表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/48

5

本編です。

 春、六歳になった私は小学生に成りました。あっという間に成長しました。

「舞~何組だった?アタシと雄大は一組だったよー」

 そう由美は言った。私たちはいつの間にかお互いを呼び捨てで呼ぶようになった。

「私も一組だったよー」

「やったー!同じクラスだー!」

 そう言って彼女は抱き着いてきた。彼女達と同じクラスで本当に良かった。

「これからもよろしくね。舞」

 そう雄大は言った。(仲良くなってから知ったのだが、彼も近くに住んでいた)


 私たちは早速クラスへ向かった。その途中で何度もこちらを振り向く人々に出会った。

(何だろう?登校中も見られてたけど、私の顔に何かついてんのかな?)

「舞、相変わらずだね」

「何が?」

「いや、何でもない」

 由美がニヤニヤしながら何か含みのある事を言ったが、意味が分からなかった。


 そんな事を話していたら、いつの間にか「一年一組」というクラス札が見えた。

 中に入ると、沢山の生徒がいた。初めての学校で、緊張してるのか顔が強張ってじっとしている子もいれば、逆に興奮して友達とふざけている子もいた。

 私は、自分の名前が書かれている席を探した。

(みずたに まい、みずたに・・・あった!)

 私の席は、窓から二列目の一番後ろにあった。新しい机なのかきらりと光っていた。

 私は席に着くと、隣の子はもう既に座っていたので、どんな子なのだろうかと思い見た。

 肌は黒く、一目で外人の血が入っていることがわかった。髪は短髪で、切れ長な目をしていて、結構なイケメンだった。机に貼ってある名前を見ると「やまぐち あだむ」と書かれていた。

 私の視線を感じたのか、彼がこちらを向いた。私は、自己紹介をする事にした。

「私、水谷 舞っていうの。これからよろしくね」

「俺は山口 アダム。よろしくな!」

 彼はそう言うと、ニカッと笑った。明るくて良い子そうだ。隣が彼で本当に良かった。

 その後、荷物を置いた由美が私の席へ来たのでしゃべっていると、担任の先生がやってきた。入学式の時間になったようなので私たちは話を中断し、廊下に出た。


 入学式が始まった。保護者席にはお父さんがいた。

 校長先生は少しでっぷりとした中年のおばさんだった。とてもいい事を話しているのだろうけど、話が長い。前の子が船を漕ぎだした。


 やっと終わり教室に帰ると、今度は自己紹介をする事になった。

「最初は先生からな。はじめまして。坂部 結弦(さかべ ゆづる)です。これからみんなの担任になるからよろしく!」

 坂部先生は二十代くらいの若い先生だった。

 それからは窓側から順に自己紹介が進み、遂に私の番になった。

「はじめまして。水谷 舞です。これからよろしくお願いします」

 パチパチと拍手が鳴った。良い印象を持ってもらえただろうか?やはり大勢の視線を受けながら喋るのは緊張する。


 自己紹介が終わると、帰る時間になった。

 由美ちゃんとは校門で別れ、(今日は両親が休みを取ったらしい)私はお父さんと手を繋ぎながら家路に向かって歩いた。

 その途中で、スカートを履いた男の人とすれ違った。この世界では男性は基本的にズボンを履くのだが、スカートも履くのだ。

 逆に女性はズボンを履かない。履いていたら変態だと思われるらしい。

 今までの幼稚園は制服だったので、男の子はみんなズボンを履いていたが、今日の学校にはスカートを履いていた男の子もいた。アダムくんもその一人だった。


 そういえば、お父さんはスカートを履かない。何故なのか気になって聞いてみた。

「ねえ、何でお父さんはスカートを履かないの?」

「え〜ズボンの方が落ち着くし、父さんはあまりスカートが好きじゃないんだ」

 そうお父さんは言った。

 確かに、私も前世では落ち着くと言う理由でズボンを履き続けていた。ズボンは本当に良い。それが今世では履けない事を少し残念に思った。


 こうして小学校生活第1日目は無事終わった。





お読み頂きありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