5話 セルフサバイバル
短いです。
補足回?
「うおお‥.眠い‥.」
ログハウスから起き、欠伸を一つ。
今日は休みなので昼まで寝るつもりだったが、そうはいかないか。
前に魔法を使ったので、魔力が回復するまで討伐クエストはやっていない。
「出力は高いけど、魔力量は未熟なんだよなぁ。」
いくらチート能力でも、成長速度はどうしようもない。
実はそれほど消耗はしておらず、休みたかっただけなのだが。
適当に手櫛で髪を整え、木を降りる。
実家にいた頃は母に髪をといてもらっていたが、今は面倒くさくて放置している。
近くの泉で顔を洗い、寝ている脳を叩き起こす。
「よし、リセット完了。ご飯にするか」
再び木を登り、ログハウスに戻る。
朝ごはんに栗に似た木の実を食べつつ、休日の過ごし方を考える。
せっかくの休みだ、また森の探索でもしようか。
一応冒険者は自由人なので休みなんていくらでも作れるのだが、さぼりすぎると道楽でやっているのかと思われたり、冒険者間の情報を取り逃がすことになるかもしれないらしい。まあ私は半分道楽なんだけど。
おかげで最近はクエスト続きだ。討伐以外もやってはいるが、戦った方が楽な身なので少々手こずった。
まさか迷子のペット探しがあんなに難航するとは‥.。
お腹も膨れたところで、家の中を見渡す。
このログハウスは森に住み着いてからすぐに作ったものだ。
雨風凌げれば十分だと思っていたが、いざ作り始めると予想以上に凝った出来になっていった。
私って凝り性なのかなぁ‥.。
装備を手に取り、不具合が無いか確認する。
これらの武器は主に私を素材にして作っている。簡単な加工なら自力で出来るのだ。
龍の部位を使った装備はA級でも中々持っていないもので、少しズルいかなと思う。
でも折角与えられた能力、使わなきゃ損だよね!
「食料も減ってきたし、狩りでもするかな」
獲物を探すため、マイハウスを離れる。
この木の周辺には私の鱗を撒いてあるので、匂いでモンスターが寄ってこないのだ。
短刀と弓を持ち、『敵感知』で周囲を探る。
取り敢えず弱いモンスターでいいから、さっさと狩って保存食にしよう。
『龍魔眼』で探していると、飛行中の鳥を見つけた。
レイニーバードか。食用で認知されているやつだ。
あれでいいか。仕留めるために弓を取り出す。
土で矢を作り、弓を引き絞る。
「よーし、気づいてないな」
『隠密』で気配を消しつつ、狙いをつけて矢を放つ。矢は鳥に吸い込まれていき、胴体に突き刺さって撃ち落とした。
「ご飯確保っと。もう何匹か狩っとくかな」
落とした鳥に止めを刺し、私は次なる獲物を求め森を進んだ。
「うんうん、これだけ狩ればしばらく持つね。」
あれから色んな獲物を仕留め、私は満足顔で自宅に戻っていた。
保存の為血抜きをしながら、今日の献立を考え涎が出る。おっとと、はしたないか。
しっかし、こういうことにも慣れたもんだ。前世の自分じゃとても出来そうにない。やっぱり山で暮らすと変わるなあ。
夕食は、適当な獣肉を香草で包んで焼いたものにした。
森は植物も豊富だし、住むには結構理にかなってるんじゃないか?
皆でやろうよ森暮らし。まあそのぶん危険も多いけど。
夜、葉っぱで出来た布団を被り眠りにつく。
なんだか貧しい気分だが、これは夜の闇がそうさせるのだ。寂しくはない。
寂しくはないが、明日はミーアとセレスにご飯でもおごってもらおう。
キリルの髪は、
「脇の下辺りまで伸びていて、毛先がねじれていて色は明るい茶色」
です。
お嬢様っぽいです。セットすれば。