17話~僕のトラウマ~
僕らがまだおじさんたちの家に住んでいたころ…
「灯ちゃんって女の子みたいだな…」
「おじさん、僕、男ですから、ちゃんって…」僕は恥ずかしがりながら、そう言った。
おじさんは怖い顔になって、
「俺らはお前らを養ってるんだよな?」って言った。
「はい…」いきなり何だろう…
「お前バイトしてこい。俺が指定した所で」そんなこと?そのくらい当たり前だよな…
「良いですよ。僕も働きます」僕がそう言ったとき、おじさんが少し笑ったような気がして、ちょっと怖かった。
「お前は、今日から女だから…」
「はい?」
「灯ちゃん、行ってらっしゃい」そう言いながらおじさんは僕に住所を渡して、僕を家から追い出した。
(は?ここ?)僕は看板を見てびっくりした。
『蜂蜜ハニー』いわゆるキャバクラだった。
僕がその場に立ち尽くしていると、
「あっ灯ちゃん?僕はここの支配人の福富です。よろしくね」って男の人が手を差し伸べてきた。
僕はその手をとらずに、
「僕、男ですよ?」そう言った。
「おーツンデレか…やっぱり男の娘っていいな…」
「ツンデレ?いやだから…」僕は怒っていた。
「ん?どうした?」
「あの…ちょっとおじさんに電話するんで」そう言って僕は携帯からおじさんに電話をかけた。




