表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/7

1章

 その門は、一国を護る砦のように立派な石と鉄で造られていたが、重々しい姿を錦のヴェールで覆い、光を反射するガラスの珠飾りでそれを絡げてあった。左右に開かれた錦のヴェールは、カーテンのように風にそよいで、灼熱の砂漠を渡ってきたキャラバンを迎え入れる。

〈ようこそ タフリールへ〉

 藍色の布地に金の糸で刺繍のされた旗を見上げながら、タミアは商人が手綱をひく駱駝の横に付き従って、その門をくぐった。キャラバンの先導が、事前に徴収した通行税をまとめて支払う。一行は白と金のターバンをまとった役人たちに、笑顔で出迎えられた。

「君、それをこちらへ」

 辺りを見回しているタミアに、商人が声をかけた。タミアは砂漠の途中からずっと抱えてきた木箱を渡した。中身は植物の種だか根だか、さほど重くないものだったが詳細は知らない。

「隊商宿に入るには、私が君の保証人になって、正式にこの隊商に加えてやらないといけない。休めるところまで連れていってやれなくて、すまないね」

「いえ、お世話になりました」

 タミアはキャラバンの娘ではないのだ。遠く故郷の村を出て、このタフリールまで、案内人を雇う金がなかったので、たまたま通りかかったキャラバンの下働きとして共に旅をさせてもらってきた。

「達者で」

 荷物を預けてくれた商人の他、彼と親しい数人がタミアに声をかけながら去っていった。タミアは明るいオレンジ色の三つ編みを背中で跳ねさせて、その一人一人に「ありがとう」「さようなら」「お元気で」と頭を下げた。

 ……さて。

 背中が見えなくなるまで見送ってから、両手を広げて伸びをし、深呼吸をして振り返る。ようこそ、タフリールへ――表と同じ旗が、門の内側にもはためいていた。その下を、絶え間なく人が行き来している。門の下だけではない。右も左も、砂嵐ならぬ人嵐のように、色とりどりの服に身を包んだ人が思い思いの方向へ向かって歩いていた。

「あの、すいません!」

 さっそく、気のよさそうな二人組の男性に声をかける。

「魔法使いアルヤルを探しているんですが、知りませんか? タフリールにいるはずなの」

「魔法使いアルヤル?」

「さあ、聞いたことねえなあ」

 二人は顔を見合わせて首を傾げた。タミアは諦めずに、もう一押し訊いてみた。

「目が炎のような金色をした人なんです。どこかで見かけたこと、ない?」

「そう言われてもなあ。この町は広いし、魔法使いだって各地から集まってくる。ちょっと、覚えがないな」

「そうですか……」

「タフリールは、この通り人が多いからよ。一回見かけたくらいじゃ、多少特徴があっても忘れちまうんだよな。力になれなくて悪いね」

 男の一人が、申し訳なさそうに頬を掻いた。気落ちした顔を見せてしまったのかもしれない。タミアはいいえ、と気丈に笑ってみせた。

「大丈夫です、もう少し探してみるわ」

「ああ、見つかるといいな」

「どうもありがとう」

「そうだ、嬢ちゃん」

 頭を下げて、踏み出しかけた足を男の声が引き止める。

「どこから来たのか知らないけどよ、人探しなら訊く相手には気をつけろよ」

「訊く相手?」

「ここじゃ、人探し、もの探しを専門にしてる探し屋ってのもいるからな。うっかりそういうのに訊いちまうと、見つかっても見つからなくても金取られるぜ」

「ええっ!?」

 タミアの素直な驚きっぷりが、タフリールに慣れた男たちには面白かったらしい。じゃあな、と笑いながら去っていく彼らを見送り、タミアは呆然と呟いた。

「すごいところね……」

 思わず、スカートの上から財布を握りしめる。言われてから見渡すと、一体どの人が訊いても大丈夫なのか、全然分からなくなってしまった。

 ひとまず、もっと中心部へ向かってみよう。

 タミアは決意を固めると、タフリールの中心に聳える礼拝堂を見上げた。巨大な青い眸のような丸屋根の上に、金の三角旗が一対と風見が立っている。ひとまずはそこを目指して歩いていくことに決めた。

 タミアは人の流れに沿って、緩やかな上り坂へ足を踏み入れた。


 タフリールが〈月の都〉と呼ばれる理由は、諸説ある。

 一説によれば、三日月形のオアシスの内側に築かれた町だから。あるいは、明かりが絶えることなく灯っていて、夜の砂漠でもタフリールは煌々と輝いて見えるから。月の使者が降りてきて築いた町だ、などという説まである。どれが正しいのか、あるいはどれも正しくないのかは分からないが、つまるところタフリールは、誰の目にも輝かしくて壮麗な都だった。

