24話
僕の風邪はすっかり治って、やっと輝の所に行けるようになった。
「ひ~か、久しぶり」僕がそう言うと、輝はニコッと笑った。
「兄貴、朝ご飯!!」
「ん?輝お腹すいてるのか?」
「ううん。でも兄貴が食べさせてくれるてしょ?」
「そうだな」僕は輝にそう言ってもらって、凄く嬉しかった。
空には悪いけど…
僕は輝と久しぶりに一緒に過ごした。
輝が大変だから、あんまり話さないけど、僕は一緒に居られるだけで良かった。
それから1ヶ月たった。
「ひ~か、おはよう」僕が輝の病室に行っても、輝は笑顔を見せてくれなかった。
「ん?どうした?」輝はぎゅっとつぶっていた目を開けて、
「頭痛い…」そう言った。
「辛いな…ちょっと体温とか測るよ」僕はそう言って、輝の体温を測った。
そして、体温を測り終える前に血圧を測る準備をした。
体温は34,5度。
血圧も低い…
「輝辛いな…夜眠れてる?」
「分かんない」
「そーか。今寝れるなら寝ときな?」僕はそう言って輝の頭をなでた。
そして、すぐに輝は夢の世界に入っていった。
輝の寝顔を見ていると、いきなり輝の息が浅くなった。
「おい、輝?」輝はまだ眠っているようだけど、少し苦しそうだ。
僕は輝の体を横にして、息がしやすいようにしてあげた。
(どうしたんだろう…)
僕はかなり心配になった。
「灯、輝くんの朝ご飯…って輝くん寝てるの?」
「うん、頭痛いらしくて…体温も血圧も低いし心配だよ…」
「寝てる様子どんな感じ?」
「ちょっと息が浅くて、少し苦しそうだったから横に向けた…」
「灯、あのな…輝くん呼吸困難になりかけてる…」
「えっ…」僕は言葉が出なかった。
「まだ症状は軽いけど、いつ呼吸困難になるか分からない…」
輝…嫌だよ
「灯、聞いてる?」
「あっうん…」
「今の内に聞いていたほうがいいよ?人工呼吸器を付けるかどうか…」
「うん…」
「付けるかどうかは、輝くんの承諾がないと無理だからな」
「でも…」輝が『付けない』って言えば、輝は…
「大丈夫。輝くんは生きてくれるって」空は輝のほうを向いてから、そう言った。
「そうだな」
輝は絶対生きてくれる。
生きる道を選択してくれる。
僕はそう思った。




