37話 仲間紹介
ブックマーク100……( ; ゜Д゜)
ありがとうございます。これからも頑張ります。
「で、結局誰なのよ。まさか誘拐とは思わないけど」
セレスは疑りの目で詰め寄ってくる。
何だ誘拐って。流石に犯罪はしないぞ。
「は、初めまして、エルと言います!キリルさんにはお世話になってます!」
エルもテンパって名乗っちゃったし、後戻りは出来ない。
「そう、私はセレスよ、よろしくね。で、この馬鹿とはどういう関係?」
「馬鹿言うな。……あー、もう話してもいいか。この子裏路地のホームレス仲間なんだよ」
裏路地のこと、言ってなかったからなぁ。もうぶっちゃけるか。
「裏路地って……あんたそんなとこに行ってんの?」
「そーですよ。だって私もホームレスだし」
偏見のある言葉だが、否定は出来ない。
カイトの裏路地はまだましな方で、扱いも普通の町人と同じぐらいだが、それでも表立って交流する人は少ない。
やっぱり肩書きが底辺だからなぁ……。プライドの高い冒険者なんかは、露骨に接触避けるし。
町内のクエストの時とか、情報貰いに行ってる癖にね。
「そこの新人でね。冒険者やりたいって言うから世話してんの。ほら、ホームレスでも冒険者やってんの多いじゃん」
「そうです、ほーむれすなんです私!」
「……詮索はしないでおくわ」
可哀想な人を見る目をしているが、セレスは納得してくれたようだ。
(あの、キリルさん。これ誤魔化せてます?)
(セレスは空気読めるから、これくらいでも十分だよ)
見逃されてる気はするが。
「もうすぐミーアも来るから、紹介しときなさいよ」
「はいよ」
「というわけで、新人のエルだよ。ほれ挨拶」
「はっ、初めまして!エルと言います!」
数分後、ギルドに来たミーアに改めて自己紹介させる。
「初めまして!私はミーアって言うの、よろしくねー!」
ミーアに手を掴まれ、ぶんぶん振り回されるエル。
戸惑ってるが、ミーアならすぐ慣れるだろ。
「世話するって言うけど、ランク違うからパーティーは無理よね。どうするの?」
「ま、ぼちぼち上げさせるかな。エルも急いでないしね。てゆーか今は何でも楽しそう」
「世間知らずなのかしら……?」
人界知らずです、はい。
「ねえ、エルちゃんはどこから来たの?」
「え!?えーっと、どこでしょう……?」
「そっかーどこかなのかぁー、大変だね!」
「あ、ありがとうございます……?」
ミーアテンション高いなぁ。エル着いてこれてないぞ。
「お二人は、以前からキリルさんとパーティーを組んでいたんですよね?」
「ええ。キリルだけランクが違ったから遅くなったけどね」
「悪うござんしたね」
ようやく落ち着いたエルに、私達のことを話す。
「エルちゃんは始めたばかりだしねー。一人で大丈夫かな?」
「実力はあるけど……まあ、手が無いことも無いじゃん」
ランクが違っても協力する方法。
「ああ、あれね。ちょっと狡いけど」
「?」
ま、クエストは後日だ。今は置いとこう。
「あ、セレス、酒奢って。裏路地でエルの顔見せするから」
「却下」
にべもない。
日常が戻ってきましたね