 町は中心から緩やかな山になっている。礼拝堂が一番の頂にあり、その下が店や住居、ふもとへ向かうと隊商宿やバザールが、それよりさらに郊外には農場や魚市場が並ぶ。

 人で賑わうバザールの狭い通りをくぐり抜けるとき、氷砂糖とレモンを浸した甘い水を一杯買い求めて、タミアは感動を覚えた。底に薔薇の描かれたグラスに注がれたその水は、今まで目にしてきたものの中で一番綺麗だと思った。バザールには、そういうものが星の数よりたくさんあった。

 錦織の絨毯、箱の中の刺繍糸、金細工のブローチ、薄絹のスカーフ。

 店主たちは水煙草をくわえて、明らかに田舎から出てきたばかりの娘と分かる、木綿のワンピースとぼろのブーツ姿のタミアが、好奇心に押し負けて店を覗くのに見て見ぬふりをした。接客もしないが追い出すこともしない。あらゆる人の行き交う都ならではの、買い物をしない客にも慣れた寛容さがあった。

 鮮やかな品々に目を奪われて、タミアは次から次へと店を眺めて歩いた。いつかあんなエメラルドの髪飾りをつけて、金のブレスレットとアンクレットを薄絹のドレスから覗かせて、このタフリールを颯爽と歩ける人になってみたいものだ。そのためにも、まずは魔法使いアルヤルに会わねばなるまい。

 無限に続く夢か宝石箱のようなバザールを抜けて、タミアはようやく、町の中心近くへとやってきた。天頂にあった太陽はいつしか傾きかけ、上り坂に影が長く背を伸ばしていた。


 街角の酒場の窓に、ぽうぽうと明かりが点き始める。ひとつふたつ、やがて宿屋の窓にも灯り始め、数えきれなくなった。

 薄緑の蝶がはらはらと、石の植え込みの上を飛んでいく。反対側の植え込みに座って足を投げ出し、タミアはそれを追うともなしに目で追って、ため息をついた。

「どうしよう、どこにもいない……」

 魔法使いアルヤルを、知らないか。

 道行く人を窺ってそう問いかけながら、タフリールの町を歩き回ること早数時間。タミアは自分の考えが甘かったことを、つくづく思い知らされていた。人探しというのはもっと、楽にいくものだと思っていた。故郷の村は人が全員、誰かの知り合いや家族であるような小さな村だったから、知らない人でも尋ね歩けば見つかるのが普通だった。

 タフリールは、その何倍、何十倍もの人が常に動き回っている。定住している人よりも、旅人や商人の数が多い。来訪者の多い町は、個々の人間への頓着が薄い。名前くらいしか情報のない魔法使いを探しているなど、誰に訊いても同情の顔をされるばかりで、足跡ひとつ掴めなかった。

「お腹空いたなー……」

 ぐう、と鳴った自分の腹と話すように、タミアは下を向いて呟いた。ふもとのバザールの明かりが目に入る。屋台もたくさんあったことを思い出し、行きたい気持ちに駆られるが、だめだと首を振った。

 そもそも、バザールで無駄に時間を費やしてしまったことが今、自分を困らせている。アルヤルは名のある魔法使いらしいから、きっと夜はどこか、良い宿をとってしまうだろう。そうなったら見つけることなどできない。

 ポケットから財布を取り出して、中身を確かめる。紙幣が二枚と、小銭がいくらか。一泊の宿代としては十分すぎるくらいだが、一週間を過ごすには食費だけにしても最低限だ。アルヤルを探すのに何日かかるか分からないと理解してしまった今となっては、宿など泊まれる気分ではない。これを使い切ってしまったらタミアは無一文である。

「ああー……、もう!」

 かといって、見知らぬ町で野宿は怖い。タフリールに着いてすぐは華やかな人々ばかりが目に留まったが、日暮れが近づくにつれて、タミアの目にも光の陰に様々な面があることが見えてきた。路地で酔い潰れている老人、座り込んで雑踏を見上げている物乞い。野宿のできるような暗がりには、そういう暗がりの人種が陣取っている。

 なんとかして、一晩を安全に明かせるところか、アルヤルを見つけなければ。

 疲れた足に喝を入れて、タミアは立ち上がり、宿屋の立ち並ぶ一角を歩き始めた。宿のあるところには飲食店も軒を連ねる。レストランの看板を見たが、初めて見る名前の料理ばかりが書いてあって、値段の想定ができなかったので入るのは諦めた。

 裏通りの店は、少し狭くて雑然としているようだ。もう少し近くで見てみたかったが、手前の細い道を塞いで話し込んでいる二人組がどことなく怖くて、傍を通るのが躊躇われた。

