13話
最近、みじん切りの食事でも、輝はむせるようになってしまった。
輝は少し咳をするだけでも体力を消耗してしまう。
だから、輝は食べようとしなくなってしまった。
「ひ~か、少しでいいよ、食べよう?」
「……」
「点滴はしたくないだろ?」
「うん…でも、嫌」
「輝…」
「分かった。でも少しだよ?」
「はーい、ありがとう」そう言って僕は一口だけ輝の口に入れた。
だけど、やっぱりむせてしまって、苦しそうだった。
「ひ~か、ごめんね…」そう言いながら僕は輝の背中をさすった。
輝をベッドに寝かせると、疲れたみたいで、すぐに眠ってしまった。
(もう流動食にしたほうがいいかな…)
そう思って、空に相談してみた。
「空、もう流動食にしたほうがいいのかな?」
「灯はどう思うの?」
「このままでもいいなら変えたくない…空、教えて」
「流動食に変えないと、輝くん何も食べられなくなる…」
「流動食にしたら、輝苦しまないかな?」
「今のところは…」
「分かった。でも僕作れないしな…」
「俺が作るよ。輝くんに話してきな?」
「うん、分かった…」僕は重い足取りで輝の病室に向かった。
「ひ~か、おはよー」輝はぼーっと天井を見ていた。
「輝、ご飯なんだけど、今のご飯だとむせちゃうでしょ?」
「だから、流動食にしない?」
「……」
「ひ~か」
「誰が作るの?」
「えっ?あー空だよ?」
「じゃあ嫌。今までのがいい…」今までのは辛いんじゃない?と思って
「どうして?今のままだと苦しくない?」って僕が聞くと、
「でも、兄貴が作ったのしか食べない」なんて可愛いことを言ってくれた。
「ひか?お前可愛いな…僕が作るならいいの?」って輝の頭をなでながら言うと、輝は
「うん!」って言ってくれた。
「ありがとな。輝、僕が作るから心配しないでね」そう言って僕は輝の手を握った。
輝、大好きだよ。




