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日常  作者: 千紗
1/6

児童館

⚠︎初めて書くので稚拙な部分や至らないところもあると思いますがご了承ください。

ちなみに短編なのに連載になってますが気にしないでください。

一応日常という枠組みの中では外れないと思うので。



あれは小学校中学年ぐらいの出来事だった。

当時の私は友達と児童館で遊ぶ毎日でした。

私自身母親が専業主婦だったもので児童館に通い親を待つ経験はしたことありませんでしたが、つるんでた友達の大部分が児童館通いであることと父親が本能的に怖かったため逃げるように児童館に通ってたことは覚えている。

そんなある日、友達がこんな噂を話してくれた。

「俺の弟が変なもの見たんやって」

「なんか隠れんぼしているときに見たらしいんやけどさ」

「一番太い木あるやん?」

「その右側にからすのしっぽがあったらしいんよ」

「で、動いたから左側に出てくるのからすやと思うやん?」

「そしたら出てきたの白い猫やってんて!」

「弟もさ、これはおかしい思てかくれんぼのこと忘れて木のとこ見に行ったらさ」

「からすおらんかってんて」

「まぁそのせいでかくれんぼで見つかって駄菓子奢らされたって半べそかいてたけどな」

「それはまぁどうでもええけどお前一緒にこの謎解決せんか?」


俺自身半信半疑でどうせ見てないうちに後ろにからすが飛び去っていったんやろと思ってはいたがいかんせんずっと児童館で遊んでるとやることもつまんなくなっていたところなので二つ返事で了承した。


その翌日学校が終わり「調査や!」と児童館に来た俺達はまず例の木の周りを観察した。

友達はすごくやる気が出ていた様子で無駄に懐中電灯やら手帳やらを持ってきており、探偵にでもなりきったかのようだった。その持ってきた一つにデジカメを持ってきておりパシャパシャと写真を撮っていった。彼はきっと何か写ってるに違いないと思っていたがもちろん何も写ってない。心なしか少しがっかりしていたが、まずその件の動物がいない時点で検証もクソもない。と私は言ったら友達は

「やったら、児童館の周り少し探索しよか。からすと猫見つけたら教えてな。」

と言い出し児童館の周りを散策し始めた。


すると、俺と友達は二人ともあるところが気になった。少し小さい祠だ。

高さ120ぐらいで横幅は30ぐらいのその辺でよく見るものだ。

しかし、俺も友達も何か感じ取ったと思う。少なくとも俺は直感的に何かあると感じた。

すると友達はおもむろに写真を撮り始めた。

横からの角度や下から後ろから前から最終的に肩車もさせられ上からも撮るしわざわざ木に登ってまで撮っていた。

「こんだけ撮ったらなんか写っとるやろ」

と言い撮ったデータを見始めた。俺も何か期待していたが劇的なものはなかった。すると

そのへんのおっさんが自販機でコーヒー飲みながらこっちを凝視してるのに気づき怒られると思いその日は逃げるように帰った。


その日が金曜日で土日挟んで来た月曜日、もうそんなことがあったのも忘れてた俺だったが昼休みに友達に呼び出された。持っていたのはの写真で不安そうに「これ見てくれへんか?」と何枚か写真を見せられた。

なんの変哲も無い写真だと私は言ったが友達は違った。

「この日曇りやったやろ?前から撮ったもの以外普通やねんけどこれだけ祠の中がすごくはっきり影できてないか?」

と言われ初めて気づいた。確かに言われてみればレベルだが他に比べ明らかに影が不自然なほどはっきりと分かる。しかし、それだけならこんな不安そうな顔しないはずだと思い俺は聞いた。

「どうした?めっちゃ不安そうな顔してるけどまだなにかあるんか?」

「いや、何も無いねんけど俺あの祠の中開けてみようと思うねん。」

「あほか、そんな罰当たりなことは流石にやめとけや」

「せやねんけど、めっちゃ気になるやん。でも、また変なおっさんに見られるの嫌やし、開けるのとかで怒られたら全部俺のせいにしてお前関係ない言うから付いてきてくれへん?」と言った。

普段の俺なら断るがここまで関わった以上気になるし、結局ついていくことにした。


そして放課後、俺たちは祠の前まできた。

祠を正面から見ると中にお地蔵さんが扉越しに見え、当然といえば当然だが鍵はついてなかった。

「よし、開けるぞ」

と言い友達が扉を開けた。やっぱりなにも起こらず、流石にお地蔵さんに触るのは罰当たりだと友達も思っていたのだろう。そのまま扉を閉め

「じゃあ気を取り直してあのからすと猫の謎に戻ろうぜ、どっからまわ…」

その時何ともいえない生暖かい風が首元に触ったのを今でも覚えている。あの気持ち悪いギリギリの得体のしれないもの。友達もそれを感じたのか言葉の途中で同時に振り向いた。当然祠しか無くその後ろには車道が通っており住宅街が広がっているだけだが明らかに原因は祠にあると直感した。友達は動けず私が恐る恐る祠の中を覗くとはっきりとわかった。わかってしまった。