 アルヤルを探したいが、空腹も限界に近い。あわよくば、夜通し開いていそうな安いレストランで朝を待ちたい。タミアは迷って、他の道がないかと近くの角を曲がった。酒場の裏口らしきドアがあり、大きな酒樽が置かれている。

 その脇を、何の気なしに通り抜けたときだった。

「う……」

「ひゃああっ!?」

 ふいに視界に、白いものが飛び込んできた。もぞりと動いたそれに、タミアは飛び上がって悲鳴をあげた。暗がりに溶ける褐色の手が、金切り声を振り払うように耳をおさえ、ぐしゃぐしゃと髪をかき乱す。

 男が一人、酒樽の陰に座り込んでいた。

「あの、大丈夫ですか? どこか具合でも……!」

 襟足の伸びた真珠色の髪を見て、タミアは彼を老人かと思い、身を屈めた。次の瞬間、腕を掴まれて、思い切りバランスを崩した。

 片手を掴まれ、片手を男の肩につき、ほとんどのしかかるような格好になって初めて気づいた。青年だ。

 驚きのあまり叫び声も出せずにいるタミアを引き寄せて、彼は左手で目深に被っていたターバンを持ち上げた。真珠色の睫毛に縁取られた、青灰の眸が一瞬、覗く。頬と瞼が腫れ上がっていることに気づいて、タミアは息を呑んだ。けれど、それ以上に。

「ああああ、ああ、あなた……っ」

「あ?」

「は、離して! なんで裸なの!?」

 掴んでいる肩が素肌であることのほうが、大問題だった。暗がりと肌の色が相まって分からなかったが、腕も足も、何も纏っていない。

 真っ赤になってパニックを起こしかけているタミアに、青年は自分の体を見下ろして、面倒くさそうに舌打ちをした。

「うるせえなァ。裸じゃねーだろ、この通り肌着は残って」

「めくらないでよ! ほ、ほとんど裸と一緒じゃない」

「そーなンだよ。だから、通りすがりのお前に、オ、ネ、ガ、イ、がある」

 ぐ、と腕を掴む力が強くなった。タミアは青年の猫撫で声に、嫌な予感が背中を駆け上がるのを感じた。

「金貸してくんない? ちょっとでいいからさ」

 予感は、結構当たるものだ。

 軽薄で、どこか人を突っつくような口調と、口許のにやにや笑い。およそ施しを乞う側とは思えない。

 真剣味がないのだ。青年の態度が、初めは驚いていたタミアを冷静にさせた。

「嫌よ」

「即答かよ」

「嫌っていうか、無理よ。私お金に余裕ないもの」

「だろうなァ」

「納得なの? そりゃ、豊かには見えないでしょうけど、失礼ね」

 貸せる金はなくても、こうも素直に同意されると何とも言えず頭に来る。タミアは青年の手を力づくで振り払った。

「分かってるなら、あてにしないで」

 一時でも、大丈夫かなんて心配して損をした。人に親切にしたことを後悔したのは、これが初めてだ。またひとつ、タフリールで学んだことが増えた。

「なあ、知ってんだろ? 砂漠の夜って、寒いよな……」

 背中を向けたタミアに、青年が細々と語りかけた。

「月の都といえど、それは変わらねえンだよ。この細い屋根と屋根の間に月が見えるころには、凍えるほど寒くなって、真昼の暑さが恋しくなる」

「だから何だっていうの……」

「つれないこと言うなよ、なァ。お前に見捨てられたら、俺、たぶん凍え死ぬぜ。嬉しかったんだよ、お前が通りかかったとき。お迎えに来た天使でも見てるんじゃねえかと思って、思わず手が伸びちまったが」

「……」

「なー、お前だけが希望なんだよ。お前が助けてくれなかったら、こんな路地に転がってる人間一人、死んでも見つけてもらえる気がしねェよー。雨に打たれて、何晩も凍えて、死んでも凍えるなんて、極悪人の最期より報われないぜ」

