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生理の話です。

 今日はとても清々しい日で、実に体育日和だ。……忌々しい。サッカーなんて何が面白いんだ。ボール蹴っても明後日の方向へ飛んでいくじゃないか。しかもそれを追いかけるために走り続けさせられる。なんて嫌な競技なんだ。なんで体育の授業がサッカーなんだ。



 今日の体育の授業はサッカーだ。私はさっきからボールを追いかけていて、ヘロヘロになっている。由美は運動神経が良いので、さっきからゴールにボールを送り込み続けていて楽しそうだ。全く疲れが見られない。羨ましい。私もかっこよくゴールを決めたい。しかし私には中々ボールが回ってこない。多分以前オウンゴールをしてしまったからだと思う。

 試合がやっと終わって少し休憩していると、男子ばかりが数人見学してるのを見つけた。

「今日は見学が多いね」

「アレの日なんじゃない? 」

 近くで女子がコソコソとそう言った。アレの日、つまり生理だろう。

「いいよね〜男子は体育休めて」

「でも、アレで運動すると凄い痛いらしいよ」

「でも生理現象だし、そこまでのものでも無いんじゃないの? 毎月あるんだったら慣れそうだし」

 いやいや、そんな事は無いんだよ君たち。私も前世であの痛みを体験したが、本当に痛い。その状態で運動すると子宮が捻れる様な感じになるのだ。今世で良かった事の一つはその痛みを受けなくて済む事だ。



「舞、おかえり〜」

 家に帰ると、お父さんがトイレの中からそう言った。多分生理なのだろう。お父さんは生理になると腹を壊す。ここ三日間、お父さんはトイレにこもる様になったので多分そうなのだろうと思った。

 私はお父さんのために今日の夜ご飯は鉄分の多いものを作ろうと考えた。私は最近、忙しいお父さんに代わって料理を作る様になった。私は運動神経は悪いが、手先は器用な方だと思う。流石に由美や雄大の様なプロ級の腕前では無いが、髪も小洒落た感じに結べる。



 私は今、夜ご飯に使う食材を買いにスーパーにきていた。今日の献立は、鳥のレバー煮とほうれん草のおひたし、レンズ豆のスープと白いご飯だ。ポイポイと材料を見つけてはカゴに放り込んでいると、野菜コーナーで由美と出会った。最近は、彼女も共働きの両親に代わって料理するようになったそうだ。今日はコロッケを作るらしい。

「舞は何作るの? 」

 由美にそう聞かれたので、夜ご飯の献立を言った。

「わー、鉄分たっぷりだね」

「うん、生理の時にはたくさん取るべきだから」

 由美は固まった。顔を真っ赤にして。

「そ、そんな事よくサラッと言えるね」

「え? あっ……」

 そうだよ私、いくら前世で慣れていたからってデリカシーなさすぎだろう。前世でもNGワードだよこれ。今の私が言ったらセクハラになるんじゃないか?

「あの、その、今のは忘れて。……お願いします」

 私は恥ずかしさで顔が真っ赤になっていくのを感じた。




 夜ご飯の時、お父さんは鳥のレバー煮を美味しそうに食べていた。

「すごく美味しいよ。だんだん料理が上手になって来たね」

 お父さんは、にこにこと笑って言った。しかし今の私はそれどころじゃ無かった。生理はもう私には体験できない事で、男性だけに起こるものなのだ。どうしてか、そう考えだすとドキドキとしてきた。恥ずかしいというか気まずいというか、なんとも言えない気分だ。

 私は、その夜悶々としながら寝た。寝る間際、もう簡単には生理といえないだろうと思った。

お読み頂きありがとうございました。

私は二日目が一番きついです。

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