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2話
「ひか~行くよ」
「はーい」僕は輝を連れて、病院に向かった。
詳しく話を聞くと、最近ものをよく落とすらしい。
(やっぱり不安だな…)そう思ったけど、今一番不安なのは、輝なのだ。
僕がしっかりしないとな…
「じゃあ検査始めるね。輝、まずこれに乗って」
「うん…」
「じゃあ次はこれ…」検査は次々と進んでいった。
最後に残ったのは、血液検査。
輝は注射が嫌いだ。嫌い…というより、トラウマがある。
大きな大きなトラウマが…
「ひか~血液検査するよ」僕がそう言った途端、輝の顔が強張った。
「ごめんね、一回だけだから…」そう言って僕は輝の腕に、注射器の針を刺した。
てっきり輝は泣き叫ぶかと思ったけど、涙を目に溜めて、震えていた。
「ひか、頑張ったね」そう言いながら僕は輝の頭をなでてあげた。
「じゃあ多分結果一週間後くらいに分かると思う。また電話するね」
「はーい。じゃあね」そう言いながら輝は自分の家に帰っていった。
そして一週間後…