 タミアはそろそろと振り返った。酒樽の陰から、青年の寂しげな腕がぷらぷらと、いなくなったタミアを探すようにさまよっていた。

 こんなのはただの、見え見えのお芝居だ。こんなに元気に喋る人間が、そうすぐ死ぬわけがない。

 でも――砂漠の夜が冷えるのは、ここからかなり遠く離れた場所とはいえ、オアシスの村で育った身としてよく分かっている。

 冗談が冗談では済まなくなることも、ないとは言えない。少なくとも、肌着で過ごそうなんて生まれてこの方、思ったことはない。

「なー。戻ってきてくれよ」

 タミアは一歩、足音をひそめて、青年に近づいた。

 それから数秒迷って、口を開いた。

「ごめんなさい、まだいるんだけど」

「おお」

「あなたの力にはなれないわ。私、このお金でやらなくちゃならないことがあるの」

「俺が死んでもか」

「そういう言い方は卑怯よ……タフリールで見つけなきゃいけない人がいるの。魔法使いアルヤルっていう」

「――アルヤル?」

 ふっと、青年の声にそれまでなかった生気が漂った。あれ、と思わず押し黙ってから、タミアは慌てて問いかける。

「知ってるの?」

「ああ、知ってるっちゃ知ってるが……お前、アルヤルに何の用だ?」

「弟子にしてもらいに行くのよ。手紙を出して、この町で待ってるって返事ももらってる」

 タミアは証明するように、ポケットから封筒を取り出した。酒樽に手がかかる。青年がよろめきながら立ち上がり、ターバンの奥の目を凝らすように、大げさに首を反らした。

「手紙? あー、そうか、じゃあお前が」

 骨ばった肩を回すと、薄暗い路地に関節の鳴る音が響く。

「アルヤルなら、俺の師匠だ。お前のことは聞いてる」

 青年の笑みに、白い歯が三日月のように覗いた。タリアは呆気に取られて、持っていた手紙を落としそうになった。

「師匠って……、じゃあ、あなた魔法使いなの?」

「おうよ。一番弟子のログズだ、気軽にログズさんって呼んでいいぜ」

「ありがとう、ログズ。タミア・ガザールよ」

「お前、容赦ねえな」

「師匠が敬えって言ったらそうするわ。アルヤル先生はどこにいるの?」

「イクテヤールだよ」

「イクテヤール?」

 タミアは思わず、頓狂な声で訊き返した。イクテヤールといったら、このタフリールを囲んでいる三日月形のオアシスの外側に栄える、第二のタフリールのようなもう一つのオアシスだ。つまり、別の町である。

 ここにいるのではなかったのか。困惑していると、ログズがまあまあと宥めた。

「あいつ、意外と忙しくってな。急用が入ったとかで、どうしても行かなきゃなんねえンだと。代わりにお前を見つけてイクテヤールに連れてこいって、頼まれてる」

「あなたが……?」

「そう。俺が」

 ログズはそこで胸に手を当て、わざとらしく、恭しいポーズを取ってみせた。

「そこでお前に、もう一回訊いてみたいことがあるんだが」

 タミアの背中を、先刻よりもずっと強く、嫌な予感が駆け抜ける。なんとなく、彼の言いたいことが分かって、唇に強張った笑みが浮かんだ。

「橋を渡ってイクテヤールまで。裸の俺と仲良く旅をするか、服を着た俺と仲良く旅をするか。どっちでも、好きなほうを選んでいいぜ」

 予感は、悪いものほど本当によく当たる。

 ログズの勝ち誇った笑顔に、タミアはスカートの上から財布を潰れるほど握りしめた。


 居住区の傍に建ち並ぶ店は日暮れと共に扉を閉めるが、ふもとに広がるバザールは夜も眠らない。屋台だけではなく、雑貨屋も服屋も、店主の顔ぶれを昼間と入れ替えながら、ほとんど同じ場所で似たような品物を売っている。

「おっ、ここなんか良さげじゃねえか?」

 昼間よりはいくらか少ない人出の中を、猫のようにすり抜けながら歩いて、ログズは一軒の店の前で足を留めた。数歩遅れて辿り着いたタミアは、彼の後姿を追いかけて店へと入りながら、通りすがりに見える値札をチェックすることに尽力していた。

 良かった。ここなら、手持ちの半分を使えば最低限の上下は揃えられそうだ。

「お、これにするかな。おーい、店主さん」

「はいよ」

「見ての通り、すぐ着ていきたいんだ。いいか?」

 ログズの声に木箱の奥から顔を覗かせた店主が、ぎょっとした顔で頷いた。悪いね、と彼はほとんど裸に近い恰好でケラケラ笑っている。タミアは連れと思われるのは仕方ないとして、せめて仲睦まじく思われるのは避けたい一心で、色とりどりの服の陰に身を隠した。

 とっさに掴んだワンピースの生地が、さらりと手のひらを滑る。同時に袖口に下がった値札が目に入って、思わず瞬きをした。

 なんて綺麗な服だろう。それに――見た目よりずっと安い。

 故郷から着てきた木綿のワンピースを見下ろし、タミアの心に一瞬、揺らぎが生まれた。アルヤルを見つけるまでは一銭の無駄遣いもできないと決意していたが、そのアルヤルの元へ案内してくれる相手を見つけたのだ。もうタフリールでの目的は半分果たしたようなものである。