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その時私はまたもや得体の知れないものにとらわれるところだったがその時は好奇心が勝ってたのか友達に

「見てみろよ、さっきまで目を閉じていたのに今でははっきりこっち見てるんだぜ。」

「ほんまや、うわ!こっちに視線向いた!すげぇ!」

と硬直していた友達も面白半分でやっと何かしらの成果が出たことに嬉しく夢中になり二人で様々なことをした。

二人交代交代で地蔵を見つめたりデジカメで動画を撮り自分たちが横に行くとどうなるかムービーを残したりしていた。すると、今ならあのからすと猫も解決できる気になっていき友達と疲れ果てるまで児童館のなかを走り回っていたのを今でも覚えている。


その翌日学校に行き色んな奴にこのことを言った。みんな半信半疑だったが友達が内緒で学校にデジカメを持っていきその動画を見せようとした


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確かにあの時は俺たちもデジカメを離した状態で撮影していたから写っているか確認しなかったし興奮状態であったためミスってる可能性も十分あるがその録画時間はきちんと表示されており、その後に友達が弟のリフティングを撮った動画があるため故障も考えにくい。その話した友達たちが嘘つきとか始めは言っていたが、俺たちの只事じゃない様子に一人が

「じゃあ今日見に行ってみようぜ!そしたら二人が嘘じゃ無いかわかるやん!」

と言ってくれて俺たちはすごく嬉しかったことを覚えている。すると友達が

「ありがとう!そんならみんなで見にいこうぜ!みれたらみんな自慢になるでぇ!」

とテンション上がりそれがクラスみんなに伝わりちょっとしたお祭り騒ぎになった

結局クラスのみんなで放課後行くことになった。

俺たちはここまで盛大なイベントになったことに不安の方が大きかったがとりあえず行ってみなわからんなと思い祠のある場所にたどり着いたがその時想像もしてなかった光景が目に入ったのだ


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これは俺たち以上にクラスメイトも困惑した。「あいつらやらかしたな」「てかこれうちらもやばくなぁい。」「これ呪われるんじゃね皆」「うわ、あいつら最低」

など酷い言葉を投げつけられた。このときはなぜ?どうして?などの疑問しか浮かばず泣きそうになったことを覚えている。その時児童館の先生が来て

「やぁ、みんなこんにちは!ごめんね、そこの祠は今日住職さんが来て「お地蔵さんの天命が全うされた。これでここも安全じゃ」ということで元の位置に戻ったんだよ。それで児童館でパーティーするんだ!お菓子とジュースもいっぱいあるからみんなも良ければおいでよ!歓迎するよ!」

っていう神の啓示並みの救いがあり、まだ小学生である上皆俺らのことは忘れお菓子に釣られたと思う。当事者の俺らもほいほいついていきこの件については一週間ほどで綺麗さっぱり忘れたようになり日常に戻っていった。



それから数年経ち俺は浪人生活一年目を送っていた。そんなある日その友達からLINEがあった。


「日曜日暇か?できれば来て欲しい。なんか、大事な話があるんやと。」

「なんや、いきなり笑」

「いや、俺もわからんねんけどいきなり親父が言い出してな…とりあえず俺の家来てくれん?」

「わかったわ何時に行けばいい?」

「朝9時がベストらしい。15時以降なら日を改めるんやと。」

「わかった9時に行くわ」

「り」


そして、日曜日友達の家に来た。

すると友達の親父が〇〇神社に行けと言われ言われた通り行った。すると神社の中に案内され60歳ぐらいの人の良さそうな住職に軽く会釈され正座して目を閉じるように言われた。とりあえず何かやらかしたかなぁレベルで正座を大人しくして目を閉じてひたすら時が流れるのを待った。約2時間ぐらい経ったときに「もう大丈夫かな?目を開けていいよ。」と言われた。

その時に友達が

「俺ら何か憑いてました?最近何かした覚えないんですが…」

すると、住職が俺たちに深く頭を下げてこう述べたのである。

「最初に一つ…すまなかった。儂のせいで、君たちを巻き込みそうになって本当にすまない。君の質問だけど最初から何もなかったよ、ただ万が一何かあったら困るから念には念を…ね。」

いきなりのことで俺たちは絶句した。考えてみて欲しい初対面の人に面識も心当たりも全くないのにいきなり謝られたら人は何も言えなくなる。これは経験しないとわからないと思うが。それはともかく、少しの沈黙の後俺はこう切り出した。

