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69話 お似合いの職業

作中ではもうすぐ秋です。奇しくも現実とリンク。

 「さぁて、今日も一日がんばるか」

 気持ちのいい朝日を浴びると、一日の気力が湧いてくる。

 今日は珍しくエルよりも早く目覚めたが、早起きは何とかの得って言うし良いことだろう。

 「クエストでもするかなぁ。流石に金が尽きてきたし……」

 ガルムルクで稼いだ分ももう無い。めんどいけどやるしかないな。


 「あれぇ?」

 ふと登録証を見ると、職業熟練度が最大の五十になっていた。

 この前見た時は四十くらいだったのに、一気に変わったぞ?

 「ねえエル、どういうことだと思う?」

 さっき起きた気配がしたので、エルに聞いてみる。

 「……とりあえず、服着てください」

 「うん?」

 視線を下げると、一糸纏わぬ姿だった。私、露出癖あったっけ?


 「……ああ、昨日飲んだんだっけ」

 そうそう、エルが遅く起きたのは飲んでたからか。

 そして私は酔った勢いで全裸で寝てしまった訳ね。外では気を付けよう。


 「でもちょっと気持ちいいかも」

 「キリルさん!?」




 「はい、では上級職へ変更いたしますね」

 「おなしゃす」

 しない理由も無いので、ギルドでさっさと上級職にしてもらうことにした。


 「暗殺者って、何になるんだろうね」

 変更先は一つしかないらしいが、より殺しに特化した職になるのだろうか。

 「そういえばキリルさん暗殺者でしたね。忘れてました」

 最近それっぽいことしてないからなぁ。正直私も忘れてた。

 「まあこれでBランクとして恥ずかしくない肩書きになったね」

 舐めてくる奴はいないだろう。最初からいないけど。


 「お待たせしました、キリルさん。変更が終わりましたよ」

 「おっ、きたきた~」

 さて、一体どんな……。


 「……殺戮者スレイヤー?」

 「見るからに物騒ですね」

 物騒ってレベルを超えてる気がする。

 「キリルさんらしいと思いますけど。前科持ちですし」

 「それには語弊があるな。ばれてないから罪にはなってない。よって私は無罪だよ」

 ばれなきゃ何したっていいんだよ、普通。


 「殺戮者って、随分珍しいわねぇ」

 セレスもこんな反応だ。

 まぁカイトにはいないな。そもそも暗殺者をずっとやってる人も少ない。

 「かっこいいけど、まるで私が危険人物みたいだよね」

 「それは事実として、その職は避けられる傾向があるのよ」

 え、まさか地雷職?

 「倫理的な問題ね。ほら、暗殺者の熟練度って殺生をすれば上がるでしょう?」

 「え?」

 「え?」

 すまん初耳だ。

 「あんたねぇ……。とにかく、その職の人はそれだけ生物を殺してきたってことでしょう?そんなのに好意湧く?」

 「全然気にしないけど」

 「……」

 あ、絶句された。

 「キリルさんはこんな人ですからね。だから上級職になれたんでしょうけど」

 「やっぱりあんたおかしいわ」

 何度目だろ、その台詞言われるの。


 「そういや、今朝急に熟練度が最大になってたんだよ。そんで職を変えたんだけど、なんでか分かる?」

 「うーん、聞くところによると、より人に近い生物を殺すとよく上がるらしいわ。知能が高い奴とか」

 「人に……?」

 それって、もし人そのものを殺したら滅茶苦茶上がるのでは?

 (……あの、キリルさん。まさか……)

 うん、絶対あの貴族の件だな。思いっきりぶっ殺したし。

 (心配しなくても、それ目当てに殺人はしないって。急いでないから)

 (だといいんですけど)


 「あんた達、念話はもっと分からないようにやりなさい」

 「「!?」」

 なぜばれた!?

 「念話って、慣れたらすぐに分かるのよね。もうちょっと気を付けなさい」

 こ、こいつやべぇ……。


 「新しいスキルとかありますか?」

 「んー、殺意をコントロールするとか、相手の急所が見えるとかあるね」

 基本は変わらないな。

 「試してみるか。『無感の殺意』」

 エルに向かって強めの殺意を飛ばしてみる。

 「ぎゃああああ!!!」

 そしてエルがギルド奥まで逃げていった。


 「意外といいかも」

 「やめてあげなさいな」

 私、ランクアップだぜ。


簡易ステータス その⑥

●カロロ

・筋力…衰えている

・知力…インテル入ってる

・敏捷…マッハ20

・体力…脆い(自称)

・魔法…精密動作性:A

・運…凶

・理性…冷静沈着

・正気度…すり減っている

・高潔さ…合理主義

・胸…存在しない

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