 月の都のお土産のひとつくらい、手元に欲しい。

 ログズの服を安いものに抑えてもらえば、これくらいなら。

「ねえ、ログ……」

「二万飛んで七十ガルム。おまけして二万ガルムちょうどでいいよ」

「サンキュー、助かるぜ」

 意を決して振り返ったタミアの目に入ったのは、今まさに、会計を済ませたログズと笑顔を浮かべる店主だった。え、と表情を強張らせて、店主の手が受け取った二枚の紙幣を見やる。

 そのお金は、と視線を巡らせて、声にならない叫びを上げた。ない。スカートのポケットに入れてあったはずの財布がない。信じたくないが、ログズの手に――よく見覚えのある色のものが握られている。

「な、な……! いつのまに……!」

「ん? ああ、これか」

 薄桃色の使い古された財布を宙に掲げて、ログズは振り返った。にんまりと唇を吊り上げた彼を正面から見て、タミアは二重の意味で、雷に打たれたような衝撃を覚えた。

「魔法使いたる者、色々と器用でなきゃなァ。さっきちょろっと、並んだ隙に拝借したぜ」

「財布を拝借って、魔法使いじゃなくてスリのやることよ! ていうか、あなた、あなた……っ」

「ん? おおどうした、そんな震えて」

 ぶるぶると指を震わせながら自分を差したタミアに、ログズは「寒いのか? コレ貸してやろうか?」と買ったばかりのショールに手をかけながら向かい合った。ゆるい結び目が解かれて、その下に見えた服に、タミアの目がいっそう大きく見開かれる。

「ひ……ひ……っ」

「ひ?」

「人のお金使って、なんて趣味の悪い服買ってんのよー!」

 目にも鮮やかな紫と青、銀の糸で織られたショール。檸檬色と明るいオレンジを基調とした幾何学模様のトップスは、右側だけがノースリーブという斬新な作り。それの裾を偽の白っぽい金とターコイズでできた大ぶりなベルトで絡げ、白地に、これまた脛の辺りで膨らんだ裾が色とりどりの、幾何学模様のパンツを穿いている。金糸の刺繍が施された靴と相まって、華やか極まりない。

 加えていつのまに選んだのか、空いた右腕や首元には大ぶりの、鍍金のアクセサリーが輝いている。

 卒倒しそうになる、という感覚を、タミアは身を持って知った。ログズはタミアの叫びにぽかんと口を開けたあと、改めて自らの恰好を見下ろし、顔を上げた。

「はあ? どっからどう見ても最高だろうが! 店主に謝れ」

「ええそうね! 服じゃなくてあなたの取り合わせの問題よ!」

「お前、俺のセンスが悪いって言ってるみてェに聞こえるぞ!」

「そう言ってるの!」

 派手、などという生易しい表現で済ませられる代物ではない。ド派手、だ。それも品性が感じられないタイプの、できるだけ鮮やかで色がたくさん入っていればいいと思っているような派手さである。繁殖期の鳥か。

「私の大事な二万ガルムが……お父さんの用意してくれた大事な旅の資金が、こんな……こんなだっさい服に……」

「あの、ちょっと」

「ごめんなさいお父さんー!」

「ちょっと、お客さん」

 崩れ落ちるまま絨毯に突っ伏して泣いていたタミアは、とんとん、と肩を叩かれて、ようやく自分に語りかけている声の主に気づいた。

 太い眉毛の下で、黒々とした目が心底困ったように見下ろしている。

「あんまり、そういうこと大声で言われると、うちもね」

「あ……」

「用事が済んだなら、出てってもらって、いいかな」

 店主が申し訳なさそうに、はっきりと言った。


「なー。そんなに怒るなって」

 屋台の明かりがぐんぐんと、背の彼方に小さくなっていく。バザールで買ったフィッシュサンドを両手で持って頬張りながら、タミアは坂道を礼拝堂のほうへ登り続けていた。怒りをあらわにして大股で歩く後ろを、先刻からあれやこれやと言いながらログズがついてくる。

 人ごみで離れてしまえるならいっそそうしたい気分だったが、残念ながら歩幅の問題で引き離せなかった。

「仕方ないだろ、恰好は大事なんだぜ? なんつったかな、アイドントノーは服装に現れるって」

「アイデンティティー」

「おお、それだそれだ」

「確かにそうね。あなたがどういう人なのか、よーく、現れてると思うわ!」

 フィッシュサンドの最後の一口を飲みこみ、ようやくログズを振り返って、タミアは棘だらけの口調で同意した。半分は彼への怒り、半分は己の甘さへの怒りだ。関わらないほうがいいと一度は手を振りほどいた相手だったのに、アルヤルの弟子と知って気が緩んでしまった。慣れない場所で自分を拾ってくれる人に出会えたことに、少なからずほっとしてしまって、結果がこれだ。