「結局、今日は何が目的で何をやらかした?って言っていいのかな?その原因と理由を言ってもらえると理解できるんだけど…」

「もちろん、君たちには知る権利がある。最初から順をおって話そう。」


まず、儂は〇〇、ここの住職と良くないものを仕留めるまぁ言い換えれば封印する仕事を受け持っておる。言い方はあれだが、まぁ妖退治みたいなものじゃ。

え?本当にそんなフィクションなことが存在するのかじゃと?小説でも奇想天外なドラマでも元を正せば人の妄想もしくは()()じゃ

煙の立たないところに火は立たないじゃったっけ?あれは儂は真理じゃと思ってる。だからきっと天国も地獄も何だかんだ言っときながらあるとおもぉとる。宗教関係なしにな。

話が逸れたわい。まずことの発端だがお主(友達)の弟が変なものを見たのがきっかけじゃ。儂もなにか良くないものがいることを感じそこで見つけれたのが弟くんじゃった。そこでその変なものがしようとしてたことが俗に言う神隠しってやつじゃな。それを止めるために弟くんのお祓いをした後それを封じ込める儂特製のお地蔵さまを作り妖を封じ込める策略だったんじゃ。その数日後計画を実行してる途中の日に子供が二人おっての、まぁお前さんたちなんだが年柄もなく焦ったわい。あの封印は祠を開けられるのはまだ良いんだが地蔵様触られると封印対象が人間に乗っとってしまう欠陥品でのぉ。まぁ確実に封じ込めれるからそのデメリットなんじゃが、だから、わざと威圧して、その日は帰ってったから安心したんじゃがの子供の探究心を舐めてたわい。あの位置から細かい所は見えなかったからまさか写真を撮っていたとは思いませんわい。しかも、二人ともなかなか霊感があると見れる。だから、何かきっかけがあってもう一回トライしたんじゃろ。封印しきれる最終日なにか違和感を感じた。奴の妖気が辺りに充満しててな、これはまずいと思い確認すると、きっちり封印されつつあったから安心したが一回祠を開けられることで少し遅れてたようじゃ。君たちが常識のある罰当たりな人間じゃなくて本当に助かったわい。

しかし、念には念を入れて儂の特製の札を貼り、児童館の長にも話を通し君らをあそこから遠ざけたってことじゃ。


「これがあの時のあらましと結末じゃ何か質問はあるか?」

俺たちは正直絶句した。今の今までどうして忘れてたんだろう。今更になってぶわっと冷や汗をかき若干奥歯がなっている。これは自分たちが成長して思考できるからこそわかる怖さだろう。きっとあの時の俺らならわけわからなさすぎて泣いておしまいだったのかもしれない。

しばらくして、友達が

「これ、もう弟に伝わってますかね?それやったら兄貴としてかなり不甲斐ないというか…」

「大丈夫じゃよ儂は子供に真実を伝える時は成人ぐらいにって決めておるからのぉ。2年後に弟くんには儂から話すわい。」

住職は気さくに答えてくれた。すると、俺は一つ質問が浮かびそのまま口に出していた。

「これは俺からなんですけど、興味本位ですが、こういう事例って結構…「無い」」

途中で住職は()()()()()

「まぁそのへんは察してくれ。今回の件は酒の肴程度になら話して良いが世の中には()()()()()()()()()もあるからの。」

背筋がぞわぁとした。そうか、俺たちはラッキーだっただけであの時友達が地蔵様を触ってたらワンチャン御陀仏になってたのか。本当に綱渡りだったんだな。と考えてると友達が

「じゃあ、そいつは結局なんだったんです。」

「多分、化け猫という線が()()()()と考えてる。怪異図鑑なんていう便利なものはないからのぉ。こればっかりは経験と知識じゃな。」


「そろそろ良い時間じゃ。再三になるのじゃが、本当すまなかったな。まぁ何もなくてよかったわい。気をつけて帰れよ。」


こうして僕たちは神社を後にした。


「いやぁ世界って広いんだなぁ。」

「ていうか、そんなアンビリーバブルな世界に巻き込まれたのがびっくりだわ。」

「…それについては本当にすまない。」

「いや、そんなガチで謝るなよ。ガキの頃の話だろ?正直今更感凄いよなぁ。」

と当時のことを振り返ると俺は一つまだ疑問が残っていることに気づいた。

「そういえば、あの動画結局なんで終始何も見えなかったんだ。それとあの地蔵様の目が動いたのも聞いときゃ良かったな。」

「あぁ、確かにな。でもあの住職も言ってたろ。」


にいっと口角を上げて友達は言った。


()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


(終)

はい、ここまで読んでくださった方ありがとうございました。

これが実際に私が経験した話かどうかはご想像にお任せします。

こんな感じで日常で起こりうるかもしれない出来事を書いていきたいと考えてます。

更新速度とかは考えてないので思いついたり友達の話を聞いたら書いてと考えております。

暇潰し程度に読んでもらえたら幸いです。

では、また会う日まで。


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