きたらしく


その後水を飲んでいたら焦げた臭いがして


外に出たら裏の家が燃えててそれがアパートに移ったらしく


結果全焼して友達が気づいて皆を叩き起こさなかったら


逃げ遅れた人がいたとかなんとか


これぞ九死に一生を得るってやつですね


自分はこんな体験せずに老衰で逝きたいです


では、また会う日まで


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