「一瞬でも、気を抜いた私が間抜けだったわ」

 頭の先から足の先まで、改めて眺めて思う。センスが壊滅している。

「お前、今失礼なこと考えなかったか?」

「さあ? 別に」

 きっと、頭の中もこんな具合なのだろう。

 タミアは大きくため息をついて、再び背中を向け、坂道を歩き出した。ウソだな、と言いながらついてくるログズの顔は、目深に被ったターバンで分かりにくいが、左半分が腫れて唇の端に血が滲んでいた。

 強い奴にやられた、という。

 それは気の毒な話だと思うけれど、心配してやる優しさは心のどこを掘っても湧いてきそうになかった。薄い筋肉と褐色の皮膚が骨をゆるやかに覆っているだけの細い体で、喧嘩でもしたのだろうか。物騒なものだ。

 早いところアルヤルに会って、この男との二人旅は終わりにしたいのだが――ついでになぜアルヤルがこんな弟子を自分の代わりに残していったのかも訊いてみたいものだが――あいにく、今日はもうイクテヤールへ行くことはできないだろう。

 タフリールとイクテヤールを結ぶ長い橋は、夜間は隊商が荷物を運ぶ専用になり、一般の人々は通さないと聞いた。橋が使えるのは、再び日が出てからだ。もちろんガダブ砂漠を歩いていっても着くことは着くが、こちらは三日月形のオアシスの外側を回りこむことになるので非常に遠回りであるし、夜の砂漠を少人数で歩くのは危険が過ぎる。

 ランプの灯る室内で、ゆっくり朝を待って休みたい。

 建ち並ぶ宿の一軒の前で足を止め、窓を見上げたタミアの隣に、ログズも並んで窓を見上げた。

「旅のよしみってヤツで、今晩だけ入れてくれよー。床でいいんだ」

「ないわよ」

「は?」

「だから、宿取ってない。私も、床でいいからどこかの部屋に入れてほしかったわ」

 諦めた笑みが、喉からこぼれた。再び歩きだしたタミアの後を、ぽかんとしていたログズが追いかける。

「お前、宿予約してなかったのか!? それであんな時間まで外にいるって、手頃なところはどんどん埋まるぞ。どうする気だったンだよ……つーか、今だってどうする気なんだよ」

「仕方ないじゃない、アルヤル先生を探すのに何日かかるか分からなくて、悩んでたんだもの。っていうか、今取れないのはあなたのせいでしょ」

「あ?」

「空き部屋があったとしたって、泊まれやしないわよ。あなた、私の全財産のうちのどれだけ使ったか、記憶にないの?」

 ログズが、あっという顔をした。財布の中身を思い出したのだろう。紙幣が二枚飛んでいって、残っているのは硬貨がいくつか。微々たる額だ。フィッシュバーガーをあと二、三回食べたら底をついてしまう。

 今夜は、どこか人目につかなそうな場所でうとうとして明かすしかない。

 でも、自由に入れて安全な場所なんてどこにあるだろう。浮浪者や酔っ払いに目を凝らしながら路地を覗いて歩くタミアに、ログズはがしがしと髪をかき上げて唸った。

「あー……しょうがねえなァ。あんまりやりたくなかったんだが」

「なに?」

「ちっと来い。ここは……いや、こっちのほうがいいか」

 手招きをされて、渋りながらついていく。ログズが曲がった道は狭いが明るく、窓の外にまで喧騒の漏れてくる酒場の並んだ一角だった。何軒かを覗き込んで、一番賑わっている店のドアを開ける。

 躊躇するタミアの腕を引っぱって、彼はタミアをドアに一番近い、カウンターの席に押し込んだ。

「ちょっと、なに……」

「お前、ジュース一杯くらいの金ならあるだろ? なんか頼んでここに座ってろ」

「え、あなたは?」

「一番小さいのでいい、小銭一枚借りるぞ。もし俺の知り合いかって声かけてくるヤツがいたら、すぐ逃げろよ」

「え、はっ!? 何それ、どういう……」

 ぽん、と背中を叩かれて、それ以上訊くことはできなかった。ログズが店内の視線を集める前に、さっと離れたからだ。店主が新しくやってきた客に気づいて、オーダーを取りに来る。

「嬢ちゃん、うちは未成年には酒は出さないよ」

「あ、もちろんです! ええと、お酒以外だと……」

「カシスサイダーか、ミルク」

「……カシスサイダー、で」

 少し離れた奥のテーブルで、どよめきのような笑い声が起こった。振り返って、その中心にいた人物にあっと目を瞠る。ログズだ。

「馬鹿か魔術師か、どっちだろうな」

 タミアの視線に気づいた店主が、ぽつりとこぼす。え、と聞き返すと、険しい目を細めてテーブルを顎でしゃくった。

「十ガルムコインで、賭けに参加しようとしてる。ああいう奴ってのは大体、有り金全部どっかの店でなくして自棄になってるか、歪んだ勝算があるかのどっちかだ」

 カシスサイダーをテーブルに置いて、店主は奥へ引っ込んでいく。言われたことの意味は分かったような、分からないような、五分五分だったが、タミアはログズが何をしようとしているのか、緊張した面持ちで見つめた。

 彼以外の参加者の前には、紙幣が置かれている。ログズは何か一言二言いい、挑発的に笑うと、彼の賭け分を指して笑った男のグラスをさらって、一思いに飲み干した。馬鹿にしているだけだった男の顔に、面白がるような表情が浮かぶ。

 彼らの前に、カードが並べられた。


 六万ガルムのうち、賭博を許可した店主の取り分が二万。慣習として、勝者の杯といって賭けに参加した人やギャラリーに振る舞った酒代が二万。

 酒場での賭博は酒場での遊びと言われ、正式な賭博場と違って、得た金のほとんどは酒場で返す形になるのが最も礼儀正しいとされる。そうすることで、客同士の遊びであるという体面を保つ。違法賭博と内輪の遊びのグレーゾーンを上手く掻い潜っていく仕組みだ。

 ゆえに、勝ったとしても儲けはほとんどない。

 ……というのが、通常の場合の、暗黙の了解である。

「あなた、一体どういう運の持ち主なの」

 ひらりと夜空にかざされた二枚の紙幣を見て、タミアは心の底から信じられないという声を出した。幻でも見ているみたいな気分だ。あるいは、数奇な魔術か。

「バーカ、運だけでやってるワケねーだろ。腕前があるんだよ」

「カードの?」

「そ。お前の知ってそうな言葉では、イカサマとも言う」

 酒場での賭博は稼げない。それは、最初の賭け金がある程度大きかったらの話だ。

 夜風に飛んでいきそうな紙幣を、まるでカードのように二本の指で入れ替えたり、たたんだりして、十ガルムを二万ガルムに変えてきた男は自慢げに胸を反らした。イカサマ。知ってはいるが馴染みのなかった言葉に、一瞬間が空いて、タミアは「はあ!?」と裏返った声を上げた。

「それ、ズルしたってことじゃない」

「テクニックと言え、テクニックと」

「妙に強いと思ったら、そんなことしてたの? 見ず知らずの人たちに交じって、お金巻き上げるなんて……!」

「だーからちゃんと、飯代も多めに残してきたろ。いいんだよ、あいつらだって全員顔見知りなんかじゃない。稼ぎに来てたワケじゃなくて、楽しみに来てんだ。ギャラリーがハラハラするような演出だってしたし、盛り上げるだけ盛り上げたぜ?」

「そりゃ、盛況すぎて途中から見えなくなってたくらいだけど……」

 面白い奴がいるらしい。そんな声に店中の客が吸い寄せられて、いつしかログズの周りは厚い人垣に囲まれていた。カウンターにいたタミアは、時折起こる人々の歓声やどよめきだけを頼りに、何が起こっているのか必死に把握しようと努めていた。

 勝っているのか、負けているのか。ルールを知らないゲームほど、察しにくいものもない。

 結局、大きな拍手が起こって酒が振る舞われ、皆が散り散りにテーブルへ戻るころになって、満足げな顔で「出るぞ」と言ってきたログズを見て、やっと勝ったのを確信した。

 ひとまず、今夜の野宿は避けられそうだ。

「ていうか、そんな技があったなら、最初から服代くらい自分で稼いだらよかったじゃない」

「分かってねェなー。ああいうのは見た目が結構重要なンだよ。下着いっちょのイカサマ師はただのズル扱いだが、注目さえ集められれば手品師だ」

「分からない世界だわ。そんなに上手くいったならあと二万ガルム、追加で取り返してくれたらよかったのに」

「簡単に言うなよ。あんまり派手に稼ぐと、目ェつけられる。また身ぐるみ剥がれたら、今度こそオシマイだろ」

「それもそうね……、え?」

 できるだけ手頃な宿を探しながら歩いていたタミアは、会話を聞き流しそうになった。まさか、と思って振り返る。勝利に酒も入って上機嫌なログズは、じとりと見上げたタミアに「なに?」と両手を振った。

「まさかとは思うけど、あなたが裸で転がってたのって」

「ああ、ちょーっと稼ごうと思って賭けに入って、いつもみたいに盛り上げてたらな。ぜひ参加したいって言ってきたヤツがいたんだけどよ」

「ええ」

「デタラメに強くて、気づいたら全財産出す羽目になってたンだよ。で、降参だっつったらちょっと表に出ろって言われて、出せるもん全部出せって殴られた」

「つまり、賭けに失敗した結果の喧嘩なのね?」

 躊躇もなく、ログズは頷いた。

 タミアはもはや呆れで、何も言えなくなってしまった。何か事件じみた喧嘩に巻き込まれて、怪我でもしたのだろうと思っていた自分がまだ甘かった。ただの自業自得ではないか。

「しかもなァ、杖も取られたんだよな」

「杖?」

「魔法の媒介に使ってたヤツ、持っていきやがった。取り返さねーと、アルヤルんとこ帰ったときに破門だろうなー……」

「そう……、それは都合がよか、じゃなくて気の毒ね」

「お前、今なんか言いかけただろ」

「ごめんなさい、ちょっとだけ」

 取り繕う必要も感じなくなってきたので、素直に謝る。ログズはわざとらしく舌打ちした。

「都合がいいとか思ってるみてーだけどな、お前にも協力してもらうからな。杖取り返すの」

「ええ? 嫌よ、自力で頑張ってよ。私も、イクテヤールならもう明日にでも一人で行くから……」

「無理だ」

 妙にすっぱりと、ログズは遮った。断固とした声音に、一瞬、タミアのほうが怯む。

「どうして」

「アルヤルは疑い深くて慎重だ。俺に同行を任せた以上、見ず知らずのお前一人が着いたんじゃ、まず信用しない」

「そんな……」

「もっと言えばだけどな、お前、魔法はどれくらい使える?」

「どれくらいって……、火をつけたり、水を浮かせたりはできたことがあるわ」

「やっぱその程度か。アルヤルはそういう、素質があるだけのヤツじゃ弟子には取らない。魔法を使いこなす術を、ある程度学んだ――この先ももっと伸びるって確信のあるヤツしか」

 言ったろ、結構忙しいんだよ。

 愕然とするタミアに、ログズは淡々と吐き捨てた。突然垣間見た「魔法使いの弟子になる」という現実の壁の高さに、タミアは瞠目し、押し黙ってしまう。

 故郷からアルヤルに手紙を出し、返ってきた手紙には確かに、「タフリールで素養を見せてもらった後」、弟子にすると書かれていた。素質ならあるから大丈夫と楽観視していたが、言われてみれば、確実に弟子にするから来いとは約束してもらっていない。

「なんつー顔してんだ。人の話は落ち着いて聞けよ」

「だ、だって……っ」

「無闇に慌てないことも、魔法使いの素質のひとつだぜ」

 泣きそうだ。

 柄にもなく目の奥が熱くなってきて、困惑で何も考えられなくなったタミアに、ログズは呆れたように首を振った。魔法の素質が現れたといったって、その扱い方なんて、誰にも教わったことがない。

「ここはひとつ、協力体制といかねェか?」

「協力体制……?」

「お前が俺の杖を探すのに協力してくれるなら、アルヤルの目に留まるように、お前に魔法の使い方を教えてやるよ。つーか、傍で見てりゃ分かってくるはずだ」

「あなたが、私に魔法を?」

「これでも一番弟子、才能はオスミツキだぜ? 悪い話じゃないだろ。それに……」

 すいと、ログズが身を屈める。大切な話をするのだと、タミアは反射的に耳を寄せた。

 ふ、と。馬鹿にしたような笑いが、耳朶をくすぐる。

「お前、一人で行くとか啖呵きるなら、情報収集は完璧にしろよ? イクテヤールへの橋は、通行税が一人一万ガルムだ」

「え……っ」

「それこそイカサマでもやって稼ぐか、俺から取ってみせるか――どっちか頑張んねェと、渡れないぜ」

 月に雲がかかり、足元の影が青く闇に溶ける。

 ばっと身を離して顔を上げたタミアに、ログズは挑発的な笑みを浮かべて、視線を受け流した。

「あなた、まさか最初からそのつもりで……!」

「さあなー? でも、お前にとっても魔法を学ぶ時間は必要だろ?」

「く……、卑怯だわ! アルヤル先生のところに着いたら、全部ばらしてやるから!」

「おーおー、やってみな。交渉成立だな?」

 奥歯を噛みしめて、タミアは彼を睨みつけて返事をしなかった。ログズは尚も面白げに笑い、脇を通り抜けて、すたすたと宿へ入っていく。

 今、蹴飛ばして手持ちの分を奪えば、橋を渡ることはできる。

 賊のような考えが頭をよぎったが、タミアは寸でのところで、振り上げかけた足を下ろした。清く、強く生きていきなさいと見送られたのだ。故郷の父母に。こんなところで約束を破るわけにはいかない。

 魔法を身につけよう。そして絶対、アルヤルの弟子になって、このアッパラパーな極楽鳥を抜いてやる。

 タミアの中に、怒りに代わって、ログズへの闘志が燃え上がった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